インドも中国同様に億単位の携帯電話ユーザーを抱えている。携帯電話の契約者数は中国が10億1882万(うち3Gが1億5206万。中国工業和信息化部発表)なのに対し、インドは8億9384万(Telecom Regulatory Authority of India発表)だという。そんな、社会的インフラとなったインドの携帯電話事情はどうなっているのか。インドの商都ムンバイでプリペイドSIMカードを入手し、この地でしかお目にかかれない携帯電話を捜してみた。
商都ムンバイでも、スマートフォンやタブレットを車内で使っている人は少数派だ。乗客の多くは開きっぱなしのドアからの風を受けながら、携帯電話でイヤフォン越しに音楽を聴いていたり、通話をしていたりする。
日本と同じように、ビジネス街のあるムンバイ中心部や中心部からそう遠くない鉄道沿線の駅前には携帯電話を扱うショップがある。チェーン店の「THE MOBILE STORE」は、庶民が気軽に入れる店ではなく、それなりに所得が高い層が利用する。通信事業者の直営ショップも現代的で清潔でエアコンが効いてて涼しいが、こうした店構えはどうしても来る人を選んでしまう。
このように、“清潔な”な携帯電話を扱う店の品ぞろえは、一様にSamsung一色だ。これに続くのがNokiaで、あとは「その他大勢」となる。BlackBerryやEricsson、LG、Motrolla、HTCといった海外メーカーのほかに、「Spice」「micromax」「G'FIVE」をはじめとるするインドの有力携帯電話メーカーも“その他大勢”のなかで売られている。
一方、庶民的な街の携帯電話屋や下町の携帯電話市場では、インドの有力メーカーSpiceなどに加えて、無数の地場ブランドを掲げる携帯電話を売っている。庶民的な街には携帯電話の修理屋も多い。ムンバイの街で聞いたり、Webページの携帯電話に関するトラブルの掲示板を読んだりすると、インドで販売している携帯電話は、中国のそれ以上に壊れやすく、また、メーカーやキャリアのサポートも十分でないため、修理屋を頼るユーザーが多い。取得や階層によって住む場所が分かれるムンバイの街だが、中流階層の住宅地に住むユーザーも、助けを求めて下町の修理屋に足を運ぶ。
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