ソニーがスマホ事業不振で減損1800億円に下方修正━━ハイエンドモデルへの集約で、Xperia復活はあり得るのか石川温のスマホ業界新聞

» 2014年09月26日 12時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 今週、アップル・iPhone 6/6 Plus発売で盛り上がりを見せる中、17日にソニーがスマホ事業の減損により、2015年3月期の連結最終損益が2300億円の赤字になりそうだと発表した。従来予想は500億円の赤字だった。

 ソニーは、テレビ、パソコン事業などをリストラしてきたが、構造改革が上手くいっていない。今回、成長分野としていたはずのスマートフォン事業の見直しにより、復活への道筋が見えなくなってきてしまった。

 実際のところ、ソニーのスマートフォン事業が置かれた状況は厳しいものがある。ソニーとしてはXperiaをプレミアムブランドとして位置づけ、差別化しようとしているが、ハイエンドモデル市場には、アップル・iPhoneが強く、そこにサムスン電子・GALAXY S、GALAXY Noteが君臨する。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2014年9月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


 特にアップル・iPhoneは日本においてはキャリアからの強力なバックアップもあり、太刀打ちできない状態だ。

 一方、サムスン電子においても、グローバルレベルで販路を開拓しており、ソニーの営業力では歯が立たない状態だ。実際、ソニーが強いのは、日本、アジア、一部ヨーロッパぐらいなもので、アメリカ市場はようやく立ち上がったばかりだ。

 中国市場においても、もはや撤退モードに入っている。今年春、ソニーモバイルコミュニケーションズの鈴木国正社長にインタビューした際、「100ドル以下のローエンドスマホは考えていない」という話をしていた。あくまでソニーはプレミアムであり、ローエンドモデルはソニーらしくないというわけだ。ソニーとしては、いたずらにシェアを追うことはせず、ハイエンドモデルでしっかり稼ぐという戦略だったようだ。ミドルクラスにおいても、ハイエンドでXperiaのブランドイメージを作り、店頭に客を呼びつつ、「高い」と感じた客にはミドルクラスの端末を販売するという流れを考えていたようだ。

 ソニー幹部の話によれば、Xperiaのハイエンドは好調という。しかし、不調の原因はミドルクラス以下にあるようだ。そのあたりには、中国のファーウェイ、レノボ、シャオミーといったメーカー勢が魅力的なスマホを投入している。安さとデザイン性でソニーは太刀打ちできなくなっているのだ。

 今回、1000人規模のリストラを発表しているが、これにより今まで以上にバラエティ豊かな商品ラインナップというのは難しく、尻つぼみにラインナップは絞られていくのだろう。ソニーのハイエンド路線重視は理解できるもの、現状、ソニーの強みを生かそうとしている点がどうしてもユーザーのニーズを離れているような気がしてならない。4K画質で撮れる動画においても、4Kで映像を楽しむには4Kテレビに出力する必要がある。ハイレゾ音源を楽しむにも、ハイレゾ対応のファイルが必要となる。PS4のリモートプレイを満喫するには当然、PS4がなくてはならない。ソニーのグループシナジーを生かし、差別化するのは理解できるが、「ソニーの他の製品」がなくてはハイエンドであるメリットを享受できないのが残念だ。

 また、ソニーは、年間2回、ハイエンドモデルの新製品を投入し続けているが、これは「新製品を投入し続けることで、端末価格を維持するのが狙い」(開発担当)という。他社はハイエンドは年間1モデルしか更新せず、数ヶ月かけてグローバル展開しつつ、1年間でゆっくりと値下がりをしていく傾向が強い。ユーザーとしても値下がりをしたタイミングで購入するというのも可能だ。 Xperiaの場合、半年ごとに新製品が出るため、国によっては、ようやく新製品が市場に出回ったばかりのタイミングでグローバルですぐに新製品が発表されるということもあるようだ。半年単位で新製品が出るのはいいが、前モデルとあまり代わり映えがしないことも、Xperiaの輝きを失っているような気がしてならない。アップルのように強力な1モデルを年間1回出すか、サムスン電子のようにGALAXY Sというフラグシップを前半期に、GALAXY Noteという派生機種を後半戦に出すという分け方をしないとつらいのではないか。

 ソニーとしても、強力なフラグシップモデルを開発するのが難しいのならば、もうちょっと、Xperia Zシリーズとは異なる「派生機種」というのがあっても良いような気がする。

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