イオンが3月19日、「イオンスマホ」の2015年春夏モデルを発表。「VAIO Phone」と「KYOCERA S301」を3月27日、「Xperia J1 Compact」を4月20日に、全国のイオンなど540店舗と、オンライショップで発売する。
VAIO PhoneはVAIOブランドを冠した初のスマートフォンということで、デザイン重視のユーザーを狙う。また、日本通信が提供する月額1980円(税別、以下同)の高速データ通信し放題のSIMカードを選べるのも特徴だ。価格は4万8000円。
KYOCERA S301は、防水と防じんに加え、米国防総省のMIL-STD-810G準拠の耐衝撃性もサポートするタフネススマホ。BIGLOBE LTE・3Gの1Gバイトで月1350円か、5Gバイトで月1650円のプランを選択できる。価格は2万9800円。
Xperia J1 Compactは、防水・防じんやおサイフケータイといった日本でニーズの高い機能に対応した、ハイスペックなコンパクトスマホ。イオンで利用できる電子マネー「モバイルWAON」をプリインストールしている。「Gレンズ」付きの高性能な有効約2070万画素CMOSカメラを搭載。通信はソネットの「PLAYSIM」を利用する。価格は5万4800円。
2014年4月4日に発売した初代イオンスマホ「Nexus 4」は、通信速度は200kbpsながら、端末代込みで月額2980円という価格が支持を集め、1カ月で8000台を完売した。その後、7月にgeanee「FXC-5A」を、9月に初のLTEスマホ「IDOL 2 S」(TCT Mobile Limited)、そして12月にはイオンスマホ初の日本メーカーである富士通の「ARROWS M01」を発売し、順調にスペックアップを果たしていった。
これまでのイオンスマホでは、フィーチャーフォンのユーザーをターゲットにして商品を展開してきた。イオンリテール デジタル事業部長の橋本昌一氏は「ガラケーの人が本当に満足されているのかと考えてきた。スマホは欲しいけれど『高いから無理』『解約金が大変だ』と言われているが、ガラケーをお使いの人は、スマホの見込み客なのではないかと仮説を立てた。それなら、私どもがソリューションを提供できないかと考え、『低価格』『解約金なし』のイオンスマホをスタートした」と振り返る。
こうした経緯で始まったイオンスマホは、節約志向の強い主婦やシニア層から大きな支持を得た。「私も土日は店舗を巡回し、ときには契約の対応もするが、お客様から初めてスマホを買うと聞いたときは、イオンスマホを展開して本当に良かったと思った。主婦やシニアの方の背中を押すことができたのでは」と橋本氏は手応えを話す。契約数は非公表だが、「皆さんが想像されているよりも多いと思う」(橋本氏)とのこと。
一方で、最近は主婦やシニア層以外のユーザーにもイオンスマホが広がりつつある。橋本氏によると、イオンスマホユーザーの年齢層は、サービス開始当初は50歳以上が50%以上だったが、最近は40代の購入も増えているそうだ。現在、50歳以上のユーザー比率は約37%に下がり、その分40歳以上が78%に上がった。「50歳以上が16%、40歳以上は45%」(橋本氏)という大手キャリアと比べても、40歳以上のユーザーは多い。
こうした年齢層の変化に伴い、大手キャリアの端末と遜色のないハイスペックなスマホを求める声や、日本のブランドのスマホを求める声が増えてきたという。これらのニーズに応えるべく、VAIO(日本通信)、京セラ、ソニーモバイルコミュニケーションズという日本メーカーのモデルを投入。ARROWS M01と合わせて、これで日本ブランドのスマホは4機種となった。
新機種ではブランド、スペック、通信速度、通信容量にこだわり、「格安スマホ」ならぬ「こだわりスマホ」として展開する。メインターゲットは20〜30代の男性で、イオンスマホのすそ野をさらに広げていく考えだ。なお、大手キャリアが提供している最上位機種の採用は考えていない。「イオンスマホは価格にもこだわって、できる限りの機能とサービスを提供したい」(橋本氏)。「最低契約期間なし」「契約解除料なし」という特徴は、今回の新モデルでも継続しており、契約時の心理的なハードルを下げることにも尽力している。
端末故障時に新端末と交換する「イオンスマホ安心保証」(月額350円)、端末からアプリまでの操作法を電話で対応する「イオンスマホ電話サポート」(月額300円)など、手厚いサポートも充実させた。上記2つと「イオンスマホセキュリティ」(月額150円)をセットにした月額600円の「イオンスマホ安心パック」も提供中だ。
定額でアプリが使い放題になる「イオン厳選アプリ20」(月額200円)と「お子様向け超厳選アプリ10」(月額100円)、雑誌296冊が読み放題になる「タブレット使い放題・スマホ使い放題」(月額463円)も提供。端末だけでなくコンテンツも拡充させた。
学習コンテンツ「学研ビクトリー」をプリセットしたタブレット「学研がんばるタブレット」も発表。全国のイオン430店舗で3月27日に発売する。小学1年から中学3年までの、文部科学省学習指導要領学習に準拠した、ニューワイド学習百科事典、学研電子図書館、各種Webコンテンツをそろえている。
タブレットはHuaweiの「MediaPad T1 8.0」を採用。Google Playの制限もなく、通常のAndroidタブレットとしても使える。オプションサービスとして、月1040円で4Gバイトまで使える「IIJmio ウェルカムパック for イオン」を用意。端末代+学習コンテンツ+通信料をあわせて月額3440円から利用できる。
端末とサービスによって、スマートなネットワークライフを提案する――。これがイオンがモバイル事業で目指すゴールだ。「端末や通信を生かして、イオングループのデジタルシフトの中核をなすサービスに仕上げていきたい」と橋本氏は意気込みを語った。
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