ソフトバンク「アメリカ放題」の使い勝手を試した ━━世界で注目を浴びる「AQUOS CRYSTAL」も買ってみた石川温のスマホ業界新聞

» 2014年10月17日 12時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 9月上旬のアップル新製品発表会以来のアメリカ訪問であったが、今回はひとつ楽しみがあった。なぜなら、ソフトバンクがiPhone 6/6Plus発売時からサービスを開始している「アメリカ放題」が試せるからだ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2014年10月11日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


 アメリカ放題は、スプリントのネットワークを掴むSIMカードが必要ということで、MNPでソフトバンクのiPhone6を準備。アメリカ放題が適用されるには、モバイルデータ通信の設定画面において「モバイルデータ通信」は「オン」、「データローミング」は「オフ」、4Gも「オフ」にしておく必要がある。これだけでスプリントのネットワークにつながるようになるという。

 早速、JFK空港のロビーでデータ通信や発話を試してみたが、アンテナピクトはきちんと表示されているものの、音声などは全くつながらなかった。「やっぱり、ソフトバンクグループだな」と思って、ニューヨーク市内に向かったが、途中のクルマ移動中はデータ通信も音声通話も問題なく行えた。その後、半地下のレストランなどでも使ったが、やはり、屋内、特に電波の弱そうなところでは、他キャリアは問題なくても、スプリントはやや使い勝手が悪かった。

 実際、地下鉄においても、看板を見ると「地下鉄の駅でネットワーク対策を強化中。ベライゾン、AT&T、T-Mobileは対応中で、スプリントはもうすぐ」といった表記も見られた。スプリントは他社から遅れながらも、急ピッチで対策を進めているのだろう。地下鉄で使ってみると、走行中はそもそも全キャリア圏外ということが多い。時々、ソフトバンクのiPhoneでスプリントの電波をつかむのだが、場所によってはスプリントではなくAT&Tにつながることもある。データローミングはオフなので問題はないが、音声通話が着信すると、アメリカ放題が適用されないと思われるので注意が必要だ。

 4日間の滞在中、アメリカ放題を使ってみたが、エリアの不満はあるものの、日本からの電話の着信などは時間を気にせずに会話できるため、満足度はかなり高い。データ通信もつながれば問題はない。年内は3Gのみだが、来年以降はLTEが使えるとなれば、利便性は相当あがるだろう。

 個人的には、海外出張中にかかってくる仕事の電話により、毎月相当な額のローミング料金を支払っているので、アメリカ放題は手放せないサービスになりそうだ。ちなみに、ニューヨークのベストバイには、ソフトバンクとスプリントの共同調達でおなじみのシャープ「AQUOS CRYSTAL」が売っていた。早速、購入してみたが、やはりこのクオリティのスマホが149ドルで買えてしまうというのに驚きだ。

 一緒に取材に来ていた、ライターのなかやまさとるさんも購入したのだが、香港のメディア関係者から「それ、AQUOS CRYSTAL、それともAQUOS CRYSTAL X、どっち?」と聞かれていた。さらにハンバーガー店では、店員から「それ、クールだな? サムスンか」と言われていた。シャープのブランド力が皆無なのは残念なところだが、アメリカだけでなく、その他の地域でもAQUOS CRYSTALに対する注目度は高そうだ。

 シャープは日本、アメリカに留まらず、充分に世界へ販路を広げるチャンスがあるのではないだろうか。

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