「移行アシスタント」を使うのは非常に楽な方法だが、コピーするアプリやフォルダを細かく選べない。PCは長年使っていると“ゴミ”がたまってくるもの。筆者の場合、「とりあえず」や「デスクトップにあったもの」といった名前がつけられたナゾのフォルダがさまざまな場所に散らばっていたりする。マシンの移行というせっかくの節目なので、時間があればファイルも整理しておきたい。
Mac OS Xでは、ユーザーの設定や作ったデータは「ユーザ」内にある家のアイコンが付いたホームフォルダにすべて収められている。基本的にこのホームフォルダから必要なものだけコピーすればいい。
設定はホーム内の「ライブラリ」フォルダに収められている。具体的には「Safari」のブックマークや「Mail」のメッセージ、アプリケーションやWebフォームのパスワードなどを収めた「キーチェーン」、ことえりの辞書あたりを指す。
ただ、ここ最近のMac OS Xは、手動で設定を移行するのがやりにくくなってしまった。1つは、Lionになってからホーム内の「ライブラリ」が不可視になったこと。ターゲットディスクモードで旧マシンを外付けストレージとして認識させた場合も、ホーム内の「ライブラリ」が非表示になるので、ドラッグ&ドロップでコピーしたい場合は旧マシンのフォルダパスを手動で指定する必要がある。
もう1つはアップルのクラウドサービスが「MobileMe」から「iCloud」に変わったことで、Macどうしの設定を同期してくれなくなった点だ。Macにとってははっきり言って改悪で、以前は新しいマシンを買ってMobileMeのアカウントを入れれば、旧マシンの設定がズバっと同期されて、すぐに同じ環境で使い始められたのだが、現状では「Safari」のブックマークや「ことえり」の辞書データぐらいしか同期してくれない。
というわけで、設定関連のコピーが面倒なら、そこだけ「移行アシスタント」を使う折衷案もありだろう。
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