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「Anniversary Update」で大きく変わるWindows 10のアプリ開発鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2016年08月08日 06時00分 公開
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XamarinツールをVisual Studioに統合

 こうしたBridge for iOSへのテコ入れの一方で、Microsoft自身はモバイルアプリ開発の可能性を「Xamarin」に見いだしている。Build 2016ではXamarinの無料化が発表され、Visual Studioの無料版であるCommunity Editionも含めてXamarinが利用可能になった

 Xamarinは.NETベースで開発されたアプリケーションをさまざまなプラットフォームやフォームファクタ向けに変換して出力可能なクロス開発プラットフォームだ。このツールの活用で、従来のWindowsアプリデベロッパーがそのままAndroidやiOSのアプリ開発も可能になる。iOSデベロッパーによるWindowsアプリ開発を可能にするBridge for iOSとの違いはここにある。

 前述のケビン・ギャロ氏によれば、今回のAnniversary UpdateとともにVisual Studio 2015にXamarin用ツールが標準搭載されたという。これにより、別途追加の作業なしで最初からAndroidやiOSをターゲットにしたアプリの開発が可能になった。

Xamarin Build 2016で無料化が発表されたマルチプラットフォーム対応のアプリ開発ツール「Xamarin」。XamarinのツールはVisual Studioに統合されている

 このように、一般ユーザーにとってAnniversary Updateは数あるアップデートの1つにすぎない可能性もあるが、開発者にとっては大きく環境が変化したアップデートなのかもしれない。

HoloLensが誰でも購入可能に(ただし米国とカナダに限る)

 8月2日に発表された開発者向けのトピックでもう1つ重要なのがHoloLensだ。以前紹介したように、Build 2016初日の3月30日に提供が開始された「HoloLens Development Edition」は、開発者らが事前にアプリやソリューション開発の申請をMicrosoftに対して行い、審査を経て順次発送という手順を採っていた。

HoloLens Development Edition 「HoloLens Development Edition」には、充電器や入力補助デバイスのClicker(手前の細長いデバイス)が付属する

 さらに、1つの申請に対して注文可能な台数は最大2台で、1台あたりの価格は3000USドル(約30万5000円)、発送可能なエリアは米国とカナダのみという制限付きだ。これは当初提供可能なDevelopment Editionの台数が限られていたための措置で、申請内容から判断したうえで優先順位を決めていたことに由来する。

 発送の第1弾は3月末だったが、その後はほぼ毎月ペースで新しいDevelopment Editionの在庫が追加されるごとに発送が行われ、恐らく8月時点で当初の申請にあった注文台数をさばけたのか、Anniversary Update提供のタイミングで「誰でも注文が可能な状態」となった。

 現在はオンラインのMicrosoftストアで「HoloLens Development Edition」が紹介されており、価格は1台3000USドルと変わらないが、最大5台まで注文が可能だ。米国とカナダのみという出荷制限はそのままだが、以前に比べると入手のハードルは大幅に下がった。

HoloLens Development Edition Microsoftストアで販売されているHoloLens Development Edition

 Microsoftは2016年6月初旬にCOMPUTEX TAIPEI 2016で開催された基調講演にて、「Windows Holographic」のプラットフォーム開放を発表しており、翌2017年には同コンセプトに沿った製品が多く市場に出回るとみられる。

 サードパーティー製品の多くは「Oculus Rift」や「HTC Vive」などVR HMDのような視界を全てディスプレイで被うタイプの製品が中心になると思われるが、その中でもHoloLensの「リアルの視界にグラフィックスが投写される」という仕組みを持つハードウェアは貴重だ。

 一般的なPC本体よりはるかに高価だが、興味のある開発者は是非この世界に触れてみていただきたい。


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