郵便局で「IIJmio」を販売する狙いは?――200万契約を目指し、IIJは次のフェーズへMVNOに聞く(1/3 ページ)

» 2016年07月29日 15時52分 公開
[石野純也ITmedia]
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 IIJは、MVNO業界をリードする1社だ。6月に調査会社のMM総研が発表したデータによると、格安SIMサービスのシェアは第2位で17.2%。個人向けサービスに限れば、シェア1位となる。

 技術に強い会社のカラーを生かしユーザーからの信頼が厚いだけでなく、ビックカメラでの販売など、販路も着実に広げているのが同社の強みだ。7月5日には、郵便局での取り扱いも発表。東海地方で、SIMカードとSIMロックフリー端末のカタログ販売を8月1日から行う。

 料金プランについても、見直しをかけてきた。もともと月5GBだった「ライトスタートプラン」の容量を、7月1日から6GBに増量。合わせて7月7日からは、「ミニマムスタートプラン」やライトスタートプランでも、追加のSIMカードを発行できるよう、仕組みを改めた。

 コンシューマー向けの事業を着実に強化する一方で、IIJは、戦略としてMVNOの支援事業であるMVNEへの注力も掲げている。最近では、U-NEXTの「U-mobile」がIIJの回線を利用したサービスを開始、フリービットからのくら替えとして話題を集めたことも記憶に新しい。

 こうしたIIJの最新動向やその背景を、同社でMVNO事業を担当するネットワーク本部技術企画室 担当課長の佐々木太志氏と、広報部 技術広報担当課長の堂前清隆氏、MVNO事業部 MVNO技術開発部 企画推進課の政田一郎氏が語った。

データ容量をシェアする需要は高まっている

IIJmio IIJの佐々木太志氏

――(聞き手:石野純也) 最初に、ライトスタートプランの容量を6GBに増やした背景を教えてください。もはや「ライト」ではないような気がしますが(笑)。

佐々木氏 これは整合性の問題です。これまで使えなかったシェアを入れましたが、ライトスタートプラン(月1520円+400円で5GBをシェア)より、ミニマムスタートプランを2契約(月900円×2で3GBずつ使う)した方が、あまりに安くなってしまうので……。これは、本当にテクニカルな料金プラン構築のお話です。それでもまだ、料金だけで見ると、ミニマムスタートプランを2契約した方が安いのですが(笑)。ただ、シェアできるということで、ライトスタートプランを2回線でシェアしていただいた方が、使い勝手はよくなります。

 今回の肝となるのもここで、もともとミニマムスタートプランとライトスタートプランでは、追加のSIMを選ぶことができませんでした。そこに、シェアが可能な2枚目のSIMを追加で導入できるようにした。これが、プラン改定の一番大きなポイントになります。

―― 実際、シェアの需要は高まっているのでしょうか。

佐々木氏 その需要はすごくありましたね。ユーザーの方が、デイバスを複数持つようになったのはあると思います。タブレットはWi-Fiでテザリングを使うという傾向は見られましたが、ここ最近ですと、いろいろなタブレットでSIMカードが使えるようになってきています。いちいちテザリングするより、SIMを挿した方が煩わしくない。使い方も変わってきているのでしょう。

 そこから先には、まだいろいろな使い方もあります。まだまだウェアラブルでSIMが挿せるものはブレークしていませんが、そういったものもあります。場合によって夫婦のような、小さい家族で使うこともあるでしょう。「ファミリーシェアプラン」も多くの方にいいと思ってはいますが、お子さんがいないような家庭では、1枚ずつというようなこともあると思います。

―― 反響はいかがでしたか。

佐々木氏 ミニマムスタートプランとライトスタートプランは多くの方にご利用いただいていますが、その方たちがファミリーシェアプランに行くと金額が上がってしまう。2枚目を契約できるなら、ぜひしたいというお声をいただいています。

IIJmio 7月1日から「ライトスタートプラン」のバンドルクーポンを6GBに増量し、7月7日から「ミニマムスタートプラン」と「ライトスタートプラン」でも2枚目のSIMカードを追加できるようになった

MVNEとしてカスタマーの特色に合わせたものを作る

―― 現状、個人向けはシェア1位ですが、今後はどのようにこの事業を伸ばしていくのでしょうか。MVNEに力を入れるという発表もしていますが。

佐々木氏 われわれは、もともとがB2Bに強い会社です。B2Cのビジネスとして、IIJmioをご契約いただいていますが、われわれのブランドだけで個人向けビジネスで十分な成長を期待できるのか。そういった狭い考え方をせず、B2Bの中でもパートナーさんとビジネスをしています。

 いい例がCATVとの取り組みですが、ここには、これまでも彼らのインターネットバックボーンやメールのような付加価値サービスのご提案をしてきました。そんなCATVもモバイルをやっていきたい。とはいっても、地方のCATVだと、東京でドコモさんと直接接続するというのはなかなかハードルが高い。そんな中で、われわれがB2Bとして(回線を)ご提供させていただくことになりました。こうしたニーズは、今後も掘り起こしをかけていきます。

 今現在ではIIJmioのユーザーも多く、もちろんそこも伸ばしていきますが、そこに固執するのではなく、パートナーが独自ブランドのMVNOを作ることにも貢献したいですね。

―― MVNEとしての顧客がIIJmioと競合する可能性もあると思います。

佐々木氏 パートナービジネスをさせていただく際には、パートナー独自の売りが出る形で、さまざまなご協力ができると思っています。例えば、パートナー企業によっては、柔軟で多様な料金プランを出されたいというニーズがあったとします。そのようなときに、IIJmioの料金プランに限らず、さまざまなご提案ができるようにしています。IIJmioと違う立て付けの訴求方法を取っていただけるご用意はしているということです。

 もちろん、バッティングするところが来ていただいても、それはそれで構いませんが、カスタマーの特色に合わせたものが作れるといいですね。

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