格安SIMの成長が鈍化? 原因は大手キャリアとサブブランドにあり MM総研調査

» 2018年06月20日 18時20分 公開

 MM総研は、6月20日に国内MVNO市場の2018年3月末実績を発表した。

 独自サービス型SIMの回線契約数は1082.8万回線となり、2017年3月末時点の810.0万回線から前年比33.7%増を記録。初の1000万超えとなった。

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 2018年3月末時点の携帯電話(3G/LTE)契約数は1億6870.5万回線で、独自サービス型SIMの回線契約数は構成比で6.4%。2017年3月末の5.0%から1.4ポイント増、2016年3月末から2017年3月末では1.6ポイント増となっており、MM総研は「成長は鈍化したといえる」とコメントしている。

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 MM総研ではその要因を大手キャリアとサブブランドの攻勢であると分析。NTTドコモでは指定端末の購入で月額料金を毎月1500円値引きする料金プラン「docomo with」、KDDIでは使用したデータ量に応じた従量課金タイプ「auピタットプラン」が好調で、ソフトバンクのサブブランド「Y!mobile」はMVNOに好意的なユーザー層を獲得している。これにより、個人向けスマホ用途の勢いにはブレーキがかかったものの、2019年度以降にIoT用途の需要が本格期を迎えることによるシェアの拡大を見込んでいる。

 2018年3月末時点の事業者シェア1位は「楽天モバイル」などを提供する楽天、2位は「IIJmio」「BIC SIM」などを提供するインターネットイニシアティブ(IIJ)、3位は「OCN モバイル ONE」を提供するNTTコミュニケーションズ、4位は「UQ mobile」を提供するUQコミュニケーションズ、5位は「mineo」を提供するケイ・オプティコム、6位は「BIGLOBE SIM」などを提供するビッグローブとなった。

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 楽天は2017年11月にプラスワン・マーケティングが提供する「FREETEL SIM」などの通信サービスの事業継承を受け、回線数が増加。2019年10月からは携帯キャリアとしてサービス開始を予定し、専売店の楽天モバイルショップなど店舗数を増やしたことも回線数増加の要因となっている。一方、IIJやNTTコミュニケーションズはMVNEとして数十万規模の回線を提供し、自社ブランドのシェアは楽天に後れを取ったものの、MVNE事業を含めたトータルシェアで見た場合の優位性は高い。

 MM総研は2017年9月に、2018年3月末時点の独自サービス型SIMの総契約回線数を1075万回線と予測したが、実績値は1082.8万回線となり予測を上回った。2023年3月末時点には2430万回線に達すると予測。個人向け用途は鈍化するが、2019年度以降はIoT向けの需要拡大に伴い、2023年3月末時点のIoT向け回線比率は30%弱に達すると見込んでいる。

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