エリス氏: iPod touchが2000万台以上販売されている人気のプレーヤーである、その理由は3つあると思っています。ひとつはマルチタッチを備えた、操作性の高い「すばらしいiPodである」こと。ひとつはデスクトップ機に劣らぬ能力を持った「すぐれたポケットコンピュータ」であること、もうひとつが「すばらしいゲーム機であること」です。
マルチタッチと加速度センサーによって、物理的なボタンという制約から解き放たれていますから、ゲーム製作者の可能性は無限大といえるでしょう。ゲームのタイトルについても、AppStoreで数多くのタイトルを簡単に探して購入することができます。無料のものもたくさんあります。AppStoreにはGeniusの技術を用いたレコメンド機能も新たに用意されましたから、より手軽にクールなゲームを探すことができるようになっています。
32Gバイト/64Gバイトモデルは既存モデルに比べ、アプリケーションの起動やWebブラウザ操作など、全体的な処理速度が約50%向上しています。OpenGL ES 2.0(組み込み向け3DグラフィックAPI)によりグラフィック処理能力も向上しているので、リッチなグラフィックも期待できます。
iPod shuffleは第3世代製品で“話しかける”という要素を加えていますが、今回は3つの新色(ブルー/グリーン/ピンク)とより求めやすい2Gバイト版、それにAppleStore限定品の光沢スチールモデルを用意しています。iPod classicですが、これは好きな人は本当に好きな製品なんです(笑)。これまでと厚さは変えずに、HDD容量を160Gバイトへと増やし、4万曲を持ち歩けるようになりました。
さて「第5世代」となったiPod nanoです。液晶は2.2型と大きくなり、カメラとマイク、スピーカーまでも搭載しながら既存モデルと薄さは変わりません。ビデオは撮影の仕方も簡単ですし、センターボタンを長押しすればリアルタイムでエフェクトをかけることもできます。ビデオの撮影がより楽しくなるでしょう。
iPod nanoは1億台以上販売されている世界で一番メジャーなミュージックプレーヤーですから、音楽についても抜かりはありません。より大きくなった液晶画面でCover Flowをより楽しめるほか、iTunes Mixにも対応します。スピーカーを内蔵しているのでヘッドフォンなしでも音楽を楽しめます。
今回の発表会の招待状が各メディアへ届けられた際、「iPod nanoとiPod touchにカメラが搭載され、iPod touchは動画を撮影できるかもしれない」という見る向きが多かった。
しかし予想は外れ、iPod nanoのみにビデオ専用のカメラが搭載された。搭載の理由についてスティーブ・ジョブズCEOは、「動画はインターネット上の人気コンテンツであり、それを手軽かつ、安価に利用できる環境が必要だと考えた」という趣旨の発言をしている。
エリス氏: ユーザービデオという領域はとても広がっていて、YouTubeには非常に多くの人が動画を公開していますし、その人たちはいわゆる一般の人たちなのです。そこにフォーカスしたかったのです。瞬間を“手軽に”“安価に”ビデオで記録でき、公開できることはiPod nanoのユーザーに喜ばれると思ったのです。エフェクトをかけて撮影しているだけでも楽しめるでしょうし、iPod nanoとしてのスリムさも失われていませんからね。
なぜiPod nanoに搭載されて、iPod touchに搭載されなかったかですか? iPod touchは今回、8Gバイトモデルを199ドルとしたよう、安価なAppStoreへのアクセス手段として位置づけたかったからというのも理由といえるでしょう。AppStoreにはほんとうにたくさんのアプリケーションが並べられています。“199ドルでAppStoreにアクセスしてもらう”これがiPod touchの大きな目標でもあるのです。
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