インタビュー
» 2014年10月24日 00時00分 UPDATE

MVNOに聞く:KDDI回線を選んだ理由、端末へのこだわり、そして“iOS 8問題”――「mineo」の狙いと反響 (2/2)

[石野純也,ITmedia]
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iOS 8でmineoが利用できない理由は……

―― 端末という点では、iPhone、iPadが「iOS 8」で使えなくなってしまいました。まず、なぜなのかを知りたいのですが。

津田氏 β版のときから検証はしていて、動かないのは分かっていました。また、KDDIさんとも、何かおかしいという話もしていました。ただ、端末側の問題が大きく、「どうにかしてくれ」と言っても、なかなか難しいところがあります。(問題が発覚してから発売された)iPhone 6、6 Plusで使えないのは致し方ないところですが、iPhone 5sや5cでmineoを使っていたお客さんがアップデートしたら使えなくなってしまうというのは、大変申し訳ないと思っています。

 原因がどこにあるのかは、予想はしていますが、我々からだと「ここかな」という推測しかできません。

―― データ通信がCDMAに対応していないところでしょうか。

津田氏 恐らく、そこで最初にネットワークをつかみに行くのに失敗しているのかもしれません。ただ、これもあくまで推測です。

 iOSはバージョンが変わるとどうなるか分からないし、キャリアでもコントロールできないので厳しいというのは、KDDIさんと最初に協議したときから出ていた話です。ただ、そうなってしまうのはあまりに情けない。何とかできればいいのですが、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

―― iOS 8で使えないということで、契約数に影響は出ていますか。

津田氏 当事者のお客様には大変申し訳ないのですが、iOSで話題になったこともあり逆に契約者数は増えてしまいました……。

―― えっ(笑)。でも、確かにMVNOで使うには、ちょっと端末も高いですからね……。

津田氏 ただし、10月に入って少し契約数は下がり気味になっています。これはiOSがというより、他社が容量を増やしてきたからです。我々は、実際の使われ方も見ていて、マックスまで使っている方があまりいないと思い、据え置きにしていましたが、ここ1週間ぐらいで少しずつ契約数が減っている部分が見受けられます。

 確かに、普通に考えると、同じような値段で容量が多いと少ないとでは、多い方がいいでしょう。自分がユーザーでもそう思います。これについては、どこかのタイミングで追随することを考えています。

当初の想定よりも1人あたりの通信量が増えている

―― ドコモより接続料がかかるぶ分、容量を上げにくいということもあるのでしょうか。

津田氏 それもあります。コストに占める接続料の割はけっこう高い。でも、それは最初から分かっていたことですからね。

―― 2Gバイト、3Gバイトの料金プランを8月に始めましたが、その後どのような割合になっていますか。

津田氏 だいたい想定どおりで、1〜2割ぐらいのお客さんが、最初から2Gバイト、3Gバイトを契約しています。計画上は、もう少しだけ多めに見積もってはいましたが、それはこれからだと思います。まだ始まったばかりですからね。容量が足りないか心配だったお客さんにとっては選択肢が加わったことになり、契約増にもつながりました。

 また、今の使われ方を見ていると、当初思い描いていたよりは、1人あたりの通信量が増えています。先ほどのお話に戻ると、他社さんの動向もそうですが、実際の使われ方もあって、追随はせざるをえません。

photo データ通信量は1Gバイト、2Gバイト、3Gバイトから選べる

―― 通信量が増えている理由を教えてください。

津田氏 確実に動画が増えています。例えば、今だと、Facebookを見ても勝手に動画が流れますよね。昔から画像はありましたが、そのような感覚でちょっとしたところに動画があります。動画が身近になったともいえるのではないでしょうか。写真を撮って張り付けていただけなのが、軽い動画を撮ってアップロードするのも一般的になりつつあります。

 それも時代の流れで、特に若い方には当たり前になってくると、1Gバイトではちょっとしんどい。もちろん統計上は1Gバイトで収まるお客さんもいっぱいいますけどね。我々が取っている統計だと、1カ月あたり600〜700Mバイトが平均です。

―― とすると、「おかわり」と呼ばれていた「パケットチャージ」の利用者も増えているのでしょうか。

津田氏 増えてますね。8割ぐらいは範囲内に収まっていますが、残り2割のうちの3割ぐらいが、おかわりしています。

固定回線とのセット割は考えていない

photo

―― サポートについてはいかがでしょうか。もともとFTTHで基盤があるので、そこは充実していると思いますが。

津田氏 基本的にはFTTHでコールセンターをしっかりやってきているので、そこは変わらずです。ただ、同じようなブース数を構えるとコスト的には厳しいので、抑えながらではありますが。

 今は、FAQやサービス説明の部分にテコ入れをしようとしています。申し込みされた方や加入された方にアンケートを取っていますが、速度、品質、価格には満足されている。一方で、申し込みのしやすさやFAQの充実度がそれほど高くない。悪い数字ではないのですが、価格や速度といった項目に比べると、ちょっと劣る部分があります。

 Web中心でやっているので、そこは9割以上の満足度を目指しています。今でも80数%はありますが、それではだめ。社内で、もっとしっかりやらないとということは言っています。

―― 価格面では、例えばeo光とセット割を組んで、「mineoスマートバリュー」のような形でより満足度を上げるという方向はないのでしょうか。

津田氏 それは、今のところ考えていません。eoとあえて別ブランドにしたのは、全国に展開したかったからです。セット割をすると、eo光のサービスの一環と捉えられかねません。固定系はauスマートバリューでのセットをまずは推していきます。一方で、関西ではケイ・オプティコムの知名度は十分ありますから、信頼感を出すために名前は出していきたいと思います。

ユーザー同士の口コミコミュニティを準備中

―― もともとケイ・オプティコムは関西で有名ですが、mineoの地域分布はどのようになっていますか。

津田氏 関東のお客さんが4割ぐらい、関西が3割ぐらいです。全国で受け入られているのはありがたいですね。今後は、もう少し関西の比率が落ちてくると思います。

―― 地域で契約者に傾向はありますか。

津田氏 関西では、端末とセットで買われる方が多いですね。「1台目にしても、ケイ・オプティコムなら大丈夫やろ」と思われる方も多く、メインにしてくださっているようです。

 これからは、全国的にブランド力や知名度を上げていくことが課題です。そういう意味で、今準備しているのが、ユーザー同士の口コミコミュニティです。12月ぐらいにオープンできると思いますが、mineoのユーザー同士が楽しめるものを考えています。そこで盛り上がってもらったり、場合によってはリテラシーの高い方がサポートをしたりというようなものです。それで成功している海外のMVNOもいて、話を聞いている中でやろうということになりました。

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