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» 2012年08月10日 00時00分 UPDATE

万能秘書はどのサービス?――「Siri」「しゃべってコンシェル」「音声アシスト」を徹底比較 (1/3)

iPhoneの「Siri」が登場して以来、自然な言葉で質問や命令ができる音声認識アシスタントに注目が集まっている。Siri以上との評判も高いドコモの「しゃべってコンシェル」、ヤフーの「音声アシスト」を加え、3サービスについて利用方法や機能を比較してみた。

[房野麻子,ITmedia]

 iPhoneの「Siri」が登場して以来、自然な言葉で話しかけることで、情報を確認したり端末の機能を利用できたりする音声認識アシスタントに注目が集まっている。以前から、話した言葉を認識し、それをテキストに置き換えたりアプリを起動したりするものはあるが、Siriを始めとした最近の人気サービスは、まるで端末の中に秘書かコンシェルジュがいるかのように、コミュニケーション能力を持つ点が特徴だ。

 今回は、iPhoneのSiri、ドコモの「しゃべってコンシェル」、ヤフーの「音声アシスト」の3サービスについて利用方法や機能を比較検証。また、Siriでは普通の質問ではない“会話”を楽しめることも有名だが、3サービスの“中の人”がどこまで対応してくれるのかもチェックしてみた。

まずは利用方法を確認

 まず、これらのサービスを利用するための環境やアプリ入手方法、利用方法を確認してみよう。

 SiriはiOS 5に組み込まれているため別途アプリをインストールする必要はないが、現時点ではiPhone 4Sでしか利用できない。スリープ中でも他のアプリの利用中でも、ホームボタンの長押しでSiriが起動し、そのまますぐに話しかけて質問や命令ができる。

 しゃべってコンシェルはAndroid 2.2以上の機種に対応し、基本的にドコモ端末で利用可能なアプリだ。アプリの説明には利用できる期間が記載されているが、期間はバージョンが上がるたびに変わるので、バージョンアップを続けていけば今のところは無料で利用し続けることができる。アプリを起動すると、「何かご用ですか」という“ひつじのしつじくん”のイラストとともに音声入力用のマイクアイコンとテキスト入力エリアが表示される。質問はマイクアイコンをタッチして話しかけるほか、テキストで入力することも可能だ。

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 音声アシストは「Yahoo!ラボ」の実験サービスとして公開されているアプリで、Android 2.2以上のスマートフォンで無料で利用できる。起動すると「お話ください」の吹き出しとマイクボタンだけのシンプルな画面が表示され、マイクのボタンにタッチして話しかける。

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photophotophoto 左からSiri、しゃべってコンシェル、音声アシストの画面。Siriは起動と同時に音声を入力できる状態になっているが、しゃべってコンシェル、音声アシストはマイクボタンをタッチしてから入力。また、しゃべってコンシェルはテキストで質問を入力したり、時計のアイコンをタッチして入力の履歴を表示したりもできる

 今回は音声で質問を入力した。音声の認識精度について、あまり大きな差は感じられなかったが、強いていえば音声アシストの認識精度が高いと感じた。返答にかかる時間も、通信環境に影響される場合はあるだろうが、おおむね2〜3秒で結果が表示される。Siriと音声アシストは女性の音声で返答してくれるが、しゃべってコンシェルは中性的だ。日本語の自然さではiPhoneと他の2サービスとでだいぶ差があり、iPhoneの日本語の発音は一昔前のロボットのようで、やや不自然だ。なお、いずれも音声での再生を設定で調整することができる。しゃべってコンシェルは端末本体がマナーモードになると音声再生も聞こえなくなるが、音声アシストはマナーモードでも再生。iPhoneはマナーモードでも音声再生されるが、イヤフォンやヘッドセットなどを使ってハンズフリーで利用するときだけ再生するように設定することもできる。

photophotophoto 各サービスの設定画面。Siriは「言語」で使用する言語、「音声フィードバック」で音声再生の設定が可能(写真=左)。しゃべってコンシェルは自宅の最寄り駅を設定し、「自宅に帰る」という命令をして現在地から自宅の最寄り駅までのルートを検索できる(写真=中)。音声アシストは音声のスピードの設定も可能だ(写真=右)

 音声アシストはAndroid全般で利用できるが、画面デザインがややそっけない印象だ。しゃべってコンシェルはこの中で唯一、テキストでも質問を入力でき、ひつじも可愛らしい。返答の前に質問した内容を確認するのが少々まどろっこしいと感じることもあるが、コンシェルジュらしいともいえるし表示は速やかだ。Siriはボタンの長押しですぐにアプリが起動し、その時点で入力状態になっていて使いやすい。

天気予報と乗換案内を調べてみた

 音声認識アシスタントでよく使うと思われる天気予報、乗り換え、ニュース、付近のスポットの検索、アプリの起動についてチェックした。

 天気予報の検索では「明日の天気は?」「ロンドンは?」と話しかけた近辺と海外の天気予報を調べた。Siriは「明日の天気予報です」と答えながらも週間天気予報を表示。ロンドンについて聞いた場合も同様だった。

 しゃべってコンシェルは「この付近の天気をお調べします」と言ってピンポイントな地域の3時間ごとの天気予報と週間天気を表示し、3サービスの中で最も詳しい予報を一発で確認できた。

 音声アシストも、しゃべってコンシェルよりは広いエリアの予報だが当日の天気予報を表示した。直後に「ロンドンは?」と聞いた場合には天気情報が見つからないとの返答。あらためて「ロンドンの天気は?」と聞くと日本気象協会の「tenki.jp」へのリンクが表示された。

photophotophoto Siriは内蔵の「天気」アプリの週間天気予報を表示(写真=左)。しゃべってコンシェルは3サービスの中で最も充実した予報を表示(写真=中)。音声アシストの天気予報も分かりやすいが、海外の都市の天気をダイレクトに表示することはできなかった(写真=右)

 乗り換え案内では「赤坂から汐留」「ここから赤坂」など、近距離のルートを中心に検索。経由駅を変えたり、終電の時刻を調べたりもしてみた。

 残念ながら今のところ、日本語Siriは電車の乗り換え検索に対応していない。お店や地図、渋滞情報なども、検索できるのは米国内で言語設定をアメリカ英語にしているときだけだ。回答の画面で「Webで検索」をタップすると、設定した検索エンジンでの検索結果が出るので、うまく利用するとそれなりに活用できるが、やはりサービスの連携強化を期待したいところだ。

 しゃべってコンシェルと音声アシストは、現在地を認識し、最寄り駅からの乗り換えルートも検索できる。出発駅と到着駅を指定した乗り換え検索では2サービスでルートが違うこともあったが、それほど大きな違いは感じられず、実用に耐えると感じた。特に音声アシストは、経由駅を変えて調べたい場合に「◯◯駅経由で」と続けて再検索することができるのが便利。しゃべってコンシェルは言葉こそ認識するものの、検索結果は同じままだった。音声アシストは「入れ替えて」と命令すると、出発駅と到着駅を入れ替えて検索し直すことができるなど、なかなか気が利いている。なお、終電については両方とも調べることができた。

photophotophotophoto 左端がしゃべってコンシェルの画面。ワンタッチで1本後のルートをチェックすることもできる。音声アシストは乗り換え検索で多彩な機能を備え、経由駅の変更(写真=左中、右中)や出発駅と到着駅を入れ替えた検索も可能だ(写真=右端)

 この乗り換え検索は、一言話すだけで検索できるので、文字入力や路線から選択して駅を入力するよりずっと簡単でスピーディだ。急いでいるときに歩きながらでも検索できるのがいい。人前で検索するのが恥ずかしいなら、端末を耳元に持っていけば電話をしているように見えるのでお勧めだ。

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