Siriの先読み提案は、データが蓄積されることにより、さらに先読みの精度向上や提案のバリエーション増加が期待されます。例えば「金曜夜は銀座で打ち合わせですが、その後、近くのこのお店で食事するのはいかがでしょう」など、ユーザーの行動パターンを学習した先読み提案ができるようになる可能性があります。
Appleに期待したいのは、よりSiriが能動的に情報を提供できるようになることです。Siriは現在、ユーザー側からの指示を受動的にこなす場合がほとんどです。使いこなせる人には便利ですが、使い方が分からない人によっては「Siriを呼び出して問題を解決する」という発想すら生まれません。
もっとSiriが適切な情報を能動的に提供するようになれば、Siriを活用する人も、利用シーンも増えて、あらゆる人の毎日をサポートできるバーチャルアシスタントとなるはずです。
また、Siriは現在、iPhoneやiPad、Apple Watch、Macで使うことができますが、英語圏ではスマートスピーカーの存在感が日に日に増してきています。Amazonの音声認識AI「Axela」を搭載するスマートスピーカー「Amazon Echo」は、米で大ヒットを記録。
Googleの開発者会議「Google I/O 2017」では、米・英で販売中のスマートスピーカー「Google Home」を、今夏から日本など5カ国でも発売すると発表しました。Appleでも「Siriが気軽に使える製品」として、今後スマートスピーカーが発売されても不思議ではありません。
機械学習によるSiri自体の進化はもちろん、Siriを呼び出す方法がどのように変化し、毎日の暮らしがどう豊かになっていくのか、注目しておく必要がありそうです。
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