リソースを使い尽くせ!――QNAP「TS-639Pro」で変えるネットワークライフ“真・最強NAS”活用術 第1回(4/4 ページ)

» 2009年08月18日 17時20分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

RAIDはバックアップでない――“万が一”に備えて

 RAIDはバックアップではない、とはよく言われる言葉だ。バックアップが「データが失われたときのために別のところに保存しておく」ことに対し、RAIDは「故障の危険性を軽減する」という目的に使用される。故障の原因となることがもっとも多い(不可避と言ってもよい)HDDのクラッシュに対する備えがあるからといって、データロストの危険性がゼロになるわけではない。NASそのものの故障に対しての対策ではないため、電源が入らなくなる、システムが起動しない、RAIDコントローラの不具合によってデータをめちゃめちゃに破壊してしまう、といったトラブルに対しては無力だ。

 そのため、その機器自体が動作しなくなってもデータを戻すことができるようにデータのバックアップをほかの媒体や機器などに取っておくことが推奨される。TSシリーズで可能なバックアップ方法は外部ストレージへのバックアップとrsyncを用いたレプリケーションだ。

外付けデバイスへのバックアップ。eSATAを2ポート搭載しているのは大きな強み

 外部ストレージへのバックアップでは、eSATAあるいはUSB 2.0で接続した外付けドライブにデータを保存する。高速なeSATAのサポートは日常的なバックアップ処理に大きなアドバンテージとなるはずだ。一方、rsyncを用いたレプリケーションでは同一ネットワークだけでなく、SSHを利用することによってインターネットを経由し、遠隔地にあるTSシリーズ、あるいはLinuxなどで構築したrsyncサーバと同期・バックアップを取ることもできる。

 もちろん、TSシリーズはそれなりに“いい値段”のするNASサーバだ。バックアップのために同時に2台購入することができる個人ユーザーはそう多くはないだろう。だが、ここで考えてもらいたいのがTSシリーズの柔軟なRAID構成である。同じ容量のHDDで構成した場合、6台によるRAID 6は4台によるRAID 0、JBOD、単独ドライブの容量に相当する。また、このように構成が異なれば故障に対する耐性も異なるし、転送速度も違ってくる。基本的にはバックアップ側の故障耐性を高くすることが一般的だが、家庭内の利用であれば(自己責任のうえで)バックアップ側のコストを考慮した構成にしたり、逆に本番側の冗長性を捨てて高速性を追求するのもいいだろう。また、複数ボリュームを作成し、バックアップNASサーバに127.0.0.1を指定してボリューム間でバックアップを取ることもできる。

リモートレプリケーションの設定画面。サーバタイプにrsyncサーバを選択すればTSシリーズ以外にレプリケーションすることも可能だ(画面=左)。NASサーバのIPアドレスを127.0.0.1にすればローカルでのバックアップが可能。バックアップ先はバックアップソースと異なるボリュームにしなければ意味がないので注意しよう(画面=中央)。USBバックアップでは、フロントのCOPYボタン1つでUSBストレージから内蔵ディスクへ、あるいは内蔵ディスクからUSBストレージにバックアップできる(画面=右)

 ここまでTS-639Proの強化点と基本的な機能を紹介してきた。次回はNASとしての実力をベンチマークテストの結果から見ていくことにしよう。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月09日 更新
  1. 超小型レトロオーディオ体験をFIIO「Snowsky ECHO NANO」で スマホリスニングのモヤモヤを解消するかも? (2026年09月08日)
  2. 「RTX Spark」搭載のWindows PCは10月に登場 LAN内のPCを束ねてローカルAI処理を分散・高速化する「NVIDIA PAIR」β版も公開 (2026年09月07日)
  3. 10月に登場する「RTX Spark」搭載PCで見た“不可解な”設定値 次期Windowsで変わるGPUメモリの仕組み (2026年09月07日)
  4. 両手が塞がっていても瞬間解錠できるスマートキー「SwitchBot スマートロック Ultra 顔認証パッド」がセールで20%オフの2万7980円に (2026年09月08日)
  5. 再来する“グラボ複数挿し”需要! 220mm径の巨大ファン搭載ケースやFractal新モデルがアキバで話題に (2026年09月07日)
  6. 省スペースで静音性に優れた3Dプリンタ「Bambu Lab A1 mini」がセールで25%オフの2万9900円に (2026年09月08日)
  7. 実売1万円台&縦置き対応! ONPUの14型モバイルディスプレイは初心者の強い味方だった (2026年09月08日)
  8. バッテリーを外せば約639g! 最新CPU「Intel Arc G3 Extreme」搭載の8型ゲーミングPC「OneXFly APEX Air」に触ってきた (2026年09月07日)
  9. HUION、アス比3:2の90Hz駆動ディスプレイを搭載したペン入力対応12.2型Androidタブレット (2026年09月08日)
  10. ラトックシステム、デュアル4Kディスプレイにも対応したHDMI切替器 (2026年09月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー