ファーウェイが2万円前後の春商戦モデル「nova lite」を投入――大量シリーズ展開で、国内シェア拡大に期待石川温のスマホ業界新聞

» 2017年03月03日 17時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 2月21日、ファーウェイは、新製品「HUAWEI nova」「HUAWEI nova lite」を発売すると発表した。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年2月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 HUAWEI novaは3万7980円、HUAWEI nova liteは「MVNOによって価格は異なる」という発表であったが、会場にいたファーウェイ関係者は「2万円前後になりそう。2万円を切る価格を設定するところは、相当、攻めた値付けと言える」と話していた。実際、ふたを開けてみれば、2万円以下の1万9800円という値付けを設定しているMVNOが多かった。端末代で儲けるよりも、とにかくユーザーを獲得したいのだろう。SIMフリースマホは、取り扱うMVNOが多いため、こうした価格競争が起こるのは歓迎すべきことだろう。

 今回の「HUAWEI nova」「HUAWEI nova lite」は安価でありながら、質感もそこそこいいため、結構、売れるのではないかという気がしている。

 特にHUAWEI nova liteは2万円前後ということからも、春商戦で、新たにスマホデビューする学生層にマッチしそうだ。ファーウェイとしても、昨年の秋にグローバルで発表されたnovaシリーズをここまで引っ張ったというのも、そうした春商戦ニーズにぶつけたかったのかもしれない(実際はCESの段階で、日本でnovaを導入すべきか迷っていたようだが)。

 ただ、ちょっと思うのが、正直いって、「ファーウェイ、シリーズが多すぎるのではないか」という点だ。

 フラグシップのPシリーズを筆頭に、Mateシリーズ、Gシリーズ、楽天モバイルのみが扱うhonorシリーズ、それに今回のnovaという5シリーズが存在する。

 ファーウェイ・ジャパンの呉波氏は「2017年は新しいシリーズを追加する予定はない。この5つのシリーズに注力する」と語る。

 グローバルでのhonorは、中国のシャオミー対抗ブランドとして投入され、とにかくネットを中心に安く売るというのが発端だ。そのため、広告を見ても、ファーウェイの名前は一切、記載されず、全くの別ブランドで展開されている。つまり、グローバルでは4つのシリーズと、サブブランドのhonorという区別がされている。

 しかし、日本ではhonorもファーウェイの一ブランドだ。ようやく、一般に認知され始めたファーウェイだが、それにしてはシリーズ名が多すぎる。Mateは「ビジネスフラグシップ」、Pは「ファッション&フォトグラフィフラグシップ」という位置づけにしているようだが、あまり一般には伝わっていないように思える。

 SIMフリースマホ市場は、ASUS、ファーウェイ、フリーテルが3強であり、各社とも大量にシリーズを展開して、シェアを拡大しようと躍起だ。

 ただ、ラインアップが多すぎても、ユーザーは選べないというジレンマがある。業界関係者ですら、ラインナップの違い、ターゲットが判別しにくくなっている。

 個人的にはもうちょっとラインナップを絞り込む一方、ひとつのモデルに対して、大量にプロモーションを行い、ブランドとして認知度を上げていったほうがいいように思う。

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