順調に拡大する裏に潜むMVNO市場の問題とは? MMD研究所 第5回MVNO勉強会ITライフch

» 2017年06月15日 06時00分 公開
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順調に拡大する裏に潜むMVNO市場の問題とは? MMD研究所 第5回MVNO勉強会

 スマホ・タブレットを中心にした消費者動向や市場調査をおこなっているMMD研究所は、メディアを対象にしたMVNO勉強会を開催しました。この催しは、ほぼ半年に一度おこなわれており今回で5回目。毎回、MVNOの4事業者をゲストに迎え、各社の日頃の取り組みを話し、参加者からの質問に回答します。

 この日は「OCN モバイル ONE」「mineo」「イオンモバイル」「LINEモバイル」の各代表者と、モデレーターとしてMMD研究所の吉本浩司氏が登壇しました。

資料 格安SIMの認知ファネル

 最初に、吉本氏が格安SIMに関する最新の調査データを発表。これによると格安SIMをメイン利用しているユーザー数は増加傾向にあり、サブ利用も含めた格安SIMユーザーは12.1%と2016年10月の調査時より約2%の増加。

 また格安SIMという言葉を知っているユーザーは87.8%、サービス認知55.9%、内容理解 44.1%。ほかにも言葉やサービス、内容把握といったいずれの項目も過去最高の伸びを示しました。

資料 メイン利用する格安SIMシェア推移

 これまで、格安SIMはデータ通信のみで契約しサブ端末に利用するケースがほとんどでしたが、MVNO各社のプロモーションに加えて通話プランへの取組みが奏功。メイン端末に利用するユーザーが、昨年の10月5.8%から7.4%に増加しました。

資料 メイン利用する格安SIMサービスシェア

 メイン利用しているMVNOのシェアでは、楽天モバイルがトップで20.0%。次いでOCN モバイル ONE12.3%、mineo 11.7%、IIJmio9.1%の順です。この中でもmineoが高い伸びを示していると吉本氏は話しました。

 なお、メイン利用するユーザーの増加にともって、スマホ利用が増え、タブレットでの使用は減少しているそうです。

資料 格安SIMユーザーの性年代

 音声SIMとデータ専用SIMのユーザー分布は、音声SIMが53.5%、データ専用SIMは43.5%です。それぞれの男女比をみると、音声SIMでは男性62.2%で女性は37.8%。データ専用SIMでは男性70.5%で女性は29.5%という結果でした。

 選択するプランについて吉本氏は「2016年以降に限れば、約7割の人が音声プランを選択し、なかでも30代以下の女性が多い傾向が見られる。また、格安SIM全体の利用者では、男女ともにシニア層が拡大している」とのことでした。

資料 契約しているデータ容量

 実際に利用するプランについての集計も行っており、事業者を問わず2から3GBプランの利用者が多い傾向にあるものの、大容量プランを用意しているMVNOのユーザーは、その限りではないという結果に。お金をかけずにたくさんのデータ通信をしたいというユーザー心理が表れているのかもしれません。

 これに関係することかもしれませんが、量販店や直営店で格安SIMを購入する際、音声SIMの購入者は店頭で決めるのではなく、事前に契約サービスを決めてから購入する、いわゆる「指名買い」の傾向があることがわかりました。単純に「安くなる」という理由だけでなく、ユーザーがしっかりと吟味して選択する土壌ができあがりつつあると言えるのではないでしょうか。

 吉本氏からの報告のあと、参加した各社がそれぞれ取り組みについて説明。その後、座談会形式でのテーマトークがおこなわれました。

ケイ・オプティコム 上田晃穂氏

 「春商戦を振り返って」というテーマでは、好調のmineoを運営するケイ・オプティコム 上田晃穂氏が、春商戦の結果について次のように分析しました。

ケイ・オプティコム 上田晃穂氏 4月は過去最高の伸びを示し、申込みは5万件以上を記録しました。端末セットでは、国産のSIMフリー端末を選び傾向にあり、arrows M02が最も売れています。また、mineoが掲げる「Fun with Fans!」の取組みも好評を博し、MMDを含め各調査会社の満足度調査では軒並み1位を獲得できました。また退会率も1.2%と、キャリアと同水準の低い数値で留まっています。

LINEモバイル 大熊一郎氏

 昨年9月にサービスインしたばかりでユーザー数は他社と比較すると少ないものの、退会率の低さという点では、LINEモバイルも負けていません。

LINEモバイル 大熊一郎氏 後発の強みを生かし、利用前・利用後のユーザーサポートや端末保証に力を入れた結果、退会率は1.0%と非常に低い水準でした。また、LINEグループとのシナジーも活かしたカウントフリー機能は、非常に好評をいただいており、今後はグループ以外での強化も図っていく予定です。LINEモバイルの契約者は40代の子育て世代がメインですが、実際に利用しているのは10代、20代。利用料金の安さに加え、LINEグループのブランド力も影響しているのではないかと考えています。

NTTコミュニケーションズ 岡本健太郎氏

 OCN モバイル ONEでは利用者の拡大に伴い、増えている格安スマホトラブルについての対策を行っています。

NTTコミュニケーションズ 岡本健太郎氏 メリットだけでなく、デメリットも伝えることで理解を深めてもらっています。契約時はもちろんですが、サイトにQ&Aをもうけるなどして、一つひとつ解消するように努めていますが、SIMサイズの選択に関しての間違いがやはり多いです。サイズ確認を促す工夫はしていますが、対面販売とは違い、Web販売の難しさがあります。

イオンリテール 井原龍二氏

 イオンリテールが運営するイオンモバイルの井原龍二氏MNO(キャリア)がサブブランドを打ち出したり、MVNO対策ともとれるプランを策定したりしていることへの対策について次のように考えています。

イオンリテール 井原龍二氏 イオンモバイルの販売を行っているのは、すべて直営店ということもあり、サービスをしっかりと説明できるのが強みです。キャリアのショップはたくさんありますが、直営店はほとんどないので、イオンモバイルでは社員教育が強みになっています。結果として平日の契約者数はイオンにあるキャリア各店よりも多く、休日でもひけをとりません。MNOとの住みわけはしっかりできていると思ういます。

 質疑応答では「ソフトバンクが回線卸を始めたが、それを取り扱う可能性は?」という質問に対し、ケイ・オプティコムの上田氏が「ドコモ、auと扱っているので、できればソフトバンクも扱えれば」と前向きな姿勢を見せました。しかしほかの3社は「まずは足場を固め、現在ある回線のコントロールをしっかりとやっていく」とのこと。また、昨今とりざされたあるMVNOの優良誤認問題について問われると、4社はとも「ガイドラインや商標法をしっかりと守り、ブランドを損なわないことが大変重要。これまで以上に厳しくやっていきたい」と、共通の認識を示していました。

この記事の執筆者

教えて!goo ITライフch編集部

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