ある意味、アップルの美学や思想を貫いたMacBook Airに比べると、先日発表されたMacBookとMacBook Proは、角の取れた実用性の高いモデルだ。全モデルに45ナノメートルプロセスのモバイルCPU(開発コード名:Penryn-6MおよびPenryn-3M)を採用したこれらのモデルは、基本的には従来モデルのマイナーチェンジ版である。MacBook Proでは、新しいフィーチャーとしてMacBook Airに採用されたマルチタッチがサポートされたものの、パッドのサイズはAirのように大きくはならなかった。
おそらくMacBook Proは6月あたりに、次のモデルチェンジを迎えるだろう(MacBookはプラットフォーム据え置きだと思う)。それは、このタイミングでインテルが新しいMontevinaプラットフォームをリリースするからで、ここでパッドが大きくなるかどうかが1つの注目点だ(さらにはiMacへマルチタッチを展開するかどうか)。だが、この次世代MacBook Proの動向が気になる一方で、購入をここまで待つべきかというと、少し微妙な気がしている。
Montevinaプラットフォームに採用されるCantiga(開発コード名)チップセットは、すでにデスクトップPC向けにリリースされているBearlakeチップセット(Intel P35/G35/Q35など)と同じコアを用いたもの。主要なフィーチャーの1つはDDR3メモリへの対応である。インテルは今後の高速化と、動作電圧の引き下げ(DDR2の1.8ボルトから1.5ボルトへ)による消費電力の削減の両面からDDR3への移行を促したいのだが、DDR2メモリの暴落で移行は全くと言っていいほど進んでいない。これから6月までに若干の値下がりが期待できたとしても、DDR3メモリの価格がDDR2並になるとは到底考えられない。
おそらくPCベンダーの多くは、Montevinaプラットフォーム対応ノートPCで、DDR2メモリを採用するだろう。が、はなから空気を読もうなどとしないアップルなら、1人敢然とDDR3メモリを採用しかねない。というより、世界で初めてDDR3メモリを採用した製品を発表する大手PCベンダーがあるとしたら、それはアップル以外にないのではないか(良くも悪くも)と筆者は思っている。
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