「iPhone 6/6 Plus」で優位に立つキャリアは?――料金とネットワークの違いを読み解く石野純也のMobile Eye(9月1日〜12日)(1/2 ページ)

» 2014年09月13日 11時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

 Appleが「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を発表し、各キャリアのアピール合戦が激化し始めた。9月12日には3社とAppleが予約の受付を開始。KDDIとソフトバンクモバイルの両社は、端末価格や端末に購入に伴う毎月の割引も明らかにした。2013年、ドコモがiPhoneの取り扱いを開始して以降、端末が同一になる中、勝負の軸は料金やネットワークに移ろうとしている。iPhone 6、iPhone 6 Plusでもその傾向に変わりはない。そこで、今回は2つの新iPhoneを巡る3社の違いをまとめた。

端末代はほぼ互角、ドコモの発表が待たれる

 KDDIとソフトバンクモバイルは、それぞれ端末価格や毎月割、月月サポートの額を発表した。金額はほぼ同じだが、本体価格はソフトバンクがやや安く、毎月の割引を含めた“実質価格”はわずかながらだがKDDIに軍配が上がる格好だ。全体の傾向としては、機種変更より、新規・MNPが優遇される傾向にある点もつけ加えておきたい。

photophoto 4.7型と5.5型の2バリエーションが発表された。4.7型が「iPhone 6」、5.5型が「iPhone 6 Plus」という名称だ

 注意したいのは、実質価格は変動する可能性がある点。改めて説明するまでもないかもしれないが、途中で機種変更をしたり、解約をした場合、割引はその段階で打ち切られる。つまり、24カ月丸々使えば、実質的にこの価格になるということだ。本体価格が安いソフトバンクの方が、途中で機種変更もしくは解約した場合、わずかに安くなるともいえるだろう。逆に24カ月使い切ったときは、KDDIの方がお得になる。これらをまとめた表は、以下のとおりだ(価格はいずれも税込)。

KDDIとソフトバンクの端末および割引価格
KDDI(新規・MNP) ソフトバンク(新規・MNP)
本体価格(月額) 毎月割 実質価格 本体価格(月額) 月月割 実質価格
iPhone 6 16GB 7万2360円(3015円) 3015円×24 0円 7万80円(2920円) 2920円×24 0円
64GB 8万5320円(3555円) 3015円×24 1万2960円 8万3280円(3470円) 2920円×24 1万3200円
128GB 9万6120円(4005円) 3015円×24 2万3760円 9万4080円(3920円) 2920円×24 2万4000円
iPhone 6 Plus 16GB 8万5320円(3555円) 3015円×24 1万2960円 8万3280円(3470円) 2920円×24 1万3200円
64GB 9万6120円(4005円) 3015円×24 2万3760円 9万4080円(3920円) 2920円×24 2万4000円
128GB 9万9360円(4140円) 2700円×24 3万4560円 9万9360円(4140円) 2690円×24 3万4800円

KDDI(機種変更) ソフトバンク(機種変更)
本体価格(月額) 毎月割 実質価格 本体価格(月額) 月月割 実質価格
iPhone 6 16GB 7万2360円(3015円) 2410円×24 1万4520円 7万80円(2920円) 2310円×24 1万4640円
64GB 8万5320円(3555円) 2410円×24 2万7480円 8万3280円(3470円) 2310円×24 2万7840円
128GB 9万6120円(4005円) 2410円×24 3万8280円 9万4080円(3920円) 2310円×24 3万8640円
iPhone 6 Plus 16GB 8万5320円(3555円) 2410円×24 2万7480円 8万3280円(3470円) 2310円×24 2万7840円
64GB 9万6120円(4005円) 2410円×24 3万8280円 9万4080円(3920円) 2310円×24 3万8640円
128GB 9万9360円(4140円) 2095円×24 4万9080円 9万9360円(4140円) 2080円×24 4万9440円

 ただし、どちらもiPhone 6 Plusの128Gバイト版だけは、割引額が抑えめだ。10万円を超えると、割賦販売時の審査を厳しくしなければならないため、あえて端末代を少々安く9万円台ギリギリに設定して、そのぶん毎月の割引を減らしたと考えられそうだ。

 KDDIとソフトバンクが予約開始の12日16時までに料金プランを公開できたのに対し、ドコモはAppleとの調整が間に合わなかった模様だ。ドコモ広報部によると、「13日以降すみやかに公開する」とのことで、追加の発表を待ちたい。

 料金に関しては、KDDIとソフトバンクのどちらも、新旧2つのプランから選択することが可能だ。KDDIは、「なるべくお客様のニーズをよく見て対応していきたい」(代表取締役執行役員専務 石川雄三氏)として、“選べる自由”を残した格好だ。ソフトバンクも同様に、旧プランを選択でき、「『パケットし放題フラット』であれば、どちらのプランでも月月割は同額になる」(広報部)という。

9/13 19:25追記

 ソフトバンクモバイルはiPhone 6/6 Plusの月月割を変更した。これに伴い実質価格が安くなり、au版と同額になった。

photo 報道陣からの質問に答えるKDDIの石川雄三専務

 対するドコモは、8月31日で旧料金プランの新規受付を終了しているため、現状新たに契約しようとすると、音声定額とパケットパックを組み合わせる新料金プランしか選択できない。機種変更の場合は旧料金プランをそのまま継続できるが、原則として9月1日以降は月々サポートがつかないようになっている。そのため、新料金プランに加入しなければ、端末の購入に伴う割引を受けられず、実質価格は割高になる。音声通話をあまり利用しない人にとっては、痛手といえるだろう。ただし、端末価格の発表にあたって、何らかの措置があるかもしれない。この点には、引き続き注目しておきたい。

下取りやキャッシュバックキャンペーンも実施

 iPhone発売に合わせ、下取りや各種キャンペーンも行われる。KDDIは、9月19日から下取りプログラムにiPhone 5sとiPhone 5cを新たに加えるほか、iPhone 5やiPhone 4sの下取り価格を大きく上げる。特にiPhone 4sについては大幅な増額になり、64Gバイトが7000円から1万7000円に、32Gバイトが6500円から1万6500円に、16Gバイトが6000円から1万6000円にと、それぞれ1万円買い取り価格がアップする。iPhone 5sなどの最新機種は状態次第で一般の中古販売店に及ばないところがあるものの、iPhone 4sのような古い機種なら利用する価値は高い。KDDIの下取りはポイントとして支払われるため、au WALLETでリアルな店舗で使えるのも特徴といえるだろう。

KDDIの下取りプログラムの一例
9月18日まで 9月18日〜11月30日
iPhone 5s 64GB 2万6000円相当
32GB 2万5000円相当
16GB 2万4000円相当
iPhone 5c 32GB 1万8000円相当
16GB 1万7000円相当
iPhone 5 64GB 1万5000円相当 2万円相当
32GB 1万4000円相当 1万9000円相当
16GB 1万3000円相当 1万8000円相当
iPhone 4s 64GB 7000円相当 1万7000円相当
32GB 6500円相当 1万6500円相当
16GB 6000円相当 1万6000円相当

 これに対してソフトバンクモバイルは、「タダで機種変更キャンペーン」を実施。こちらは、iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 4s、iPhone 4、iPhone 3GS、iPhone 3Gのほか、Androidも6機種が対象となる。端末の回収を条件にしている点で、下取りと考えて差し支えはないだろう。iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 5の場合は、2万5440円分の割引を受けられる。割引の代わりに、Tポイントでも受け取ることが可能だ。iPhone 4sの場合は、1万4640円となる。

タダで機種変更キャンペーン(iPhone 5s、5c、5の場合)
iPhone 6 iPhone 6 Plus
16GB 64GB 128GB 16GB 64GB 128GB
月の実質価格 0円(+1万8000円の割引) 100円 550円 100円 550円 1000円
割引総額 2万5440円 2万5440円 2万5440円 2万5440円 2万5440円 2万5440円

 このほか、MNPで移ったユーザーに対して1万円分のポイント還元をするのは2社で共通している。

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