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» 2015年08月28日 10時05分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:mineo、月額料金が無料になるキャンペーンを展開――iOS8が使えない問題も目処が見え、目標契約者数を達成できるか

ケイ・オプティコムの「mineo」がドコモ回線を利用したMVNOサービスと海外プリペイドSIMカードの提供を開始する。それに先だって行われた説明会で、同社のモバイル事業戦略グループの津田和佳氏の囲み取材が行われた。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 8月18日、mineoを手がけるケイ・オプティコムは、NTTドコモ回線を利用したMVNOサービスや海外プリペイドSIMカードの説明会を開催した。終了後、モバイル事業戦略グループの津田和佳グループマネージャーの囲みが行われた。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年8月22日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


「石川温のスマホ業界新聞」バックナンバー

―― 今回、かなり大胆なキャンペーンだと思うが、大丈夫なのか。

津田氏 「今回、我々はキャンペーンには相当なコストを使う予定。みなさん、ご存じだと思うが、あれくらいやらないと、楽天さんなどの競合のなかでやっていくのは厳しいものがある。

 ドコモ回線を始めるのは第2のサービスインのイメージ。初回と同じぐらいの費用をかけてやっていこうと。これで挽回していきたいということで費用をかけていく」

 (★ mineo、自分は解除料がなくなった途端に解約してしまったのだけど、今回のキャンペーンで、すぐに予約申し込みしてしまった)

―― 10万契約はいつぐらいを目処に達成できるか。

津田氏 「10万ですか。できれば、このドコモ回線の提供開始から1カ月ほどで達成したい」

 (★ 2日で2000件の予約が入ったようなので、この勢いなら到達できるのではないか)

―― 計画の前倒しはあり得るのか。

津田氏 「当初は『5年で100万契約』と言っていた。1年経過して蓋を開けてみると、この間も言いましたが、10万件を目標にしていたところ、7万件に留まった。その理由はいろいろあるが、一番大きいのは、競合がここまで増えるとは思っていなかった。

 開始した当初、通信事業者が主体だったが、さまざまな業種が参入してきた。今のままではもっと(目標達成が)遅れるかなと。何とか、5年以内で、ドコモのMVNOに参入することで達成したい。想いとしてはできるだけ前倒ししたいが、いつごろというのは、ドコモへの参入で推移を見守っていきたい」

 (★ ドコモのMVNOは競争相手も多いだけに、厳しい戦いにはなるかと)

―― どちらかと言えば、100万件達成のためにドコモ回線も必要だったということか。

津田氏 「そうですね。社内ではドコモ回線を入れるなら、100万件ではなくもっと上を、という目標はある。まずは早く達成するのを第一に掲げて、(ドコモ回線を)始めた」

 (★ 端末のことを考えると、ドコモは必須よね)

―― 海外用のSIMカードも100万件に含まれるのか。

津田氏 「海外用はちょっと先を見据えている。ですから、初年度はまずはできるだけお使いいただき、こんなものかと実感していただき、数年後、それなりに獲得できればと思う。100万のなかには含めていない。それぞれ単品で投資を回収できればと思っている」

 (★ 今回の海外SIMカードも面白い取り組み。今度の出張で使ってみようかと思う)

―― 海外用SIMカードの価格設定は、あれでぎりぎりなのか。

津田氏 「今回、我々はアイルランドの会社と一緒になってやってますので、我々が自由にコントロールできない。当然、我々と提携先で取り分を考えている。

 モバイルルーターレンタルや、大手キャリアのローミング料金を踏まえて、ああいった設定をしたというところ。

 モバイルルーターレンタルは、様々な会社で670円ぐらいの設定が多い。ビジネスで出張するときはレンタルするんでしょうけども、個人で行かれる時は、結構我慢して、無料のWi-Fiでなんとかなるか、ということもある。

 そうしたサービスと同等であれば個人でも利用していただけるだろう。まずはあれでスタートした。もっと下げられないか、というと、まだ余力を持っているのが正直なところ」

 (★ アイルランドのキュービックテレコムという会社を利用していると言うことは他社も追随できるということでもある)

―― 料金競争は一巡したとみることもできる。これからの競争軸はどうなるのか。

津田氏 「ある会社は、ずっと最安値を追求すると聞いている。我々はあまりそこは目指しておらず、今回提示した、700円、800円、900円という価格帯があるが、それくらいであれば、皆さんも毎月使っていただけるかなと思っている。逆にこれ以上、安い料金は我々は考えていない。

 mineoをご利用のお客さんからも、料金を下げるよりも品質をしっかりしてほしい、というのがありますので、そこをすごく意識して考えていきたい。これ以上、これから値下げすることは今のところ考えていない」

 (★ これからしばらくは品質競争が重要になってくるかな)

―― 他社だと昼間繋がらない、という問題もあるが、そういった面も含めて、品質には自信があると。

津田氏 「我々も、開始して数カ月、お客さんが増えてきたときに『昼間、遅い』と言う話がいろんなところであり、特に2ちゃんねるで書かれていたこともあった。

 どこまで声を聞いてやっていくかというのを社内で議論した結果、そこはしっかり応えていこうと。

 我々、通信事業者ですので、これまで関西でFTTHサービスを提供しており、品質には絶対の自信がある。それがスマホになったからと言って、多少悪くてもということはなく、しっかりしたものを届けていこうとなった。そこは自信を持っている。

 ただ、大手キャリアとまったく同じように使えるのかというと、そこはコストの問題もある。みなさんにご理解いただきながら、使えるという範囲を、まず昼休みはしっかり保っていきたい。それ以外のところは快適に利用できる。お客様にご理解いただいた上で、使っていただきたい。品質にはこだわっていきたい」

 (★ 昼間は使えないけど安いというプランもあり得そうだな)

―― 今後はドコモプランのほうにアクセルを踏んでいくのか。それとも均等にやっていくのか。

津田氏 「auのMVNOというのは、我々のほか数社ですので、レッドオーシャンではなく、我々でも今のままでも戦っていける。気持ちとしては均等にやっていきたい。

 ただ、ドコモのMVNOについては、我々は後発のスタートになりますので、どうやっていくかをこれから考えていく必要がある。

 mineoというブランドが、使っていただいているお客様に受け入れられていると思っている。親しみやすさや先進性が根付いてきていると思う。そこを普及させながら『同じ使うなら、mineoにしよう』となるよう、相乗効果を狙っていきたい」

 (★ auのMVNOをどうやって売っていくかも課題よね。競合が少ないだけに、やりようはあるような気もするが)

―― お客さんに「au回線とドコモ回線のどちらがいいのか」と聞かれたら、何と説明するのか。

津田氏 「現時点でいいますと、我々が使ってみて実感するのは、auのLTEのカバー範囲は広いなぁ、と思います。3Gには戻れない。LTEを使うとそれが当たり前になってくるので、速く、サクサクをより広いエリアでというユーザーにはau回線がいい、という勧め方になる。

 ただ、山間部でも必ず繋がるということを保証されたいならドコモ回線かなと、今、我々は思っている。

 これからキャリアさんも基地局を増設すると思いますので、そこで変わってくるかも知れないが、迷われているお客様にはそのように説明したい。

 ユーザーの声を聞いていると、使いたい端末がある、SIMを挿したい、と言われている。端末メーカーには話をするし、いずれそのうち、auでもドコモでも繋がる機種はもっともっと出てくるだろう。そういったときには、カバー範囲かサクサク使えるかを申し上げて、お客様には選んでいただく」

 (★ 一般的な使い方だと、どちらも違いを感じないほどのエリアカバーなんだろうけど。最終的には「持っている端末がどちらか」になりそう)

―― iPhone問題が全面解決することへの期待感は。

津田氏 「前から申し上げている通り、KDDIとアップルに申し入れをしている。具体的に進展があるかというと、まだここで申し上げることはできない。解決に向けて、我々も含めて、いろいろ取り組みをしているのは確か。

 プロファイルの話は、我々としてそこまで至らなかったが、ある会社から情報を得て、いまやっているが、徐々に糸口が見えている部分とあきらめざるを得ないところも見えてきている。

 全てのiPhoneでauのSIMが使えることを望んでいるので、これからもいろいろ検討していただいているが、ユーザーの声を吸い上げて、全面解決することを祈っているというところ」

 (★ そうこうしているうちにiOS9がやってくる)

―― auは相互接続していると思うが、ドコモ回線も相互接続か。

津田氏 「ドコモも同じL2で接続している。MVNEを介さず、直接です」

―― ソフトバンクはどうか。

津田氏 「我々としては、今回、au、ドコモと来たので、次はというのはお客さんからもありますが、どう説明するのかといった売り方もまだ考えていない。計画にはないが、お客さんからの要望があれば考えていきたい」

―― iPhoneをソフトバンク回線で使っているユーザーも多いだけに、始まればインパクトも大きいのではないか。ただ、ソフトバンク側がウンと言わないだろうが。

津田氏 「まだ交渉もしていないが、そういった声が大きくなれば、我々としても動いていく覚悟はある」

 (★ 既存のソフトバンクでiPhoneのユーザーが、SIMロック解除なしで安く使おうと思ったらソフトバンク網を使ったMVNOなんだろうけど、さすがにソフトバンクがOKださないかな)

―― 即日MNP対応について、競合他社も対応しているが、mineoも他社と同じ仕組みか。

津田氏 「おそらく同じ仕組みになるのではないかなと思います」

―― 他社はオンラインでの手続きだが、mineoでは電話での対応になるのか。

津田氏 「そうですね。おそらく、ドコモさんとの話になるため、詳しくは申し上げられないが、我々としては、アラジンを介して対応することになる。

 au回線ではオンラインで、お客さんはWebで手続きができ早ければ5分で使えるようにしている。ドコモ回線でもそういったものを考えていきたい」

―― ドコモ回線向けの端末を用意する場合、メーカーブランドを調達するのか、それともau向けのようにmineoロゴを入れるのか。

津田氏 「あまりmineoのロゴは入れないかなと思う。我々として発売はしていくが、今後は我々だけが売っていくのではなく、我々の基盤を使って、いろんな事業者さんにも提供していきたいと思っている。

 そうした話があるなかで、端末もという話もある。そこで、mineoという名前が出てくると、いまのmineoなのにauというロゴが出てくるのと同じになってしまう。そこをあえてコストをかけるよりも、普通にメーカーさんのものとして、お客様に届ける方が望ましいと思っている」

 (★ まぁ、MVNOが売る端末にロゴなんて不要かと。オリジナル端末もいらない。ケイ・オプティコムもドコモ回線でMVNEをやるってことかな)

―― ショップは今後拡充する予定はあったりしないのか。

津田氏 「そうですね。していきたいと思うが、当然費用がかかる。いま、大阪の店舗がオープンしてから1カ月経ち、手応えはある。もうしばらく状況を見て、第2号店の可能性について、社内で議論していきたい」

―― 梅田で成功したら、次は東京か。

津田氏 「そういう声はよく聞く。東京でやるほうがいいのか、大阪の次は神戸や京都か………。大阪のショップはキタに出店したので、ある事業者さん(筆者注、楽天モバイル)が出店したミナミのほうでやると盛り上がるかなとも思う。東京で、という声はお客様からも聞きますが、具体的な計画はないので、これから」

 (★ 東京にも旗艦店があったほうがいいと思うが)

―― mineoを始めた当初は、あまり関西色を出さずにいく、とおっしゃっていたが、ショップを関西展開するというのは考えが変わってきたのか。

津田氏 「特に方針は変えていない。全国向けにサービスを提供していく。

 ただ、我々は関西が地元で、150万件のFTTHユーザーが存在する。そうしたお客様への訴求は全国向けとあまり変わらずやってきたが、もっともっと足元を固めるという考えは社内でも出てきている。どういった施策を強化するのは今後の課題。

 関西色を前面に押し出すのではなく、関西でもっともっとお客さまにしっかり拡げていきたいとは思っている」

 (★ 確かに関西でショップを出すMVNOも限られるだろうし、狙い目ではありそう)

―― eo mobile wifiは辞めちゃうのか。

津田氏 「新規の受付は停止している。現在、なかでは検討中」

 ここで、津田氏からメディアに伝えたかったことがあったようで。

津田氏 「auのMVNOによるVoLTEサービスですが、具体的な時期をは申し上げられていなかったが、KDDIと調整して、予定としては11月には開始できそうな見込みです。

 ドコモはSIM交換不要だが、auはVoLTEのSIMに差し替える必要がある。また、調整をしているところだが、VoLTE端末をお持ちいただいても、SIMロック解除をしないと使えない。お客様にお伝えしながら、使っていただきたい。

 サービスとしていつからとはいえないが、スケジュール的なもの、契約的なものがまとまりつつある。やる気はあります。

 5月に発売された機種は6カ月が経過するとSIMロック解除ができる。その時点からサービス提供できるよう、最終の詰めをしている」

 (★ 4月にauでGalaxy S6を購入して、秋にSIMロックを解除して、mineoで使う人がどこまで存在するかは不明だが、とりあえず、VoLTEが使えるようになる、ということで)

―― UQ mobile登場の影響はあるか。

津田氏 「KVE(UQ mobile)の契約数は、KDDIさんから教えてもらえないが、UQ Mobileが始まったからといって、ガクッと下がったかというと、そこまでではない。むしろ、au回線のMVNOといえばmineoかUQ mobileか、という形になって、競争があることはいいことかなと思っている。UQ Mobileもプロモーションをしており、相乗効果で注目されるのは良かったのではないか」

 (★ やはり使える端末が少ないのが難点よね)

―― iPhone問題も解決すれば加入者も伸びるだろうが、年度末には20万契約を達成できそうか。

津田氏 「年度末20万件は、我々としては必須だと思っている。

―― 年末に20万件達成はどうか。

津田氏 「年末ですか。すべては9月にどれだけ加入してもらえるか。去年の先行予約で、1万件は軽く超えたので、端末も同じようにやりますし、端末購入されたときは24カ月でストップだったが、今年はさらに6カ月載せたりしている。

 auのユーザーからももう一度注目してもらう。ドコモのお客様は最大9カ月になります。

 最低利用期間を撤廃したので、9カ月後におやめいただいて、他社に行ってもお金をいただくことはない。

 ぜひ一度、mineoを利用してもらい、我々の良さをわかっていただければ、その後も使っていただけるのではないか。年末20万行ければ、また報告したい」

 (★ これだけ無料で使えるキャンペーンを展開すれば、20万も行けそうな気がするが)

―― iOS 9は大丈夫そうか。

津田氏 「えーっと。そうですね。うーん。あまり軽く言うと痛い目に遭っているので。ドコモさんはなんとかいけると思っている。auのほうは今後、出てから検証してご報告したいと思う」

 (★ 果たしてどうなることやら)

■取材を終えて

 MVNOの世界は料金値下げ競争から、キャンペーン戦争に突入する感がある。おそらく、他のMVNOも同様のキャンペーンを仕掛けてきてもおかしくないだろう。

 MVNO業界が、儲かる前に消耗戦に突入している感があって、「この先、大丈夫か」と心配したくなってくる。

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