Ivy Bridgeと組み合わせるIntel 7シリーズチップセットは、USB 3.0に対応するとともに、CPU統合グラフィックスコアからの3画面同時出力をサポートするなどの強化を図っているが、従来のIntel 6シリーズチップセットとの仕様にさほどの違いはない。しかしながら、「Ivy Bridgeでサポートするプラットフォームの機能を有効にするためには、Intel 7シリーズチップセット搭載マザーボードが不可欠」と、マザーボードベンダー関係者は指摘する。例えば、ワンタイムパスワードを自動生成し、より安全なオンライン決済やインターネットアクセスを可能にするIntel Identity Protection Technologyも、Intel 7シリーズチップセットマザーボードとIvy Bridgeの組み合わせでしか動作しない。これらのプラットフォーム機能の対応とIntel 7シリーズの基本仕様は別表で示している。
いよいよ、4月29日の発売が間近に迫ったIvy Bridgeだが、CPU性能だけであればSandy Bridge世代のCPUと大きな差はない。しかし、強化されたグラフィックス機能や省電力性、そして、優れたオーバークロック特性を重視するユーザーも多いだろう。Ivy Bridgeは、Intel 6シリーズチップセット搭載マザーボードでも利用可能で、新しいプラットフォーム機能を必要としないのであれば、CPU単体のアップグレードも有効だ。
気になるのは、マザーボードベンダー関係者が「最初の数週間は、Ivy Bridgeの流通量はそれほど多くなく、特に倍率ロックフリーの“K”シリーズは十分な数といえない」と口をそろえていることだ。それでも、「日本市場はKシリーズが優先的に割り当てられる地域の1つ」(同関係者)と、ほかの国よりも優遇されているのも確かだ。
いずれにしても、初回出荷以降もIvy Bridgeの安定した供給継続が、自作PC市場にとって重要なことであるのは間違いないだろう。
Intel 7シリーズチップセット主要スペック | |||||||
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チップセット | Intel Z68 | Intel Z77 | Intel Z75 | Intel H77 | Intel B75 | Intel Q77 | Intel Q75 |
PCI Express 3.0グラフィックス(Ivy Bridgeとの組み合わせ) | x16 or x8×2※1 | x16 or x8×2 or x8+x4×2 | x16 or x8×2 | x16 | x16 | x16 | x16 |
CPU内蔵グラフィックス出力 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
PCI Express 2.0 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 |
Serial ATA 6.0Gbps | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 |
Serial ATA 3.0Gbps | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 5 |
USB 3.0 | - | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
USB 2.0 | 14 | 10 | 10 | 10 | 8 | 10 | 10 |
PCI | × | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
CPUパフォーマンスチューニング | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × |
グラフィックスオーバークロック | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Switchable Graphics | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Intel Smart Response Technology | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
Intel Smart Connect | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Intel Wireless Display/Music | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Intel Identity Protection Technology | △※2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Intel Rapid Start Technology | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
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