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» 2016年09月16日 14時25分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:JR東日本「すべてのiPhoneにFeliCa搭載」をアップルと継続交渉へ――KDDI・田中社長とJR東日本・小縣副会長がツーショットで登場

FeliCa搭載が話題となっている「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」だが、それは日本向けモデルに限られる。Appleの発表会直後、囲み取材に応じたJR東日本の小縣方樹副会長は、全てのiPhoneへのFeliCa搭載を引き続き働きかけることを表明した。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 9月7日(米国時間)、アップル発表会終了後、KDDI・田中孝司社長、JR東日本・小縣方樹副会長がなぜか一緒に出てきてメディアの囲みに応じた。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年9月10日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


「石川温のスマホ業界新聞」バックナンバー

田中社長 「(小縣副会長のほうを向いて)私の大師匠です」

小縣副会長 「とんでもない」

田中社長 「インタビューはどなたからですか」

―― iPhone向けモバイルSuica、かなり使いやすくなっており、作り込まれた感がある。相当、準備に時間を要したのか。

小縣副会長 「どのくらいの期間とかは一概には言えないが、ただ私どもJR東日本とアップルの間で密に深く連携して開発して来た」

(★ アップルはJR東日本のために指紋認証がいらない「エクスプレスカード」という設定を作ってきたことを考えると、相当、交渉して準備してきたのだと思う)

―― 簡単になってiPhoneに搭載されたことで、ユーザーの拡大を期待できそうか。

小縣副会長 「モバイルSuicaを始めてから、利用者を増やすために利便性を高めるように努めて来た。今日発表のあったiPhone7でSuicaが利用できる。アップルの表現で言えばアップルペイにSuicaが載る。おっしゃる通り、利便性が高まると思います」

(★ カードタイプのSuicaにiPhone7をかざすだけで、気軽に始められるため、ユーザー層は拡大しそう)

―― 今回は日本のみだが、将来的には海外からのお客さんも利用できるようにしたいのか。

小縣副会長 「いまインバウンド対策に力を入れていますからね。今日はこういったかたちでの発表ですけども、インバウンドで日本にお越しになった方が、Suicaを使っていただくとなると、いいのではないでしょうか。いまインバウンドのお客様もどんどん増えてますし」

―― そういう風になるように、アップルと今後、話し合いをしていくのか。

小縣副会長

「いろんな場を含めて、アップルとは引き続きお話をすることで、いろんな連携を保っていいサービスを提供したいと思います」

(★ 一部、ネット上で誤解されて伝わっているようだが、小縣副会長は今回、発表されたiPhone 7では使えないが、将来的には使えるようにしていきたいという意向を示している。今年は叶わなかったが来年以降は全モデルに搭載されるのではないか)

―― そもそも、なぜ、このツーショットなのか。

小縣副会長 「たまたま」

田中社長 「大師匠だから」

(★ たまたまのわけない)

―― KDDIとJR東日本でコラボレーションしたりしないのか。

田中社長 「いや特に」

小縣副会長 「KDDIにはモバイルSuicaでお世話になっていますし、UQコミュニケーションズは私どもの会社も出資をしている。共にお世話になっている。我々のお客様」

田中社長 「うちのお客さんでもある」

(★ 2007年のUQコミュニケーションズが発足したイベントで、当時、田中社長がUQコミュニケーションズ社長、さらに小野寺正KDDI社長、小縣方樹IT・Suica事業本部長が手を取り合う写真が見つかった。田中社長と小縣氏は長い付き合いでもあるようだ。個人的にはSuica au WALLETクレジットカードを出して欲しいなぁ、と)

―― 発表をご覧になっての感想は。

田中社長 「最初、びっくりしたのはマリオ。最近の話題だとポケモンが使えるというのは日本のお客さんは結構、びっくりするんじゃないかな。今日はオールジャパンデーで行くのかな、と思ったんだけど。途中でいろいろ変わって、こういう風になったかな」

(★ マリオはあの会場にいた全員がびっくりさせられた)

―― アップルは世界で苦戦しているが、日本では伸びているといえるのか。

田中社長

「日本は伸びているし、我々としても、いろんなことを一緒にやっている。この間はキャリアビリングを8月に発表したし、これからどんどんニュースが出てくるので、楽しみにしていて下さい」

(★ 今回の防水、FeliCa対応で、日本ではまだまだ伸びていく予感)

―― FeliCaのことについては。

田中社長 「本当にいい話でいまプレスリリースも出ているが、こんなにカードを持っているんですよ。フェイクカードなので写しても平気。これはTARO AU。僕のカードじゃない。宣伝させていただいて。どうせカットされるけど」

(★ フェイクカードを何枚も仕込んでいたとは驚き。テレビではカットされるのを想定しているということはニコ生用ですね)

―― iPhoneの販売が伸び悩んでいるが、iPhone 7で勢いを取り戻せるか。

田中社長 「うちはそうでもなくて、咋対比で増えているし、日本でいちばん売っているオペレータではないかな」

(★ どうやら、日本で一番、iPhoneを売っているのは、ソフトバンクでもなくNTTドコモでもなく、KDDIらしい)

―― iPhoneSEの効果が大きいのか。

田中社長 「iPhone SEの効果もあるし、去年、覚えてらっしゃるかわかりませんが、スーパーなんとかの扇子があったかと思いますが、去年、出だしも割と良かった。日本の人って意外とiPhone好きですよね」

(★ 意外でもなんでもなく、普通にみんな好きよね)

―― iPhoneが防水に対応して、おサイフケータイが使えるようになると、Androidが売れなくなったりしないか。

田中社長 「たぶん、日本てふたつあって、iPhoneの弱みって、ひとつは防水、二つ目はFeliCa、Suicaの話で、今日、二つカバーしたので、MNOのiPhoneがもう一段、上がるような気がします。

 Suica使いたいという人がいらっしゃって、ケースに入れて使っていた人も多い。それが端末に入るとスマートフォンのいろんな機能との連携が開発されていくので、そうなって行くんだと思いますね。Android陣営は正直、厳しくなる。それで選んでいた人もいるので」

(★ 「MNOのiPhoneがもう一段、上がるような気がします」という言葉が印象的。20GBのプランも含めて、iPhoneをストレスを感じることなく使えるのはMNOのiPhoneだと。高いけど)

―― 総務省の目があるなかで、これまでのように実質0円やキャッシュバックはやりにくい。今年、どのような形でiPhone販売のスタートダッシュを決めるつもりか。

田中社長 「0円の効果は確かにあるんだけど、それは総販に対する影響であって、iPhone好きの人が0円だから買っていたというのではなく、どちらかというとiPhoneが好きで買っていた人だと思うので、全体のボリュームは下がるんだけど、そんなに影響は出ないかもしれないね」

(★ 予約開始時のTwitterやFacebookを見ると、反応は結構良さそう。FeliCaとジェットブラック効果でスタートダッシュを決めた感じ)

―― おサイフケータイの機能を使っていない人も多いが、iPhoneに入ることで状況は変わるのか。

田中社長 「今回、Apple Watchも対応しますから、これまではカバンから出してやらないといけないのが、腕でできちゃう」

小縣副会長 「みなさんご存知の通り、都市部は鉄道網が非常に発達している。iPhoneが好きだが、モバイルに定期券を入れておきたいというニーズがあったとしても、要望は満たせなかった。iPhoneにSuicaやSFを入れて電車に乗って、ショッピングをしたいニーズは潜在的にあったはず。やはり、共通利用ということで北は北海道から南は九州まで街中でも駅ナカでも使えるわけなので、社会インフラとして整っている。そこにiPhoneがデバイスとして登場するのは大きいと思う」

田中社長 「もうひとつ大きいのは、今まではスマホなりカードなりを出して乗っていたのが、これからWatchで乗るという、新たなやり方が出てくるのではないか」

(★ Apple Watchで電車に乗れるのは便利だけど、改札のリーダーライターは右側、時計は左にするものだからなぁ。そこはちょっとどうかな)

―― iPhoneとWatchの2台で使うには、2枚のSuicaカードが必要になるようだが、1契約で2つのデバイスで利用できるようになったりはしないのか。

小縣副会長 「多くの人がiPhoneとApple Watchを連動させて使っているので、通常は1枚でiPhoneかApple Watchのどちらかを使うということになるというのを想定している」

(★ セキュリティや反応速度の関係で1デバイス1契約になっているようだけど、iPhoneとApple Watchを使っているユーザーなら、どちらでも状況に応じて使い分けたいと思うのではないか)

田中社長 「Apple Watchに結構、感動しちゃって、防水だし、テッキーな人はびっくりしているんじゃないかな。GPSも入ったんで、Watchはいろんなことに使えるようになるのではないか。Suicaもそうだけど。ウェアラブルってちょっとねぇ、という風潮だったが、もう一段、新たな世界を拓けるのではないか」

(★ ポケモンGOもできるし、Apple Watchの人気がちょっと上がるかも)

―― 現状、KDDIはApple Watchを取り扱っていないが。

田中社長 「Stay Tunesってやつですか。あぶない?(と関係者に確認)」

(★ その後、Apple Watchの取り扱い、発表されましたね)

■取材を終えて

 一昨年はポケットから万国旗、去年は「スーパー」と書かれた扇子(のちに発表されるスーパーカケホを暗示するアピール)を出すというパフォーマンスを見せた田中社長。今年は何をするかと思ったら、JR東日本の小縣副会長を連れてくるという荒技に打って出た。

 メディアの関心としては、やはりiPhone7のFeliCa対応だっただけに、JR東日本に話を聞きたいと思いつつ、田中社長とのツーショットなので、ついつい映り込む感じになってしまう。田中社長は、それを狙って、あえて小縣副会長と一緒に出てきたようだ。その狙いは成功し、KDDIとしてはざまざまなアピールもできたし、JR東日本と仲の良いところもアピールできて一挙両得だったのではないだろうか。

© DWANGO Co., Ltd.

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