「ZenFone 5」は、ASUS独自のユーザーインタフェース「ASUS ZenUI」を採用している。ただ、ホーム画面については、ショートカットを配置できるホーム画面と、インストール済みアプリが確認できる一覧画面や、左右のフリックで画面を切り替える操作など、基本構造や操作は一般的なAndroid端末と変わらない。Android端末を使ってきていれば、すぐに使いこなせるはずだ。また、指定したアプリをロックして、起動するにはパスワードの入力を求める設定も可能だ。
便利なのが通知バー。Android 4.4搭載機種では、画面上部から下へスワイプして呼び出せる通知バーには、各種通知のみが表示され、Wi-FiやBluetoothなどのクイック設定を呼び出すには、もう1ステップ必要なケースが多い。しかしZenFone 5では、左上部からスワイプすると通知バー、右上部からスワイプするとクイック設定が表示されるので、クイック設定をホームから1ステップで呼び出せる。
ホーム画面も使いやすいが、ZenFone 5にはほかにもさまざまな工夫が施されている。「What's Next」により、カレンダーに登録したスケジュールが、What's Nextアプリと、ロック画面や通知パネル、ウィジェットに、予定前にタイミングよく表示される。また、「やることリスト」アプリは、Webブラウザで閲覧中のニュースやYouTubeで見ていた動画、書きかけのメールなど、さまざまなアプリで作業途中になった内容をまとめてリスト化して表示する。後からやることリストにアクセスしてタスクを選択すると、該当のアプリが起動してスムースにタスクを終了できる。
日本語入力システムに「ATOK」が採用されているのもポイントだ。賢い変換で快適に入力でき、独自のジェスチャー入力のほか、ケータイ入力やフリック入力、2タッチ入力にも対応する。
ZenFone 5はSIMロックフリー端末なので、さまざまなMVNOのSIMカードを挿して使えるが、多くのMVNOのAPN(アクセスポイントネーム)情報が本体にあらかじめ登録されている。登録されているMVNOのSIMカードの場合は、カードを挿入してAPNを選ぶだけで自動的にAPNが設定される。“格安スマホ”や“格安SIM”を初めて使うユーザーに優しい配慮だ。
ブルーライトをカットして電子書籍を読むときに最適な色合いに調整してくれる「読書モード」、手袋を装着したままでも画面タッチ操作ができる「手袋モード」、初心者やシニア層向けに、よく使う機能を大きなアイコンで表示する「簡単モード」も採用した。
ホーム画面のASUSフォルダからは、ユニークな独自アプリを起動できる。「Splendid」アプリでは、ディスプレイの色温度や色相、再度などを好みに調整可能。「AudioWizard」アプリには6つのサウンドモードが用意され、用途に合った音質を選べる。「SuperNote」は手書きに対応したノートアプリだ。
海外製のミッドレンジ端末の中には、機能や操作性に物足りなさを感じる端末もあるが、ZenFone 5はさまざまな工夫や配慮がなされ使いやすい。価格以上の満足感を得られる端末だと感じた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.