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» 2012年12月27日 17時01分 UPDATE

Xi 100Mbpsフィールドテストリポート【はじめに】

いよいよ開始されたドコモの下り最大100MbpsのLTEサービス。まだ利用できるエリアは限定的だが、対応エリアで実際どれほど速度が出るのかが気になる。そこでAppComing編集部では、100Mbps対応エリアを訪れ、実効速度を徹底調査した。

[AppComing]
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 11月16日に、NTTドコモのdocomo LTE Xi(クロッシィ)で、下り最大100Mbpsのサービスが開始された。来春にはUE Category4の112.5Mbpsにも対応する(同規格への対応端末の発売による)。

 サービス開始直前に、NTTドコモから実測値の発表や、いくつかの大手メディア・ケータイジャーナリストが現地取材を行い、「速い」ということを伝えてはいるが、実際にサービスが開始した後はどのような状況なのだろうか? という疑問が湧く人もいるはずだ。少数派かもしれないが、実際に自ら確認したいという単なる趣味的な欲望や、見えない電波を可視化したり体感することに喜びや浪漫を感じる人もいるだろう。 

 しかしながら、サービスが開始されてから、実際のXi100Mbpsネットワークの状況を妥当と思われる計測方法で、確からしいデータによる記事がほとんどど掲載されていないのではないかという現状があり、AppComing編集部としては、これらを独自に調査・確認をしてリポートすべきであろうと考え、サポートメンバーと共に、最大100Mbpsの超高速Xiエリアの調査を実施することを決定した。

 発表時点では、新潟県新潟市、石川県金沢市、愛媛県松山市・松前町 、香川県高松市・綾川町 、高知県高知市 、徳島県徳島市・藍住町 、そして沖縄県那覇市という7県のみであったが、その後追加され、富山県富山市、福井県福井市を含め9県が11月に対応し、さらに12月14日には宮城県仙台市でもサービスがスタートすることを確認したので、対象として追加して、合計10県でのXi100Mbpsエリアのフィールドテストを実施することとした。(本記事執筆開始時点で、宮城仙台でのフィールドテストは未実施。岩手県盛岡市や福島県郡山市でのサービス開始も予定されているが、AppComingでのフィールドテスト実施は未定。)

 また、本フィールドテスト特集は、最新機種の購入を検討する、あるいは高速化されたXiに興味のあるコンシューマのみならず、ケータイ関連メディアなどでスピードテストを実施する業界関係者が、専門的なフィールドテスト機材・ソフトウェアを用意することなく、比較的容易に実施するための参考となるように、テスト手法などに関する技術的な情報も多く記載していく予定だ。

フィールドテスト実施にあたり

 まず初めに、NTTドコモのLTEサービスXiは、約2年前2010年12月24日にB1(2100MHz帯)外での5MHz幅の下り最大37.5Mbps、屋内での10MHz幅・下り最大75Mbpsでのサービスを開始した。

 その後、一部のエリアでは屋外での10MHz幅・下り最大75Mbpsでのサービスも開始し、そして2012年11月16日からはBand19(800MHz帯・5MHz幅・下り最大37.5Mbps)・Band21(1500MHz帯・15MHz・下り最大100Mbps)でのサービスを開始したことで、現在3つの周波数帯(トライバンド)でサービスを提供している。また今後は、FOMAの東名阪バンドとして利用されているBand3(1800MHz)および新たに割り当てられたBand28(700MHz帯)を加えて5つの周波数帯(ペンタバンド)でLTEサービスを提供する予定だ。

 今回のフィールドテストで下り最大100Mbpsの電波測定を実施するXi対応機器(スマートフォンおよびデータ通信端末)は、100Mbps通信に対応した2012冬モデルに限定される。(2012冬モデルは、いずれもLTE通信規格UE Category3対応機種で、15MHz幅の場合は下り最大100Mbpsとなるが、春モデルとしてUE Category4対応機種がリリースされることで、15MHz幅・112.5Mbpsのサービスを利用できる予定。)

 フィールドテストは、サービス開始翌週の11月24日以降に予備調査を含めて順次実施し、電波測定用機種としては、Xperia AX S-01E、GALAXY Note II SC-02EおよびAQUOS PHONE ZETA SH-02Eを用意したが、この3機種でService ModeによるBand21でのバンド固定やRSRP(Reference Signal Received Power=基準信号受信電力)・ RSRQ(Reference Signal Received Quality=基準信号受信品質)・SNR(Signal-Noise Ratio=信号雑音比)などの確認も可能なGALAXY Note IIをメインの計測用端末とした。

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 バンド固定をする理由は、基地局が複数のXiバンドに対応している場合に、他のバンドをつかんでしまい、目的のBand21(1500MHz)をつかめない場合があるからだ。実際に、SC-02Eがバンドを固定せずにBand21をつかんでいるときに、Xperia AX SO-01EとAQUOS PHONE ZETA(SH-02E)がBand1(2100MHz)をつかんでしまいBand21をつかめないシーンが幾度とあくあった。

 また、基地局によってもどのバンドを優先してつかませようとするのか制御が異なるようだ。仮に、Band1>Band21>Band19という順序でつかむような基地局側の設定がなされている場合は、Band1のデータ通信トラフィックが混雑状況にない限りは、Band21をつかませる基地局側の制御がなされないことが想定される。また、1個人が数台の端末から何らかのデータ負荷を掛けたとしても次のプライオリティのバンドへの制御がなされるほどの負荷を掛けることは容易ではない思われる。発売から間もないBand21を優先するようにすべての100Mbps対応基地局で制御されれば、機種の特性による差異もあるが、冬モデルがBand1をつかんでしまうという現象も少なくなるかもしれない。

 現状はXiトライバンド対応基地局までだが、今後、Band3やBand28が加われば、GALAXYのようにServiceModeでのコントロール・確認ができない限り、どのバンドをつかんでいるのかを掌握することは、計測用の機材を用意しない限り、把握はしにくくなくなるだろう。 2012秋モデル以前の機種は、100Mbps非対応ということで、Band1・10MHz幅(下り最大75Mbps)のサービス提供エリアが拡大することも期待される。

 また、Xi Band21・100Mbps測定ポイントで、au 4G LTE(KDDI Band18・800MHzおよびBand11・1500MHz対応のAndroid向けLTEをOptimus G LGL21にて、沖縄ではiPhone 5による2100MHz帯)・EMOBILE LTE(モバイルルーターGL04P+AndroidスマートフォンOptimus G L-01EによるWi-Fi子機)・SoftBank 4G(AXGP=TD-LTEをRAZR M 201M)・Xi Band1(5MHz幅・下り最大37.5Mbps〜10MHz幅・下り最大75MbpsをGALAXY Tab10.1など)・FOMA 3G(GALAXY Nexusなど)での計測を数カ所で実施した。ただし、一部のテストを除き、NTTドコモ広報部門およびネットワーク部門から情報提供を受けて、Xi100Mbpsの受信状況が良いポイントで他回線を計測した結果であり、フェアな比較実験ではないことから、あくまでも参考値としていただきたい。

 電波測定用のツールとしては、「RBB Today SPEED TEST」および「Speedtest.net」を使用して、Latency(ping応答速度)・下り・上り速度の計測を行うものとし、計測回数はツールごとに7回程度とした。ただしLTE接続ではない状況などにおいては、0〜2回程度に留めて計測を実施している。さらに並行して、四国4県、新潟ー富山ー石川ー福井では、Xiおよびau 4G LTE(800MHz・1500MHz対応のAndroid向け)を自動計測が可能なフィールドテストツール「XenSurvey for Android」を用いて、移動区間の電波状況もXenSurveyのクラウドサーバ上に記録したので、計測データおよび自動生成リポートとともにまとめてリポートする。

※KDDIのau 4G LTEに関する調査記事などにおいて、比較的エリアの狭いiPhone5用のBand1(2100MHz帯)での比較を散見するが、四国2県(愛媛・徳島)がエリア外という現状を踏まえ、比較的エリアが広いとされるAndroid向けで利用されているBand18(800MHz)・Band11(1500MHz)での調査を実施した。併せて、ソフトバンクモバイルのiPhone5用ネットワークSofBank 4G LTEも対象外とした。

 以下のマップは、フィールドテストを実施したXi100Mbps測定ポイントだ。


より大きな地図で Xi100Mbps測定ポイント を表示

 四国での計測期間中の2泊3日だけでも、7GB超過回線がドコモ回線3本・KDDI1本となり、それぞれが帯域規制となったが、大量のデータ転送を必要とするスピードテストを実施する際は、使用しているデータ通信量に注意が必要だ。

 特にXenSurveyは、継続的にデータトラフィックがあり、定期的なThroughput(スピード)の下り・上りの速度測定を実施すると、5分に1度の計測でも数時間で3GBに達するため、他のスピードテストツールも併用する場合は、不要なThroughputテストはオフ(Disable)に設定することを推奨する。

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