続いてi1Proの計測結果から、ガンマ補正カーブや色域の広さをチェックする。以下の画像はガンマ補正カーブを抜き出したところだ。画像のグラフは映像信号の入力と出力の関係を示しており、左下の0(白)から右上の(255)まで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各線が重なって一直線を描いていれば、グレーバランスが正確で階調の再現性が高いと言える。RGBの各線がずれると映像信号の色とズレた色が表示されたり、グラデーションがうまく描けない。
計測結果を見ると、どちらもRGBの各線がほぼ重なった直線で、特にSurface 3は線にゆがみが少ないため、高い階調再現性が期待できる。中間階調から明部にかけて少し青が上に補正されて(つまり表示が少し黄色に寄っている)いるが、実際のディスプレイを目視したときに、特別色が黄色っぽいと感じることはなかった。
続いて、i1Proによる計測で作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで開き、色域を確認する。グラフ内で着色部分の面積が広いほど、表示できる色の範囲が広く、色鮮やかな表示が可能なことを意味する。着色部分がそのディスプレイで再現できる色域、薄いグレーで重ねて表示してあるのはsRGBの色域となる。結果は以下の通り。
Surface Pro 3でもsRGBの色域をほぼカバーしていたが、Surface 3はそれ以上に広い色域をカバーするようになり、緑から青にかけての領域や、黄から赤から青にかけての領域もほぼ完璧にカバーするようになった。黄から赤にかけては若干sRGBに満たない部分も見られるが、色再現性は十分に高いといっていいだろう。
カラーとモノクロのグラデーションパターンを画面に映し、階調の再現性もチェックした。比較すると、Surface Pro 3でみられた中間階調でのバンディングがSurface 3では軽減されていることが分かる。
今回の結果から、Surface 3が単にディスプレイサイズを小型化しただけではないことが明らかとなった。縦方向の高解像度化によってさまざまな作業で効率アップに貢献する3:2のアスペクト比に加えて、明るいバックライト、sRGBをほぼカバーする鮮やかさなど、優れたディスプレイという印象だ。
特にSurface Pro 3と並べて見比べると、ディスプレイの進歩を顕著に感じた。PCにおけるディスプレイの質は、使い心地を印象づけるとても重要な部分なので、Surface 3ユーザーは非常に満足できるのではないか。
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