ベンチマークテストで振り返る2011年のCPUイマドキのイタモノ(2/3 ページ)

» 2011年12月30日 15時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

最初から登場してほしかったIntel Z68 Express

 インテルの“Sandy Bridge”対応チップセットとして当初用意されたのは、「Intel P6x Express」と「Intel Hx Express」がメインだった。CPUにグラフィックスコアを統合したSandy Bridge世代のCPUなれど、映像出力インタフェースを使うにはIntel H6x Expressチップセットが必要なのに、マルチグラフィックス環境の構築やストレージデバイスの接続に影響するPCI Expressレーンの分割、さらに、オーバークロック機能などはIntel P6x Expressチップセットを搭載したマザーボードでのみ利用できる状況だった。

 “Sandy Bridge”世代のCPUが登場して5カ月が過ぎ、Intel P6x Expressチップセット搭載マザーボードもIntel H6x Expressチップセット搭載マザーボードもユーザーに行き渡った時期に、Intel Z68 Expressチップセットが登場した(その存在は3月にインテルが明らかにしていたが)。1枚のマザーボードで、CPUに統合したグラフィックスコアが有効になり、マルチGPU環境の構築が可能になっただけでなく、CPU統合グラフィックスコアとグラフィックスカードに搭載した外付けGPUを連動する「Lucid Virtu」もサポート、さらに、SSDをHDDのキャッシュメモリとして機能させる「Intel Smart Response Technology」を導入するなど、従来のチップセットから機能を大幅に増やして“しまった”。

 ただし、性能評価では、アプリケーションによってLucid Virtuに対応しておらず、性能向上の傾向は一定でなく、統合グラフィックスコアだけを有効にするi-modeでも消費電力は下がらないなど、その効果がいまひとつ分かりにくい結果となった。

イマイタレビューでは、ASUSの「P8Z68-V PRO」を評価した。3基のPCI Express x16スロットを搭載し、うち2基は1基の16レーン、または2基の8レーンという構成で利用できる(写真=左)。GeForce GTX 470とIntel Z68 ExpressチップセットでLucid Virtuの効果を検証する(写真=右)

AMDを愛する自作PCユーザーが待っていたLlano

 省電力モデルが先行したFusion APUは、6月になってメインストリームのLlanoが登場した。ノートPC向け“Sabine”のレビューでは、A8-3500Mを搭載した評価用ノートPCと Core i5-2410Mを搭載したノートPCでベンチマークテストの結果を比較している。CPU関連のベンチマークテストでは、Core i5-2410Mの結果が上回り、グラフィックス関連のテストでA8-3800Mが優勢になるという、これまでのAPUと同様の傾向になった。

PCMark VantageでA8-3500MとCore i5-2400Mの性能を比較する。このベンチマークテストでは、ほとんどのテストでA8-3500Mが優勢だった

 AMDプラットフォームを愛する自作PCユーザーが待望したデスクトップPC向けののFusion APU“Llano Lynx”は、A8-3850で性能評価を行った。比較対象には、Core i5-2500KにIntel Z68 Expressを組み合わせたシステムと、Phenom X4 980 Black EditionにAMD 880G+SB710を組み合わせたシステムを用意したように、Llano Lynxの最上位モデルでも絶対性能としてはミドルレンジ相当となる。

 PCMark 7とPCMark Vantageでは、6コアのPhenom II X6 1100Tとほぼ互角(ただし、グラフィックス関連テストとストレージ関連テストで上回り、CPU関連テストで下回る)、Core i5-2500KにはCPU関連テストで完敗し、グラフィックス関連テストで圧勝する。

PCMark 07で、A8-3850とPhenom II X6 1100T、Core i5-2500Kを比較する

Llanoの派生モデルも注目

 Llano Lynxでは、バリュークラスの派生モデルも取り上げている。まず、A6-3650を“Sandy Bridge”世代のバリュークラスで省電力モデルとなるCore i3-2100Tと比較し、PCMark 7、PCMark Vantage、Sandraなど多くのテストでほぼ互角(プロダクティビティ系テストでCore i3-2100T優勢、エンターテイメント系テストでA6-3650優勢という傾向はこれまで通り)で、やはり、統合グラフィックスコアの優位性が目立つ傾向となった。

PCMark 7でA6-3650とCore i3-2100Tを比較する

 次いで登場したのは、トリプルコアのA6-3500だ。Llano Lynxの発表当時、TDP 65ワットモデルとして予告されていたクアッドコアの「A8-3800」「A6-3600」が出荷されず、その代わりのTDP 65ワットモデルとしてトリプルコアが登場した形だ。性能評価では、クアッドコアでTDP 100ワットモデルのA6-3650と、CPU関連ベンチマークテストでは動作クロック相当の違いになったが、グラフィックス関連のベンチマークテストでは、ほぼ同じスコアを出している。それでいて、TDP 65ワットモデルだけあって、システム全体の消費電力はA6-3650から大きく減らしている。

3DMark Vantageでは、CPU関連テストでA6-3650とA6-3500で違いが出るが、グラフィックス関連テストはほぼ同等となる(写真=左)。そして、消費電力は確実に減っている(写真=右)

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