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» 2017年10月20日 10時00分 公開

石川温のスマホ業界新聞:シャープの「EDGEST」が満を持して2年ぶりに復活――IGZOフリーフォームディスプレイはAQUOSを飛躍させるか

シャープの3辺狭額縁「EDGEST(エッジスト)」デザインを採用するスマホが久しぶりに登場する。フリーフォーム液晶を採用することでインカメラの位置問題を解決した意欲作だ。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 10月13日、シャープは「AQUOS R compact」を発表した。

 なんと言っても、2年ぶりに3辺狭額縁の「EDGEST」が「EDGEST fit」として復活。シャープとしては本当に久々に先進的な筐体に仕上げてきた。ここ数年、退屈なデザインだっただけに、かなり驚かされた。

 AQUOS R compactは、「IGZO フリーフォームディスプレイ」を採用。ディスプレイの上部が丸くくりぬかれ、カメラが配置されている。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年10月14日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


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 過去のEDGESTでは、カメラを本体下部に配置したため、自撮りした際に下を向いてしまい「鼻の穴が写る。下ぶくれに写ってしまい、女性に不評だった」(開発担当である小林繁氏)という。今回、液晶の上部をくりぬき、カメラを配置できたことで、自撮りの際も自然な目線で撮影できるようになった。

 似たようなデザインとしては、Androidの父と言われるアンディ・ルービン氏が作った「Essential Phone」が先に存在する。Essential Phoneも、有機ELディスプレイではなく液晶で実現している。

 形を自由にできる「フリーフォームディスプレイ」を採用して、カメラ部分をくりぬいたスマホとしてはEssential Phoneが世界初であり、「IGZO」の技術を取り入れた「IGZO フリーフォームディスプレイ」を採用してカメラ部分をくりぬいたスマホとしては、AQUOS R compactが世界初という位置づけになるようだ。

 小林氏は「ディスプレイデバイスに合わせて、スマホをデザインするのではなく、まずスマホのデザインを先に決めてディスプレイデバイスを開発できる。ディスプレイメーカーならではの強み」と語る。

 ここ最近、スタートアップ企業であっても、スマホメーカーとして参入できる中、やはり、世界で生き残って行くには「デバイス」を他部署あるいは関連会社に持っていないとますます厳しくなるだろう。今年、有機ELディスプレイのスマホが一気にメジャーとなってきたが、シャープは液晶で一矢報いた感がある。

 ただ、AQUOS R compactは3辺狭額縁であるものの、画面下部にはスペースがあり、指紋センサーが配置されている。

 「指紋センサーは画面下にあったほうが押しやすい」(長谷川祥典IoT通信事業本部長)として、あえてセンサーを配置しているようだが、実際には「IGZO液晶で120Hz駆動を実現するとなると、ディスプレイの下部にメモリを配置しないといけない。そのスペースがどうしても必要になる」(関係者)という理由が存在するようだ。

 つまり、部材的にどうしても4辺狭額縁にするのは難しく、部材の配置の関係上、3辺狭額縁が精一杯になってしまうようなのだ。

 とはいえ、今回のAQUOS R compactは、日本メーカーとして、目新しいデザインとして、秋冬商戦で注目を浴びることは間違いなさそうだ。

 あとは「どのキャリアが採用するのか」という点が気になるところだ。過去のEDGESTはソフトバンク独占だっただけに、1社独占が維持されるのか、それとも他キャリアにも広がるのか興味深いところだ。

© DWANGO Co., Ltd.

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