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» 2010年07月13日 08時00分 UPDATE

Uplinq 2010 Conference:Snapdragonはデュアルコアに、コンテンツ市場拡大にも尽力――Qualcommが見据える“次世代” (1/2)

「なぜ今年は“Uplinq 2010 Conference”という名称にしたのか」――そんな問いかけから始まった、Qualcomm CEO ポール・ジェイコブス氏の基調講演。そこには同社の今後の戦略が見え隠れしている。

[田中聡,ITmedia]

 米Qualcommが6月30日(現地時間)に開催したプレス向けイベント「Uplinq 2010 Conference」で、同社CEOのポール・ジェイコブス氏が基調講演を行い、Qualcommのビジョンを説明した。

 Qualcommがこれまで開催してきた開発者向けのイベントは、同社が展開するアプリケーションプラットフォームの名前から「BREW Conference」という名称だったが、今回はUplinq 2010 Conferenceに変更された。ジェイコブス氏はその理由について「BREW Conferenceは1つのプラットフォームに焦点を当てていたが、今回は多くのプラットフォームをテーマにしているためだ」と説明する。「開発者が異なるOSのアプリを制作できるように、Qualcommのチップセットも多くのOSに対応させている。その結果、どのOSを選んでも、アプリケーションは我々のチップセット、特にSnapdragonにおいて快適に動作するようになるだろう」と自信を見せる。

photophoto Qualcomm CEOのポール・ジェイコブス氏

動画や画像をケータイで簡単に閲覧できる「Magic Link」

 すでにケータイ1つで世界中のあらゆる人たちとの交流が可能になった。その象徴的なサービスがSNSだ。Facebookはケータイからの利用が2009年に600%向上し、Twitterは今春から1日あたり30万の新規ユーザーが加入している。さらに、Twitterのモバイル事業担当のケビン・サー氏によると、約50%のユーザーがケータイからTwitterを利用しているという。

 一方で、Twitterに投稿されたYouTubeのリンクなど、ケータイサイトから動画や画像のURLを開いても、アクセスできないことが多い。そこでジェイコブス氏が勧めるのが、Qualcommが買収したTapioca Mobileの技術を用いた「Magic Link」というサービス。Magic Linkを利用することでWebサイトのURLを短縮できるほか、SMSやMMSを通じて動画や画像などのコンテンツをケータイで閲覧することが可能になる。サー氏は「どんなケータイでもコンテンツが閲覧できれば、コンテンツプロバイダーにとっても大きなメリットになる」と感心していた。

photophoto Twitterのモバイル事業担当のケビン・サー氏(写真=左)。マルチメディアコンテンツをSMS/MMS経由で閲覧できる「Magic Link」(写真=右)

MediaFLOの放送波をデータ通信に生かす

 ケータイの契約数は約50億に達し、そのうちの10億を3Gケータイが占める。3Gの契約数は2014年までに28億に増加する見込みだ。ジェイコブス氏はさらに、「Uplinq 2010 Conferenceの期間中にどれだけの3G契約数が増えると思うか」と来場者に質問を投げかけ、「約150万人だ」と答えた。「データサービスの需要とケータイ向けアプリが、ここにきて急増している。多くのユーザーにとって、電話よりもデータ通信の方が重要になりつつある」

 データ通信のトラフィックが増大すると、通信事業者のネットワークがひっ迫する恐れがある。その解決策の1つとして無線LANの利用が想定されるが、ジェイコブス氏はもう1つの方法として「放送波の利用」を提案する。「例えば、ケータイのネットワークで電子書籍をダウンロードすることは、料金面では紙の雑誌や本を購入することと変わらないと思う人もいるだろう。しかし、我々の(MediaFLOコンテンツの受信機である)FLO TVのように放送波を使えば、より低コストでコンテンツをダウンロードできるだろう」と同氏は説明する。

デュアルコアCPUを搭載したSnapdragonも開発

photo さまざまなデバイスにSnapdragonが採用されている

 Qualcommといえば、同社が開発しているチップセット「Snapdragon」を連想する人も多いだろう。「このプラットフォームの市場は非常に勢いがある」とジェイコブス氏が話すとおり、現在140以上の製品にSnapdragonが搭載されている。現在採用されているSnapdragonのクロック周波数は1GHzだが、今後は1.2GHzのデュアルコアCPUを搭載したモデルも出荷する予定だ。

 ジェイコブス氏は、Qualcommが開発中のディスプレイ技術「mirasol」についても言及し、消費電力の低さをアピールした。「Kindleを始めとする電子書籍端末も長時間駆動するが、mirasolは“反射型”の技術を採用しており、省電力に貢献するのはもちろん、カラー化ができるのが大きな特長。動画も再生できるし、外出先でも見やすい」(関連記事を参照)

 「ケータイに関するもう1つの大きな要素はグラフィックだ」とジェイコブス氏が話したのが、「Adreno」と呼ばれるGPU(Graphics Processing Unit)だ。AdrenoはSnapdragonと統合されており、ゲームやユーザーインタフェースを開発する上で、2Dと3Dの最も優れたグラフィック技術だと説明。Adreno GPUを用いたゲームのデモを披露した同氏は、「画像の解像度が非常に高く、グラフィックは鮮明。動きもとてもスムーズだ」とアピールした。

 さらに、ジェイコブス氏はSnapdragon向けの新しいプラットフォームを開発していることも説明。この「Snapdragon Mobile Development Platform」はMSM8655がベースとなっており、Snapdragonの高性能を生かす開発ツールが含まれる。「このプラットフォームを使うことで、Snapdragonをベースとした最先端の技術を活用できる」

photo QualcommのSnapdragonは、さまざまなOSをサポートする

 携帯端末を選ぶ際に、「OS」が1つの基準になるので、オペレーターはさまざまなOSを採用した端末を投入している。ジェイコブス氏は、Qualcommの製品も多彩なOSをサポートしていることを強調する。ここ最近急増しているAndroid端末については、現在37機種がQualcommのチップセットを採用している。2010年末の投入を予定しているWindows Phone 7の対応機種も「Snapdragonがベースになるだろう」とした。このほか、同社はPalm webOSやBlackBerry OSもサポートしていく。

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