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» 2017年09月29日 10時00分 公開

石川温のスマホ業界新聞:13ヶ月後の機種変更で4万ポイントを付与するNTTドコモ――吉澤社長「実質の価格は最も安いiPhone 8になる」

9月22日、大手キャリア各社は旗艦店で「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」の発売記念イベントを開催した。各社の社長が囲み取材に応じる中、NTTドコモの吉澤和弘社長は何を語ったのだろうか。

[ITmedia]
「石川温のスマホ業界新聞」

 NTTドコモは9月22日、ドコモショップ丸の内店にて、新型iPhone発売セレモニーを開催した。終了後、吉澤和弘社長が囲みに応じた(別取材で行けなかったため、録音ファイルを入手して、書き起こし)。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年9月23日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


「石川温のスマホ業界新聞」バックナンバー

―― 予約状況はどうなっているのか。

吉澤社長 「実数は申し上げられませんけども、一番予約が多いのはiPhone 8の64GBかな。iPhone 8 Plusはそれよりは少ないんですけども、どちらかというと256GBのほうが多い」

(★ 安いモデルはできるだけ安く、高いモデルを買うなら思い切って大きな容量という感じかな)

―― iPhone7は過去最高の予約だったが、iPhone 8の出だしはどうか。

吉澤社長 「iPhone 7よりかはちょっと少ないかなという感じ」

(★ まぁ、みんなiPhone Xを待ってから判断するよね)

―― それは、iPhoneXの影響なのか。

吉澤社長 「そこをお客さんがどのように見ているかというのはちょっとわらかない。そのあたりに期待されているお客様も多いのかなという気もしますけど」

(★ iPhone Xを触って、納得してからiPhone8という人も多そう)

―― iPhone8、iPhone 8 Plusは格安スマホの対抗になるか。

吉澤社長 「格安スマホに対抗してぶつけるというよりも、機種変更に対して、応援プログラムなど充実させた。あとフィーチャーフォンからの移行の手段としても考えていただけるのではないか。いままでバリエーションとして、docomo withを提供してきたことで、対応端末を購入してフィーチャーフォンから移行する人も多いが、iPhoneもそのひとつにしていきたいと考えている」

(★ iPhone SEをdocomo with対応機種にしてきたら、相当、爆発的に売れそうな予感。フィーチャーフォンからの移行にも最適だし)

―― 8とX、どちらが本命になるのか。

吉澤社長 「そういう意味でいうと、今回、iPhone Xは同時発売ではなく、時間差があるので、どうとらえるべきか。iPhone Xそのものにご期待いただいている方も多い。iPhone 8もiPhone7から処理能力やカメラ性能がアップしている。そこをお求めになるお客さんも当然、おいでになる。どちらかというのは今の段階では見えないと思う」

(★ 台数を稼ぐという意味ではiPhone 8が本命だろうな。iPhone Xは客寄せパンダかな)

―― iPhone Xがあることで、秋商戦はどう変わるのか。

吉澤社長 「11月はじめからということだが、私どもとしてはAndroidのほうも11月、12月ごろから秋冬モデルが出てきますので、そのなかでの位置づけをどう考えていくか。そのあたりをはっきりと申し上げられないが、iPhoneの位置づけを考えていきたい」

(★ 10月に発表されるAndroidメーカーにとっては、iPhone Xは結構、邪魔な存在になりそう。8月末に、あるメーカーの人に話を聞いたら「9月のiPhone発売で店頭が荒れる。それが落ち着いてくる10月に発表、発売するのがちょうどいい」といっていたのを思い出した。iPhone Xが11月発売となると、それまで店頭が荒れることになるので、Androidが見向きもされなくなってしまいそう)

―― 例年とは違うやり方になるのか。

吉澤社長 「今の時点で特別な販売の仕方をするというのはない。そのあたりのバランスをしっかりと考えていきたい」

(★ Androidスマホの売り方も考えないといけないかも)

―― Apple Watchの取り扱いを今回から始めるが、セルラー対応したのが大きかったのか。

吉澤社長 「Apple Watchがネットワークにつながる、エリアの広さ、しっかりとしたネットワークというのは我々には自信がある。そういった意味では、Apple Watchが直接、ネットワークにつながるメリットを引き出すために、今回、採用したと言うこと」

(★ 世代がひとつ増える毎に、扱うキャリアも増えていったってことね)

―― 機種変更時のポイント付与が直前になって出てきた。どういった経緯があったのか。

吉澤社長 「他社からも今回のiPhone8、iPhone Xに対する最大半額でしたっけ、といったものが出てきている。そういったところを見させていただいて、対抗すると言うことで、昨日発表させていただいた」

(★ やっぱり、他社より先にしかけないとなぁ。こういうところはドコモは後手後手にまわりますな)

―― 予約開始前の発表ではなかったが。

吉澤社長 「仰るとおり。他社さんも予約後に発表されたのもありましたけど、我々の機種変更の応援プログラムそのものは、実際の数字などはシミュレーションしているが、13ヶ月から25ヶ月、26ヶ月見たときに、ドコモとしてはかなり有利な応援プログラムになっているのかなと考えている」

(★ 1年で機種変更できるというプログラムは、やはりアップルのプレッシャーがありそう。さすがに機種変更が4年毎にされても困るし)

―― ワンナンバーが他社より150円ほど高いが、対抗しないのか。

吉澤社長 「いまのところ、まだ180日の無料キャンペーンもありますし、いま値下げをすることは考えていない」

(★ 半年後には月額350円になっていそうな予感)

―― ドコモとして、通信料金の値下げをiPhoneでも踏み込んでやると言うことはあり得るのか。

吉澤社長 「他社から大きなギガ数などが出てきているが、我々自身もシェアで100GBといった大容量プランがもともとある。お客さんの声をいただいた上で、我々はいつもたくさん使う方、あまり使わない方、そういったことも含めて、料金の見直しをかけていますので、継続して検討している。従って、iPhoneに何か出すというのはいまのところ決めていない」

(★ まぁ、家族と契約すれば1780円でiPhoneが使える設定もあるし、これでいいのでは)

―― 他社に客を取られるという怖さはあるか。

吉澤社長 「それはないですね。シンプルプランとか、シェアなどの組み合わせのなかで、有利な領域というのは充分にある。そういったところで戦っていける。もちろん、状況を見ながら、お客さんの声も聞きながら、料金について、継続して常に考えて、対応してきたい」

(★ シェアパックももうちょっと安くなってくれるといいんだけど)

―― アップルが携帯電話を再定義すると言ってiPhoneが出て10年が経つ。吉澤さんはどのように再定義されたと思うのか。この10年でスマホシフトになったが、社会がどのように変わったと思うか。

吉澤社長 「ティム・クックが今回の発表会で、これからの10年の再定義をしたが、iPhone8もiPhoneXも意識して言われているところもある。表示の仕方、有機ELも含めて。顔認証機能、Face IDなどもある。そういったものがさらに使い方として、まだまだバージョンアップできる、次のステップになり、それがトリガーとしてさらに進化するといったんだと思う。

 ただ、この10年のなかでもスマホは進化している。我々のiPhoneは5年目だが。iPhone 8までの道のりはそれなりにステップアップしてますし、128GB、256GBが普通になってきている。綺麗な液晶、機能だとか、特にコンテンツとしての映像、そういったものにしっかりと対応できるようになった。

 端末だけの話ではなくて、ネットワークが一緒に進化してきた。その両方が相伴って進化してきた。今後の10年間で行ったら、ネットワークも含めてデバイスも進化していくのではないか」

(★ iPhoneの10年、タッチパネルの操作性は、携帯電話を再定義したけど、載せてきた機能はガラケーの後追いであり、ガラケーの存在価値が改めて見直されたように思えるけど)

―― 人の生活はどうなると考えているか。

吉澤社長 「そういう意味で言うと、ハブとしてのデバイス、スマホみたいなものは中心となる。ただ、もっとスマホとの間で人そのもののコネクションが強くなって、我々であれば、AIエージェントとか、そういった機能は今後もどんどん入れ込んでいきたいと思っている。

 表示部分もそうだが、それ以外の部分、人のお役立ちや先回りなど、生活に密着して、人の行動そのものをもっとブラッシュアップしていくというようなことができるようになっていく。我々としてはそれをぜひやっていきたい」

(★ アップルが自社設計したGPUを載せる動きといい、人工知能を持ったスマホがこれから10年の競争軸になりそうよね。とても楽しみ)

―― 確認だが、他社の半額サポートよりも、ドコモのポイント付与のほうが有利だと考えているのか。

吉澤社長 「我々の計算ではそのようになる。そのように設計している。我々は最大、4万ポイントとか、月々サポートの額だとか、そういったものを入れて計算すると、実質の価格は、一番、安い方になるのかな」

(★ これは下取り価格を4万円に設定するのと一緒のような。4万ポイントというのは市場価格よりも高くなったりはしないのかな)

―― 半額の方はやらないという理解でいいか。

吉澤社長 「いまのところ、やるつもりはないです。現時点ではないです」

(★ 半額というのも下取りを超えてしまうことになるのかな。他社は総務省と相談しながら投入したようだけど)

―― 3社、わかりにくい感じがますます高まっているように思うが。

吉澤社長 「我々は仕組みとしては変えていなくて、ポイントのマックスを少し、あげさせてもらっただけ」

(★ 他社に合わせたら「横並び」と批判され、個性を出したら「わかりにくい」と批判される。どうしたらいいのよ)

―― 下取りと家族割りを入れると実質ゼロ円になるというのは事実か。

吉澤社長 「iPhone8の場合、そのようになります」

―― ドコモがそうなると、他社は実質ゼロ円を下回るのではないか。

吉澤社長 「下取りして回収するとなると、下回ることもあるのかもしれない」

(★ キャッシュバックや実質ゼロ円が「残債無料」とか「ポイント」に化けた感じね)

―― 総務省のガイドラインは。

吉澤社長 「大丈夫です」

(★ 相談して決めたんだろうけど、ある日、突然、ちゃぶ台をひっくり返すのが総務省)

―― 改めて、ドコモでiPhoneを買うことのメリットはどこにあるのか。

吉澤社長 「サービス面でいえば、ドコモのiPhoneでdTVとかDAZNをしっかりと綺麗に見ていただける。ネットワークも含めて、サクサクとみられるメリットがある。

 速度に関しては500Mbpsだが、iPhoneとはネットワークの速度などは親密に連携をしていまして、4周波数のキャリアアグリゲーションについても、いま検討を進めているところです。もっと速度が速くなるのを検討している。

 料金面はいまあるなかで、家族とか構成の中で、iPhoneをお使いになるときには、電話をしないのであればシンプルプランであれば、お安い料金で入れますよということですね。

 当然、大量にお使いになるときはシェアパックプランになると思う。一個ずつ見ると優劣があるかもしれないが、そういう考え方で。選択肢が充実している」

(★ 例年、iPhone発売前にメディアに対して「ネットワーク説明会」があるのだけど、今年は何もなかった。まぁ、明らかに見劣りしますからね。4CC CA導入時にやるんだろうな)

―― 4CCAは現行のiPhoneで対応していきたいということなのか。

吉澤社長 「そういうことですね。今のシリーズの次ではなく、今回のモデルで対応していきたい。(ネットワーク、デバイス、どちらで対応するかは)議論している。両方、チューニングは必要だが、技術的にはできると思っている」

(★ ドコモとしては意地でもやってくるだろうな)

―― iPhoneXは調達台数が少なくなる懸念があるが。

吉澤社長 「私どもでも、どういう状況になるかわからない」

(★ 相当、厳しいことになりそう)

―― iPhoneXの発売イベントは開催されるのか。

吉澤社長 「未定ですね。11月ですし、Androidの発表会もありますし」

(★ 3社のチキンレースが始まる)

■録音ファイルを聞いて

 ドコモとしては、発売時に4CC CAに対応できなかったのは痛いだろうな。すでにネットワークの最高速を争うのは、ユーザーにはピンとこなくなってはいるが、やはりドコモとしては最先端のネットワークをアピールしたいだろう。

 あとは、13ヶ月後の機種変更で4万ポイント付与というのが、ユーザーにどれだけ響くのか。13ヶ月を超えるとどんどんもらえるポイントが減ってくるとなると、やはりすぐに機種変更するものなのか。NTTドコモも1年後に機種変更しやすい施策を導入してきたということは、どこかからのプレッシャーとかあるのかもしれない。

© DWANGO Co., Ltd.

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