NVIDIAは、GeForce GTX 460の重要な特徴として「オーバークロック耐性の高さ」を訴求している。そこで、MSIの「N460GTX CYCLONE 768D5」で、オーバークロックの可能性を調べてみた。
コアの動作クロックの設定を、リファレンスとN460GTX CYCLONE 768D5のデフォルトである728MHz、そして、製品に添付されたユーティリティツール「Afterburner」を用いて、ファンを全力回転、コアクロックを800MHz、メモリクロックを1999MHz(約2GHz)に引き上げている。今回の測定に使った個体では、コア800MHz、メモリ2GHzに引き上げても動作は十分に安定していただけでなく、ベンチマークテスト終了直後に測定したGPU温度(Afterburnerから計測)も51度程度に収まっていた。
ユーティリティツール「Afterburner」からコアクロックを800MHz、メモリクロックを1999MHzに引き上げる。ベンチマークテストを終了した直後でも、「ファンを全開」設定にしたおかげでGPU温度は51度にとどまっているコアクロックを800MHzまで引き上げるとGeForce GTX 465を完全に上回るスコアが得られる。GPU温度がそれほど上昇しなかったことから、ファンを全開からやや落として静音性能を重視することも可能だろうし、さらなるクロックアップに挑戦することも考えられる。また、今回バンドルされていたAfterburnerのバージョンでは変更できなかったが、GPUコア電圧が設定できればさらにオーバークロック動作の幅が広がる可能性もあるだろう(とはいえ、メーカー保障の範囲ではなく、自己責任が問われる行為なので、十分注意を払うことが必要だ)。
今回測定したベンチマークテストの結果が示すように、特に1Gバイト版のGeForce GTX 460は、GeForce GTX 465と互角に渡り合えるパフォーマンスを見せてくれた。768Mバイト版も1Gバイト版には及ばないもののその差は大きくない。また、GF100のウィークポイントだった消費電力も大幅に改善した。「GF100は消費電力がちょっとね」と敬遠してきた自作PCユーザーでも、GF104を採用したGeForce GTX 460なら導入は容易だろう。
GeForce GTX 460の性能はRadeon HD 5830を完全に上回る。現在、Radeon HD 5830は2万円前後の実売価格で販売されているから、GeForce GTX 460の768Mバイト版がこの価格に合わせてくるのであれば、ライバルを価格競争力で駆逐することになるだろう。登場当初は1Gバイト版の実売価格が2万円台半ば、768Mバイト版が2万円台前半とみられている。程良い価格で十分なパフォーマンスを持つGeForce GTX 460は、ベストセラーになったGeForce 9800 GTの再来を予感させるGPUといえそうだ。
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