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» 2015年01月26日 15時45分 UPDATE

IIJmio meeting 6:CPUとメモリ、対応バンドを確認すべし――IIJがSIMフリースマホの選び方を解説

MVNOのSIMカードが使えるSIMロックフリースマホは、どんな機種を選べばいいのだろうか? IIJの堂前氏がIIJmio meetingで解説した。重要なのは、CPUとメモリ、対応周波数帯だ。

[田中聡,ITmedia]
photo IIJmio meetingでおなじみの堂前氏

 IIJ(インターネットイニシアティブ)が1月24日、一般ユーザー向けのイベント「IIJmio meeting 6」を開催した。IIJのイベントといえば、中の人によるマニアックなトークに定評があるが、最近は格安SIMの初心者に向けた内容も充実させている。今回は初心者向けのセッション「みおふぉん教室」にて、プロダクト本部 プロダクト推進部の堂前清隆氏が「SIMフリースマホの選び方」を解説した。

 IIJmioでは、一部セット販売しているスマートフォンもあるが、基本的にSIMカードを単体で販売しており、端末はユーザーが選ぶ形になる。現在、スマホOSのツートップといえばAndroidとiOSだが、iPhone 6/6 PlusのSIMロックフリーモデルは現在販売が中止されているので、今から新しいSIMロックフリースマホを買うとしたら、AndroidかiPhone 5sなどを選ぶことになる。なお、ドコモのスマートフォンはSIMロックの有無にかかわらず、ドコモ系MVNOのSIMカードは利用できる。

 スマートフォンの製品サイトを見ると、さまざまなスペックが記載されているが、「本体サイズ、外観、画面サイズ、色などは、お好みで選ぶといい」と堂前氏。注意深くチェックしてほしいというのが「CPUと(メイン)メモリ」だ。CPUはコア数とクロック周波数が高いほど性能も高く、メインメモリが高いほど複数のアプリをスムーズに動かせるようになる。

photophoto サイズや外観は実際に触れて確認するのがいいだろ(写真=左)。基本性能はCPUとメインメモリがカギを握る(写真=右)

 CPUは現行機種ならほとんどが4コア(クアッドコア)だが、価格重視のモデルの中には2コア(デュアルコア)のものもある。メインメモリは最近は2Gバイトが標準的で、3Gバイトは高級モデル、1Gバイトは価格重視のモデルに採用される傾向にある。中には512Mバイトの機種もあるが、「そういうモデルは工夫することを楽しみながら使ってほしいと思う」と堂前氏。ちなみにHuaweiの「Ascend Mate7」は8コア(オクタコア)を搭載しているが、これは8コア分(4コアの2倍)の性能を持つというよりは、性能重視の4コアと、省電力を図る4コアを使い分ける構成になっていると堂前氏は説明。Ascend Mate7は、クアッドコア搭載機と比べて、省電力性能に優れているといえる。

 CPUとメモリのスペックは端末によってまちまちだが、堂前氏は大きく3パターン(松竹梅)に分けて説明。ベストを求めるなら「松」の4コア/2GHz台/メモリ2Gバイト以上、標準的なスペックでよければ「竹」の4コア/1GHz台/メモリ2Gバイト、ヘビーに使わなければ「梅」の4コア/1GHz台/メモリ1Gバイトとなる。堂前氏は「番外」として、2コア/1GHz台/メモリ512Mバイトという“工夫”を強いられる場合もあることを付け加えた。

photo 主なSIMロックフリースマートフォンの性能比較

 もう1つ、SIMロックフリースマホを選ぶうえで重要になるのが「電波の種類」だ。ドコモ系MVNOの場合、端末が3G(W-CDMA)やLTEに対応している必要がある。そして3GとLTEの周波数帯(バンド)は国や地域、キャリアによって異なるので、ドコモのバンドにどれだけ端末が対応しているかを確認しておく必要がある。例えばAscend Mate7は仕様上は20バンドに対応しているが、日本(ドコモSIM)で利用できるのは5バンドのみ。ドコモの電波の種類とスマートフォンの対応状況を見ると、ドコモが2015年に開始予定のLTEの700MHz帯は対応機種が少なく、LTEの1.5GHz帯(バンド21)は日本独自の周波数帯ということもあり、ドコモ端末以外では対応機種がほとんどない。

 では、対応バンドが少ないとどんなデメリットがあるのか? まず、2.1GHz帯のLTEと3Gに対応していれば、「都市部で圏外になることは、まずない」と堂前氏。ただし、ドコモは都市部では複数のバンドを組み合わせて混雑時のトラフィックをさばいているので、端末が1.5GHz帯と1.7GHz帯に対応していないと、混雑時に通信速度が遅くなる場合がある。また、「Ascend G6」と「Ascend P7」のような、LTEと3Gともに800MHz帯に対応していない機種は「山間部で圏外になりやすい」(堂前氏)というデメリットが生じる。

photophoto 通信キャリアとスマートフォンの対応バンドが一致して、初めて通信が可能になる(写真=左)。ドコモ系MVNOのSIMカードは、LTEと3G(W-CDMA)の対応バンドをチェックしておきたい(写真=右)
photophoto ドコモが使用している周波数帯(写真=左)。ドコモの対応バンドとスマートフォンの対応状況(写真=右)
photophoto ドコモのLTEエリア展開の方針(写真=左)。対応バンドが少ないと起こりうるデメリット(写真=右)

 ドコモは、3Gの800MHz帯では「FOMAプラスエリア」として、山間部など電波の届きにくい場所で提供しており(都市部でも提供している、ドコモのエリアマップを見ると、LTEと3Gともに800MHzしか対応していない場所もある。そういった場所でAscend G6やAscend P7を使うと、圏外になって通話すらできなくなってしまう。なお、高尾山周辺には、3Gはカバーしていないが、LTEはカバーしている場所があるという。堂前氏は「もしかしてここでは、(VoLTE非対応機種は)データ通信はできて、音声通話ができないのでは。興味がある方がいらっしゃると思うので、ぜひ、行って結果をリポートしていただけないかなと」と話して会場を笑わせた。

photophoto Xiエリア(800MHz帯)とFOMAプラスエリアのカバー状況。LTEも3Gも800MHz帯しか対応していないエリアは多い

 2015年5月を予定しているSIMロック解除の義務化も、端末選びに影響を及ぼしそうだ。現在、ドコモ系MVNOのSIMカードを利用できるのは、ドコモ端末とSIMロックフリー端末だが、SIMロックを解除すれば、(これまでロック解除できなかった)ソフトバンクやauの端末でもIIJmioを使えるようになる……と思われがちだが、先述のとおり、SIMカードを装着して通信できるかどうかは、端末の対応バンドに依存する。例えば、ソフトバンクの「AQUOS CRYSTAL X」のSIMロックを解除しても、CRYSTAL Xはドコモバンドの中では1.7GHz帯と2.1GHz帯しか対応していない。また、au端末は3Gの通信規格がドコモと異なるので、IIJmioのSIMを挿しても3Gでの音声通話はできない。端末によっては通話もデータ通信もできない場合もあるので注意したい。

 こうした通信キャリアをまたいだ対応バンドの問題は「2015年5月に何か改善されるかもしれないが、必ずしもSIMロック解除で他社のスマートフォンが使えるわけでない」と堂前氏は注意を促した。

photophoto SIMロック解除ですべてのスマホでIIJmioなどが使えるようになる……とは限らない(写真=左)。通信キャリアの対応バンドはバラバラだ(写真=右)
photophoto 「AQUOS CRYSTAL X」で利用できるドコモの周波数帯はLTE/W-CDMAの2.1GHz帯と1.7GHz帯のみ(写真=左)。SIMロックを解除しても、手持ちの端末で快適に通信できるようになるとは限らない(写真=右)

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