Windows Phone 7、次期アップデートで日本語サポート 日本でも2011年後半には登場かMIX11

» 2011年04月14日 11時50分 公開
[柚木十三,ITmedia]
Photo 米MicrosoftでWindows Phoneチームを率いるコーポレートバイスプレジデントのジョー・ベルフィオーレ氏

 現在米ラスベガスで開催されているMicrosoftのWeb開発者カンファレンス「MIX11」では、PCならびにスマートフォン向けの新技術の数々が披露されている。初日にあたる4月12日(現地時間)の基調講演では、最新の「Internet Explorer 10」のPlatform Previewが公開された。ここでの話題はWebブラウザとHTML5、そしてクラウド周辺の技術が中心だった。2日目の基調講演ではモバイル開発プラットフォームとSilverlightの話題が中心となり、「Windows Phone 7」の最新アップデートのほか「Silverlight 5」が紹介された。

Windows Phone 7、ついに日本語をサポート

 MicrosoftのスマートフォンプラットフォームであるWindows Mobileは、昨年2010年にリリースされた「Windows Phone 7」(WP7)から、名称を「Windows Phone」へと変更し、ユーザーインタフェース(UI)もがらりと雰囲気を変えた。WP7はシステム全体が刷新されており、これまでWindows Mobileで培ったアプリケーション資産こそ継承しないものの、よりモダンなOSにリフレッシュされてiOSやAndroidなど先行するライバルに対抗できるだけのものに仕上がったといえる。

 とはいえ、販売が始まっているのは欧州や米国などごく限られた地域であり、日本などアジアの多くの国ではまだ発売されていない。また現行バージョンでは日本語の表示こそ可能なものの、メニューや入力機能を含む基幹部分は日本語に対応していない。日本での販売計画や対応キャリアもいまだアナウンスされておらず、その独特の「Tile」(タイル)や「Metro」(メトロ)といったUI、そしてサクサク動作する軽快感に惚れ込んだユーザーはこうした状況にやきもきしていたに違いない。これに対し、ようやくMicrosoftからの正式コメントが到来した。

 現在、欧米のWP7ユーザーにはコピー&ペースト機能を実装する最初のアップデートの配布が開始されており、今後もマルチタスク強化を含む各種機能を強化するアップデートが提供される予定だという。その1つが「Mango」(マンゴー)の開発コードネームで呼ばれるメジャーアップデートだ。先のコピー&ペースト機能はもともと1月の提供開始が予定されていたといわれるが、それが2月にスペインのバルセロナで開催されたMobile World Congress 2011(MWC)前後の時期での配布開始ということになり、さらにMWCの会場で米Microsoft CEOのスティーブ・バルマー氏によって3月上旬の配布開始ということが正式アナウンスされた。

 結局、実際の配布は3月下旬以降だったようで、当初のリーク情報を合わせれば2カ月以上提供開始が遅れたことになる。この件について米MicrosoftコーポレートバイスプレジデントでWindows Phone 7開発チームを率いるジョー・ベルフィオーレ氏は講演冒頭で謝罪し、パートナーとのやり取りや調整などで予想以上の時間がかかったことを理由として挙げた。同社はここでさまざまなことを学び、今後の計画に生かしていくことを約束した。

 当初の噂では、コピー&ペーストをはじめとする各種機能は、数カ月おきに順番に実装が行われ、OTA(Over the Air)を介してアップデートが提供されるとされていた。だがこうした計画はなくなったようで、Mangoアップデートという形で2011年内に多くの機能が一括提供されることになるようだ。先にも紹介したマルチタスク対応のほか、着信音のカスタマイズ、そして日本のユーザーにとって最も大きな「日本語などマルチバイト圏を中心とした言語サポートの拡大」が行われるという。

PhotoPhoto Windows Phone 7の次期メージャーアップデートでついに日本語サポートへ

 具体的にどの言語をサポートするかは明示されていないが、サポート対象地域が現行の16カ国から35カ国まで拡大するとのことで、年内にも対象が一気に広がることになる。これと同時にMicrosoftのアプリストアであるWindows Phone Marketplaceの提供準備も日本を含む対象言語国に拡大されることになる。具体的に日本での端末の登場時期は不明だが、OSそのものが年内に出荷されることを考えれば、少なくとも年末商戦の時期までには市場投入が見込まれる。このあたりはMicrosoftの追加アナウンスに期待したい。

PhotoPhoto Windows Phone 7のサポート対象地域は、Mangoの登場を経て16カ国から一気に35カ国へと拡大する(写真=左)。Silverlight 5ならびにMangoアップデートの提供ロードマップ。Silverlight 5β版は発表同日より提供が開始される。なお、図ではSilverlight 5 RTMとMangoの提供開始が同時期となっているが、MicrosoftによればMangoの提供開始のほうが先になるという(写真=右)

IE9のフル機能を実装、Sliverlight 5はMangoよりも後、

Photo Windows Phone向けのMangoアップデートがMicrosoftの社内的には「7.5」のバージョン番号で呼ばれているようだ

 また今回のMIX11では、Silverlightの次期バージョンである「Silverlight 5」のβ版が公開されている。Silverlight 5での強化点は多岐にわたるが、デモで紹介された主なアピール点は3D APIの実装とハードウェアアクセラレーション対応による高速な3D描画だ。

 WP7ではメイン実行環境がSilverlightになっており、ネイティブアプリの数々はSilverlightベースのアプリである。現行のWP7ではSilverlight 4に対応しているが、MicrosoftによればSilverlight 5正式版のリリースはMangoアップデートよりも後になる見込みで、当面はSilverlight 4のサポートにとどまることになるという。一方でMangoアップデートではIE9のフル機能が実装される予定で、これによるWebブラウジング環境の快適化が期待できる。

 いずれにせよ、Mangoアップデートの提供が日本を含む多くのWP7に期待するユーザーにとっての節目となりそうだ。なおMangoだが、Microsoft社内では「Windows Phone 7.5」の名称で呼ばれているようで、事実上のメジャーアップデートに相当する扱いのようだ。Silverlight 5ならびにMangoの新機能については本リポートの後編で少し詳しく紹介していこう。

 また今回の発表に合わせ、Mangoアップデートをにらんだ開発ツールの強化も発表されている。Windows Phone 7のアプリ開発は、Visual Studioに専用のプラグインを組み込んだものを利用する。このツール自体は無料で提供されており、実費を払うことでMarketplaceへの登録が可能になる。

 開発ツールではUI設計やコード記述、デバッグのほか、エミュレータによるアプリの実行テストが行える。開発ツールの新版ではエミュレータの機能がさらに強化され、ハードウェア依存の機能、例えば加速度センサーやGPSなどの情報をユーザーが意図的に入力することで、実機なしでのアプリ実行テストが行えるようになっている。このエミュレータは動作も高速でかなり優秀なため、実機の入手が難しい例えば日本の開発者などにとっては非常に便利なものだろう。

PhotoPhoto 昨今のスマートフォンではごく当たり前の機能になりつつある加速度センサーだが、開発ツールで提供されるエミュレータではこの動作をそのままでは入力できない。そのため新バージョンではエミュレータ上で端末本体の傾きもマウス入力できるようになり、例えば画面のような玉を転がしてゴールを目指すタイプのゲームも実機なしでテストできるようになる(写真=左)。同様に、GPS信号を地図上から無理矢理アプリへと送り込むこともエミュレータで可能になった。これにより、位置情報ベースのアプリを実機や場所移動なしでテストできる。実際に複数拠点を指定して一定間隔で移動する様子もシミュレーションできるため、テストの手間はかなり軽減できる(写真=右)

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