インタビュー
» 2012年11月08日 11時00分 UPDATE

開発陣に聞く「GALAXY Note II」:“誰もがクリエイティブになれる”――「GALAXY Note II」が描く次のストーリー (1/3)

5インチ強のディスプレイに専用ペン機能を備えたGALAXY Noteの2世代目のモデル「GALAXY Note II」が日本でも発売される。Note IIでは何が変わったのか。そして初代Noteが日本では「想定したほど売れなかった」理由は。韓国のSamsung電子本社にて開発陣に話を聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 Samsung電子のノート型スマートフォン「GALAXY Note II SC-02E」が、まもなくNTTドコモから発売される。GALAXY Note IIは2012年8月末にドイツで開催された展示会「IFA」で発表され、すでに韓国などで発売されている。スマートフォンでもタブレットでもない新しいカテゴリーのデバイスとして話題を集めた「GALAXY Note」。その2世代目のモデルとなるGALAXY Note IIは、ディスプレイが5.3インチから5.5インチへと大きくなり、幅は約83ミリから80.5ミリに細くなった。CPUはクアッドコアになり、バッテリーも3100mAhという大容量のものを搭載。同梱のSペンの操作性も向上させ、「Ari View」や「クイックコマンド」など新たな操作法も提案する。

photophoto 「GALAXY Note II」のグローバル版。カラーはMarble WhiteとTitanium Gray
photophoto ドコモ向け「GALAXY Note II SC-02E」。カラーはMarble Whiteと日本オリジナルのAmber Brown
photophoto こちらは韓国で発売中のGALAXY Note II

 初代GALAXY Noteで挙がった不満とは。GALAXY Note IIでそれをどう改善したのか。そしてSamsung電子が同製品を日本に投入するにあたり、こだわったところとは。GALAXY Note IIの日本での発売に先立ち、Samsung電子はメディアツアーを実施。複数メディアの合同取材という形で、韓国・江南(カンナム)の本社にてGALAXY Note IIのマーケティング、新機能、デザイン、商品企画について取材する機会を得たので、リポートしたい。

photo Samsung電子本社

GALAXY Note IIのコンセプトは“Be Creative”

photo 「製品の価値を伝える広告で重要なのは、利用シーンに関わるストーリーを作ること」だとホン・ジヨン氏は話す

 初代GALAXY Noteでは「ノート」という新しいカテゴリーのデバイスを訴求するため、「Phone, Tablet? Feel Free, It's Note!」というメッセージを打ち出した。そして2世代目のGALAXY Note IIでは、使い勝手の向上したSペンやカメラアプリなどをもって「誰でもクリエイティブになれること」を訴求する。マーケティンググループ 課長のホン・ジヨン(Hong Jeeyoung)氏は、その意図を以下のように説明する。

 「クリエイティブというのは、少数の人に与えられる特別なものというイメージがありますが、我々はそうは思っていません。すべての人がエジソンのような才能を持っているわけではありませんが、誰しも胸の中にはクリエイティブなエネルギーが眠っています。日常生活の中で、自分だけのスタイルで何かを創り出せるなら、それからクリエイティブが始まる――これがGALAXY Note IIのマーケティングストーリーです。Note IIは“Creativity for All”のためのデバイスです」

 GALAXY Note IIの“Be Creative”は、ノートの“新しさ”から、さらに一歩進んだメッセージだと言える。

サイズや素材も見直してSペンの操作性をブラッシュアップ

photo 大画面の良さやSペンの改善を説明するチェ・ウンジュン氏

 GALAXY Note IIの機能は具体的にどこが進化したのか。その詳細をSamsung電子 マーケティングリレーションズのPR担当 課長のチェ・ウンジュン(Choi Eunjung)氏が説明した。チェ氏はまずGALAXY Note IIの5.5インチという大画面の魅力について言及。ディスプレイが初代GALAXY Noteからさらに大きくなり、アスペクト比が映画と同様の16:9になったことで、「映画を見ているように臨場感あふれる映像を楽しめます」と説明。さらに、より薄く細くなったことで、グリップ感がよくなったこともメリットだという。

 マルチタスク機能が強化されたのも特長の1つだ。GALAXY Note IIでは戻るキーを長押しすると、画面左端に専用メニューが表示される。ここから任意のアプリを選んでSペンで画面下部にドラッグ&ドロップすると、上半分に使用中のアプリ、下半分にドロップしたアプリが分割表示されるので、動画を見ながらメールを書くといったことが可能になる。これも大画面ならではのインタフェースと言える。

photophoto 戻るキーを押すと、マルチタスク用のアプリ一覧が左端に表示される(写真=左)。下部にドラッグ&ドロップすると2画面表示が可能だ(写真=右)

 GALAXY NoteのキーアイテムでもあるSペンは使い勝手を向上させた。初代NoteのSペンは、ペン先がプラスチックだったので画面に触れると滑る感があったが、GALAXY Note IIのSペンは、ペン先にラバーを使っており、より自然に書ける。Sペンが検知できる筆圧は初代Noteの128段階から1024段階に拡張され、実際のペンと同様の繊細な書き心地を味わえるという。ペンの長さは初代Noteよりも8ミリ長くなったほか、ペン先は初代の5.5×5.5ミリの正円から5.5×6.5ミリの楕円にするなど、書きやすくなるよう形状も改善されている。なお、今回のSペンもワコムとの協業によって開発された。

photophoto GALAXY Note II用のSペン(写真=左)。初代NoteのSペン(下)と比較(写真=右)

 初代GALAXY NoteのSペンは、どちらかというと「筆記」そのものに焦点が当てられていたが、GALAXY Note IIではスマホを「操作」するための機能が追加されている。ペン先を画面に近づけるだけで上下スクロール、受信メール一覧から本文のプレビュー、画像フォルダ内のサムネイル表示などができる「Air View」はその1つだ。さらに、Sペンのボタンを押しながら左右になぞってテキストを選択、上にスワイプすると後述する「クイックコマンド」を起動、長押しするとスクリーンショットを撮るといった操作が可能。クイックコマンドでは、ここにキーワードを書いてWebで検索したり、「@」と書いてメールを立ち上げたりといったショートカットが可能だ。

photophoto Sペンのボタンを押しながら上にスワイプすると、クイックコマンドが現れ、メールの作成やWeb検索などが簡単に行える(写真=左)。Sペンの設定(写真=右)

 多彩なメモを残せる「Sノート」アプリも継承しており、チェ氏は「出張や会議のときに役立っている」という。またGALAXY Note IIではペンの種類や色などを保存できるようになった。Sペンのボタンを押すごとにペンの設定を変更できるので、3色ボールペンのように使いこなせる。Sノートは最大5層のフォルダ作成が可能になったほか、用途に合わせて8種類のテンプレートも用意した。

photo 複数人の顔写真を失敗なく撮れる「Best Face」が追加された

 カメラは初代GALAXY Noteと同じ810万画素CMOSだが、新機能が追加されている。その1つが、複数の人を撮影する際に5枚を連写して、最もよく写っている1枚を合成することができる「Best Face」だ。何人かで撮ると、1人だけ目をつぶっているということがまま起こるが、この機能でそうした事態を防げる。Best Faceでは「特に笑顔の写真が選ばれやすい」(チェ氏)という。

 新たに用意された「Paper Artist」もユニークなアプリだ。このアプリでは、水彩画やパステル画などの効果を選んでから、撮影した写真をなぞると、簡単にイラスト風の写真を作成できる。通常の画像編集のようにワンタッチでエフェクトをかけるのではなく、写真の隅々までなぞる必要があるので、何となくクリエイティブな作品を仕上げた気分になれる。「私はクリエイティブな人間ではありませんが、Note IIを使ってから、クリエイティブになれると思えました」とチェ氏も話す。

photophotophotophoto 画面をこするだけでさまざまなエフェクトの写真に仕上げられる「Paper Artsit」

 GALAXY Note IIのSペンは、初代と同じく端末に収納できるので、ペンを紛失する心配はなさそうだが、Note IIではSペンと端末が一定の距離まで離れると、端末側でアラートが表示されるようになっている。こうした細かい心配りも嬉しいところだ。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.