米Microsoftは7月20日(現地時間)、次期OS「Windows 10」に採用される音声対応パーソナルアシスタント機能「Cortana(コルタナ)」の日本語対応を行い、数カ月中にテストを開始すると発表した。これは7月29日のWindows 10一般公開後もWindows Insider Programを続けるユーザーへ提供されるアップデートだ。テストを重ねて一定水準の完成度に達した後、Windows 10製品版へ組み込まれると予想される。
7月29日のWindows 10一般公開時に、Cortanaの正式版は米国、英国、中国、フランス、イタリア、ドイツ、スペインの7カ国で提供される。日本、オーストラリア、カナダ(英語)、インドは数カ月中、ブラジル、メキシコ、カナダ(フランス語)は2015年後半にCortanaのテストが始まる予定だ。
Cortanaは、Microsoftの現モバイルOS「Windows Phone 8.1」に搭載されたパーソナルアシスタント機能。Windows Phone 8.1のCortanaは日本語に対応しておらず、Windows 10でのサポートが期待されていた。Windows 10ではスタートボタン右の検索フォームにCortanaが統合されている。
Appleの「Siri」やGoogleの「Google Now」に対抗する機能となるCortanaは、これら2つの機能を合わせたような特徴を持つ。音声やテキスト入力でパーソナライズされた高度な検索が行えるほか、音声を使った簡単な会話、メッセージ送信、予定の登録や確認、アラーム設定、メモ、音楽再生、地図/ルート案内、スポット検索、天気予報、フライト案内、スポーツ情報、株価など金融情報、ワークアウト設定などが可能だ。
Microsoftによれば、Cortanaは全地域においてポジティブで自信があり、知的で率直という人格を持つが、地域特性を考慮したローカライズがなされており、検索結果はもちろん、各国向けに声質やキャラクター(ユーモアや礼儀正しさ)、慣用句、スピーチのパターンなどをカスタマイズしているという。例えば日本では非常に礼儀正しく、起動時にCortanaのアイコンが“お辞儀”をする。
海外のCortanaについては、中国ではほほ笑んでいるような声を採用し、大気汚染の情報を知ることができる。英国では自虐的なユーモアを理解し、皮肉を言う遊び心がある。イタリアでは「私たち」といった言い回しを使い、歌うように問われたら国家斉唱を行う。フランスではカンヌ映画祭を祝い、カナダではホッケーを愛し、インドではクリケットのスター選手をたたえる、といった違いがあるという。
Windows Insider Programは、Windowsの最新プレビュー版を一般公開前に試用し、開発側へフィードバックすることで製品改善に役立てるというもの。同プログラムに参加することで、Windows 10のプレビュー版「Windows 10 Insider Preview」を試用可能になる。現時点で参加者は500万人、居住国は100カ国以上、そこから得られたフィードバック数は300万以上になるという。
Microsoftは7月29日のWindows 10一般公開後も同プログラムを継続する。7月29日の段階で同プログラムの参加者は、製品版のWindows 10に移行するか、Insider Previewを続けるのかを選択可能だ。Insider Previewを使い続ける場合、製品版より先行したバージョン(ただし、不具合発生の可能性も高い)を利用でき、今回のCortanaのような新機能をいち早く試せる。
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