既報の通り、富士通が2013年PC夏モデルを発表した。同日報道関係者向けに新製品のデモ展示が行われたので、その様子をリポートしよう。
FMV夏モデルの目玉は、3200×1800ドットという超高解像度IGZO液晶ディスプレイを搭載した14型Ultrabookの「UH90/L」と、タッチ入力に対応した23型ワイド液晶一体型PC「ESPRIMO FH78/LD」の2シリーズ。会場はほぼこの2機種に絞った展示となっていた。
まずはLIFEBOOK UH90/Lから。UH90/Lの特徴はIGZOの超高精細な表示だ。1366×768ドット表示だった従来モデルと並べると、3200×1800ドット表示と差は歴然で、262ppiの画素密度はドットをまったく感じさせない。デスクトップ表示にするとアイコンが冗談みたいに小さくなるが、高解像度写真の閲覧や編集にはよさそうだ。
また、厚さ約15.5ミリの薄型ボディを実現しながら、全面加圧試験で約200キロfをクリアする堅牢製を備えているのも特徴。同社が「超圧縮ソリッドコア構造」と呼ぶ、キーボード面と底面を箱のように組み合わせた構造を採用することで、ねじれに対しても耐性を持つという。
もう1つの目玉製品である23型ワイド液晶一体型PC「ESPRIMO FH78/LD」は、3波対応チューナーなど、シリーズの特徴を継承しつつ、新たにタッチ入力に対応し、パイオニアと共同開発のスピーカーを備えたのがトピックだ。
従来モデルは液晶下部にスピーカーを内蔵していたが、ESPRIMO FH78/LDは10ワット+10ワットに加え、さらに10ワットのサブウーファを内蔵したため、振動の影響を考慮してスタンド一体型のサテライトスピーカーに変更したという(従来は8ワット+8ワット)。
ただ、会場で聞き比べてみた限り、新スピーカーでは音のこもった感じがなくなったような気がする程度で、「中音域からの伸びが……」「バランスが……」という説明員の言葉にはあいまいに頷くしかなかった。
このほか個人的に非常に気になっていたのが「視線アシスト」だ。これは本体下部に内蔵された専用カメラと連携してマウスやキーボードの代わりに視線でPCを操作する機能。例えば、画面の右端を見るとWindows 8のチャームを呼び出したりできる。実は視線アシスト機能自体は従来モデルから実装されているが、今回ついにIEでも利用可能になった。
というわけで、実際に試したところ、確かにWebブラウザの画面が視線にあわせてスクロールした。ちなみに画面の下まで来て続きも見たいときは、さらに液晶ディスプレイの下を見る、もしくは戻りたいときは画面の上端を見る感じにすると、うまく上下にスクロールできる。スクロール速度は3段階で調節が可能。あらかじめユーザーの目の位置などを登録するキャリブレーションが必要だが、「なぜか両手がふさがった状態でもWebコンテンツを閲覧したい」といったときに便利そうだ。
このほか、MyCloudの強化点をアピールするデモも行われていた。注目は録画したテレビ番組を外出先からAndroid端末で閲覧するデモ。MyCloudビデオサーバとクライアント端末が1対1という制限はあるものの、外出先から手軽に録画番組をチェックできるのは便利。画質の設定は3段階で、500K/1M/2Mbps。デモではLTE回線を使用していたが、画質を落とせば3Gでも視聴できるという(リクエストした端末の設定にあわせてリアルタイムトランスコードで配信する)。端末側のアプリは、(現状では)検索機能がなく、階層構造で番組名を指定するインタフェースだった。なお、現在iOS向けアプリも開発中とのことだ。
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