FREETEL、Wonderlink、DTIが安定の御三家――「格安SIM」18サービスの実効速度を比較(ドコモ回線4月編)通信速度定点観測(2/2 ページ)

» 2016年05月02日 14時08分 公開
[小林誠ITmedia]
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午後のアイティメディア社内では4月もFREETEL SIMがMVNOで唯一の下り10Mbps台

 最後に東京都内のアイティメディアの会議室で午後に測定した。こちらは4月28日(木)に行った。25日の横浜駅のテストと違い、当日は朝から雨。しかも翌日からゴールデンウィークということもあり、人々の行動にいつもとは違う影響が出ているかも……。周辺の様子は雨ということもあり、ランチタイムでも外出している人は少なかった。

通信速度定点観測

 室内で皆スマホをいじっていたのだろうか。横浜駅のランチタイムよりも下り平均0Mbps台のサービスが増えてしまった。全部で11サービスだ。もっとも3月は14サービスが0Mbps台(か測定不能)なので若干改善した、ともいえる。

 トップはドコモのmopera U。4月のテストでは唯一下り平均20Mbpsを超え、本家らしい強さを見せた。続くのがやはり混雑時に強いFREETEL SIMで下り平均14.23Mbps。下りの速度で10Mbps以上はこの2サービスのみ、MVNOではFREETEL SIMだけだ。

 3位にはこちらも上位陣の常連Wonderlink(LTE F)が下り平均8.87Mbps。4位に下り平均6.3MbpsのDTI SIM。DTI SIMは上りも良く平均15Mbps台だ。下り平均1Mbps台にSo-net モバイルLTE、楽天モバイル、ワイヤレスゲート、U-mobile(LTE使い放題)が並び、ギリギリで頑張った。

 上りの速度を見ると全体的に下りよりは速度が出ており、例えばBIGLOBE LTE・3Gは上り平均16Mbps台で上りの1位となっている。一方、上下ともに速度がいまひとつだったのがb-mobile(おかわりSIM)で、下り平均0.7Mbps、上り平均2.88Mbpsだった。ワイヤレスゲートは上り平均1.91Mbpsだが、こちらは前述の通り速度があまりぶれないタイプなので平常運転ともいえる。

アイティメディア社内での計測結果
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:20 0.81 9.95
OCNモバイルONE 12:20 0.54 13.02
BIGLOBE LTE・3G 12:26 0.85 16.78
b-mobile(おかわりSIM) 12:26 0.7 2.88
So-net モバイルLTE 12:31 1.3 9.66
楽天モバイル 12:31 1.57 7.02
NifMo 12:34 0.44 12.86
ぷららモバイルLTE 12:34 0.45 7.13
ワイヤレスゲート 12:38 1.57 1.91
FREETEL SIM 12:38 14.23 12.15
DMM mobile 12:40 0.75 7.47
U-mobile(LTE使い放題) 12:40 1.21 14.18
Wonderlink(LTE I) 12:44 0.73 7.78
Wonderlink(LTE F) 12:45 8.87 11.92
mineo(Dプラン) 12:45 0.83 9.64
DTI SIM 12:48 6.3 15.1
0 SIM 12:48 0.9 10.54
イオンモバイル 12:51 0.86 14.36
ドコモ(mopera U) 12:44 26.43 11.21

4月はいつもの上位陣が手堅くリード、「FREETEL」「Wonderlink」「DTI」が御三家

 まず安心したのが、3月の測定でエラーが最も多かった「楽天モバイル」が、今回はスムーズに測定できたこと。成績はあまり目立たないものの、下り平均で0Mbps台には陥らなかった。

 3月追加組の0 SIMとイオンモバイルは、午前中こそ快調だったが、混雑時には他のMVNO同様下りの通信速度が大幅に低下した。OCN モバイル ONEやDMM mobileも同様で、さらなる改善に期待したい。

 混雑時にも強いサービスは以前からの上位常連であるFREETEL SIMとWonderlink(LTE F)がツートップの印象で、これにDTI SIMを加えて御三家といったところ。ドコモのmopera Uもさすがの好成績だが、本家のサービスなので当然ともいえる。

 ただ、3月ほどではないが、全体的に通信速度が伸び悩んだ印象もある。もちろん下り数Mbps〜10数Mbpsも出ていれば実用上は問題ないのだが、下り20Mbps以上が全然なかったのは物足りない。

 各サービスの傾向をまとめると以下の通り。

  • IIJmio……実は横浜では底堅い強さ
  • OCN モバイル ONE……午前と上りに期待
  • BIGLOBE LTE・3G……夕方以外は結構強い
  • b-mobile(おかわりSIM)……ランチタイムに弱い
  • So-net モバイル LTE……全体的に実は底堅い
  • 楽天モバイル……全体的に実は底堅い
  • NifMo……ランタイムが苦手
  • ぷららモバイルLTE……午前はやや回復も、他の下りは厳しい
  • ワイヤレスゲート……上下1〜2Mbps台で低速安定
  • FREETEL SIM……混雑時にトップを取れるほど高品質
  • DMM mobile……ランチタイムは避けたい
  • U-mobile(LTE使い放題)……1〜4Mbpsで低速安定
  • Wonderlink(LTE Iシリーズ)……ランチタイムはNG
  • Wonderlink(LTE Fシリーズ)……混雑時も強いSIM
  • mineo(Dプラン)……朝と夕方に期待できる
  • DTI SIM……常に上位を伺う成績上位SIM
  • 0 SIM……横浜では底堅く赤坂は苦手
  • イオンモバイル……朝は超強いがランチタイム苦手
  • ドコモ(mopera U)……混雑時に強く安心できる

 ランチタイムで下り平均1Mbps台を維持できているサービスは午前、夕方もそれなりの速度が出ているので、安心して使えそうだ。また、たとえ遅くなるサービスだとしても、「夕方よりもランチタイムが鬼門」と覚えておけば、各ユーザーも工夫して利用できるだろう。

 さらに上りの通信速度はランチタイムでも速い傾向なので、何度も書いてはいるが、ダウンロードが遅いときはアップロードのサービスを楽しむよう心掛けるといいかもしれない。

 今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。

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