さまざまな“特需”をHDDショックが上書きした10月のアキバ5分で分かった気になるアキバ事情(2/2 ページ)

» 2011年11月06日 01時14分 公開
[古田雄介(ぜせ),ITmedia]
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「BF3ファンはコアな自作ユーザーが多いので期待しています」――ハイエンドグラフィックスカードが好調

PC DIY SHOP FreeTで見かけた「BF3・Ready!!」のPOPが張られたTERA推奨モデル

 ミドルレンジ以上のグラフィックスカードの売れ行きも好調だ。その背景にあるのは、11月2月発売のFPS(一人称視点シューティングゲーム)「バトルフィールド3」(以下、BF3)。ツートップ秋葉原本店曰く「もともとハイスペックを要求するゲームで、PCゲームでは定番の人気を誇るシリーズです。10月初旬からマシンをBF3仕様にすべく、強化パーツを買われていく方が目立つようになっていますね」という。

 BF3の推奨環境はGeForce GTX 560以上/Radeon HD 6950以上となっており、このクラス以上のグラフィックスカードが各ショップで好調に売れているそうだ。とくにコストパフォーマンス重視でGeForce GTX 560 Tiカードと、Radeon HD 6950カードを選ぶ人が多いという。

 その中でも10月初旬から注目を集めているのは、エルザのGeForce GTX 560 Tiカード「GLADIAC GTX 560 Ti mini 1GB」だ。ほぼリファレンスの仕様で、基盤を全長17センチに短縮しているのが特徴。価格は2万4000円弱となる。

 ドスパラ パーツ館は「普通のGTX 560 Tiカードより69ミリ短いので、小型ケースにも組み込みやすいです。mini-ITXマシンを含めて、小型でハイスペックなGPUを使いたいという人には面白い選択肢でしょう。ただ、価格も特段高くないので、普通のミドルタワーに使う人も多いと思います」と評価していた。

 ハイエンドクラスでは、GeForce GTX580/570やRadeon HD 6970はもちろん、2GPU構成のカードも人気だ。パソコンショップ・アークは「BF3の最終βで、SLIやCrossFireXなどのマルチGPU構成が効果的という結果が出ているので、グラフィックスカードを複数枚買いする人も多いです。2GPUタイプでは、GeForce GTX 590カードを狙っている人もいますね」と話していた。

 その流れから、月末に登場したゲーミングマウス付きのギガバイト製GeForce GTX 590カード「GV-N590D5-3GD-B」もヒット。カード自体はリファレンス仕様ながら、「オマケ付きで7万円弱という、普通のGTX 590と同じ価格帯をキープしている点が評価されています。あとは、ツールボックスっぽいパッケージも注目されていますね」(TUKUMO eX.)という。

 グラフィックスカード以外では、マルチGPUに向いた大容量電源ユニットや、ゲームの起動を高速化するSSDなどの人気も高まっている様子。さらに、メーカーやショップ側の事情と重なり、P67マザーの売れ行きも好調だとか。

 PC DIY SHOP FreeTは「いまの売れ筋マザーはZ68ですが、マザーベンダーにはP67タイプのゲーミングマザーをまだ作っているところも少なくないです。そこでBF3の登場を商機とすべく、積極的にキャンペーンを打っているんですよね」と解説する。

エルザ「GLADIAC GTX 560 Ti mini 1GB」(写真=左)。ギガバイト「GV-N590D5-3GD-B」(写真=中央)。PC DIY SHOP FreeTで“BF3プッシュ”されていた、MSIのP67マザー「P67A-C43」(写真=右)

Core i7-2700Kや1万円切りの8Gバイトメモリなど

 AMD FXシリーズが“ハイエンド待ち”となっている10月後半は、Sandy Bridgeの新たなハイエンドCPUとなる「Core i7-2700K」が登場し、こちらは初回から好調にヒットを飛ばしていた。1月に登場したCore i7-2600Kよりも標準クロックが100MHz高く、3.4GHzで動作する。TDPは95ワットで、価格は2万8000円前後だ。

 クレバリー1号店は「性能アップはちょっとだけですが、久々にSandy Bridgeのハイエンドを更新したということで、2600Kから載せ替えるという人がかなり多いですね」とのことで、10月末時点で品薄となっていた。なお、月末にはバルク品も出回るようになり、TSUKUMO eX.ではマザーボードとのセット販売でリテール品より1000円低い値をつけている。

インテル「Core i7-2700K」(写真=左)。TSUKUMO eX.でみかけた2700Kのバルク品(写真=右)

 メモリで注目を集めていたのは、1枚8GバイトのDDR3だ。コンシューマー向けの8Gバイトモデルは、9月にサムスンやパトリオット、キングストンなどから登場しており、1枚2万5000円前後の値で少数出回っている。しかし、10月末には、A-DATAから1万円弱のDDR3-1333がデビューした。

 入荷したパソコンショップ・アークは「注目している人は多いみたいですね。ただ、DDR3メモリは多少の値上がりがあったあとも4Gバイトの2枚セットが3000円程度で買えるので、まだまだ主力の人気はありません。長い目でみて売っていきたいです」と話していた。

 最後に紹介するのはSSDの話題作。10月初旬に登場したプレクスターの128Gバイトモデル「M2P PX-128M2P」で、価格は2万円前後だ。256MバイトのDDR3をキャッシュに搭載しており、最大速度はリード500Mバイト/秒、ライト320Mバイト/秒となる。

 パソコンショップ・アークは書き込み速度の高さを評価していた。「リードだけならSATA 3の限界である600Mバイト/秒近くまでいくモデルは多いですが、ライトがここまで早いのは貴重ですね。128Gバイトの容量もブートドライブとしては十分でしょうから、定番人気になるかもしれません」と期待していた。

パソコンショップ・アークで見かけたA-DATA製の8Gバイトメモリ。1枚9980円で売られている(写真=左)。プレクスター「M2P PX-128M2P」(写真=右)

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