2015年5月以降に発売したauの携帯電話は、購入から180日以上が経過していれば、SIMロックを解除できる。筆者が2015年6月に購入した「Xperia Z4 SOV31」も、2016年の年明け早々にSIMロックを解除して、時折ドコモ系の格安SIMを入れて使っている。少々期間が空いてしまったが、あらためて解除方法や、解除後の運用についてレポートしたい。
SIMロックを解除するメリットは、他キャリアのSIMカードを使ったり、海外で現地のSIMカードを使えたりすることが挙げられる。ドコモ端末の場合、ドコモ系MVNOのSIMカードは、SIMロックを解除しなくても使えるが、auやソフトバンクの場合はそうはいかない。また、Xperia Z4をはじめとする「au VoLTE」に対応したスマートフォンは、「mineo」や「UQ mobile」などau系の格安SIMを使う際でもSIMロックの解除が必要になる。auやソフトバンク端末は、SIMロックを解除することで、ドコモ端末以上にサービスの選択肢が広がるというわけだ。
注意したいのが、端末が対応している周波数帯だ。キャリアが販売する端末は、基本的に自社が使うネットワークに最適化されているため、他キャリアの周波数帯(の一部)には対応していない場合がある。KDDIは、SIMロック解除の対象機種が対応している周波数帯をサイトで公開しているので、ぜひ確認しておきたい。また、周波数帯が対応していても、端末の動作を保証するものではないことも留意しておきたい。
Xperia Z4 SOV31の場合、LTEではドコモが使用するBand3(1700MHz帯)はサポートしているが、Band19(800MHz帯)と21(1500MHz帯)はサポートしていない。SOV31が利用できるドコモのLTEネットワークは、前述のBand3と、auと共通のBand1(2100MHz帯)の2つとなる。一方、3G(W-CDMA)でサポートするドコモの周波数帯はBand1(2100MHz帯)のみで、山間部をカバーするFOMAプラスエリアのBand6と19(800MHz帯)はサポートしていない。若干の不安は残るが、SOV31は、スペック上はドコモのSIMでデータ通信も音声通話もできることは分かった。
SIMロック解除はauショップで行う方法と、PCかスマートフォンを使ったオンラインで行う方法がある。ショップで解除すると3000円(税別)の手数料が発生するが、オンラインなら無料で済む。解除は手順通りに進めれば簡単に行えるので、PCを持っている人は、オンラインで解除する方法をオススメしたい。
オンラインでSIMロックを解除するには、auのSIMロック解除のお手続きのページにアクセス。ここで「『SIMロック解除が可能かどうか』を確認する」をクリックし、IMEI番号(製造番号)を入力すると、解除の可否が分かる。解除できることが分かったら、機種名を選択し、「この内容で申し込む」を選ぶと、SIMロック解除の申し込みが完了する。画面には「SIMロック解除の手続きを完了しました」と出るので、「え、これで終わり?」と思いがちだが、この後、スマートフォン側での設定も必要になるのでお忘れなく。
Xperia Z4 SOV31では、利用したい他社のSIMカードを入れて、Wi-Fiに接続する。その後、「設定」→「端末情報」→「機器の状態」→「SIMカードステータス」にアクセスし、「SIMステータスを更新」をタップ。「更新中」と表示された後、「SIMロックステータス」が「許可されています」に変わっていれば、ロック解除は成功だ。ややステップは多いが、PCとスマホの作業は時間にして10分程度。あっさりとロックを解除できた。
その後、他社のSIMカードを入れてAPNの設定を行えば、晴れて他社SIMで通信が可能になる。ドコモ系SIMの場合、「設定」→「その他の設定」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」から設定していく。
mineoやUQ mobileなどau系SIMの場合、「モバイルネットワーク」→「高度な設定」→「CPA設定」から設定をする。
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