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» 2015年04月24日 12時00分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:中国市場なくしては生きていけない世界のスマホ業界━━シャープのスマホ用4Kパネルは「爆買い」してもらえるか

シャープがスマートフォン向けに、4K解像度に対応した液晶パネルを発表。日本での発表は予定していないそうだが……。

[石川温]

 シャープはスマートフォン向け液晶パネルとして、5.5インチで4K解像度に対応したIGZOパネルを開発したと発表した。2016年をめどに量産化される見込みだ。

 現在、シャープは経営再建に向けて様々なニュースが飛び交っているが、現場では将来のパネル製造に向けて着々と開発が進んでいる。そんななか、ついにスマホでも4K解像度の見通しが立ったようだ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年4月18日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


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 発表されたディスプレイは5.5インチで3840×2160ドット(UHD)、密度は806ppiにも達する。

 「スマホの小さな画面に4K解像度なんて必要あるのか」と思ってしまいがちだが、シャープでは4K対応テレビやパソコン、タブレットが普及することで、4K対応コンテンツが増え、スマートフォンも4K対応になることで、それらのコンテンツが流通しやすくなるとしている。

 今回のスマホ向け4K対応IGZOパネルだが、実は中国の展示会で発表を行っている。日本でも発表するかと思いきや「いまのところ、予定はしていない」(シャープ関係者)とのことだ。

 現在、中国市場では4Kテレビの人気が高く、引き合いが強いだろうと判断。また、シャープとしては、スマホのパネルを販売する先としては、スマホメーカーの多い中国を最優先するというのは当然のことだろう。

 確かに、日本で発表したところで、シャープの液晶パネルを採用してくれるスマホメーカーは皆無に等しい。自社でのスマホではあり得るが、ソニー、富士通あたりはジャパンディスプレイを採用してくることを考えると、あえて日本市場で発表する意味は薄いというわけだ。

 iPhone人気が盛り上がり、日本のスマホメーカーが撤退したことで、日本で部材を買ってくれるメーカーが減ったというのは何とも寂しい限りだ。

 実際、クアルコムなどもかつてに比べると日本市場での売り上げは落ちており、主力は相当前から中国市場に移っているという。クアルコムが新プラットフォームを披露する際も、中国市場向けに北京などで行うことも多いようだ。

 先日、上海に行ったのだが、現在のレートは1元20円ほどとなっている。数年前、上海に行き始めた頃は1元13円程度だったことを考えると、1.5倍ほどの円安となっているのだ。

 上海でiPhone 6 Plusを持っていた人に話を聞いたところ「日本で売られていたものを購入した。上海のアップルストアよりも断然に安いから」と言っていた。つまり、昨年9月のiPhone6/6 Plus発売日以降に、大量に並んだ中国人が購入した端末が、日本から転売されて上海に渡ってきていたのだ。

 そう考えると、いまの円安水準によって、中国市場から見れば、日本発の部材や製品は「お買い得」ととらえているのだろう。これからも次々と中国の人たちに日本のスマホ業界は「爆買い」されていくのかも知れない。

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