グラフィックスカードは、2007年後半からにわかにシェア争いが白熱した。
NVIDIAが優位な情勢の中、AMDは新世代の「RADEON HD 2000」シリーズを発表。5月に最上位の「RADEON HD 2900 XT」搭載カードが登場した。ハイエンドクラスで大ブレイクとはいかなかったが、6月から7月にかけて出回り始めたミドルレンジ以下の「RADEON HD 2600/2400」シリーズが、PCでAVコンテンツを親しむ層に受けてロングヒットモデルに。
RADEON HD 2400/2600はGPUのみでHDコンテンツを処理できるUVD機能を搭載しており、「ゲームならNVIDIAがお勧めですが、AV用途に使うならRADEONですね」(クレバリー1号店)といった評価を定着させた。
その流れは、11月に投入されたPCI Express 2.0対応の「RADEON HD 3800」シリーズにも受け継がれている。一方で、ハイエンドクラスの不在を嘆く声も複数のショップで聞かれた。「RADEONユーザーは忍耐強いですから、いまでもハイエンドを待っている人がいると思います。GeForce 8800 GTXに対抗できるGPUが早く登場するといいんですが…」(某店員さん)という。
NVIDIAは、10月に発表したG92世代の新GPU「GeForce 8800 GT」が大ヒットを記録。1カ月以上も「仕入れれば、即売り切れるような状態」(高速電脳)が続いた。リファレンスデザインは1スロット占有の薄型クーラーを搭載しており、排熱に不安を覚えるユーザーが多かったが、11月には各メーカー独自の大型クーラーが搭載されるようになり、再び人気を集めた。
また、12月中旬にはG92世代の新しい「GeForce 8800 GTS」搭載カードが登場。PCI Express 2.0に対応したほか、製造プロセスも62ナノメートルに縮小されている。8800 GTの上位モデルにあたり、搭載カードの価格は5万円前後。「ハイエンドモデルとしては安いですが、GeForce 8800 GTXに匹敵する性能を持っています」(T-ZONE.PC DIY SHOP)とのことで、ゲーマーを中心にこちらもヒットを飛ばしている。
Core 2 QuadやGeForce 8800 GTS、RADEON HD 3870など、2007年は年末まで人気が継続する主要パーツが多かった。
あるショップは「年末は特価キャンペーンで盛り上がるのが恒例でしたが、今年はそんな必要もないほど魅力的なアイテムがそろっています。この流れが来年に続けば最高ですね」と語り、一年を締めくくった。
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