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» 2010年11月15日 19時31分 公開

スマートフォンはデバイスで差別化、コンテンツは“GALAPAGOS”を訴求――シャープ (2/2)

[田中聡,ITmedia]
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「GALAPAGOS」は3キャリア向けにも展開する

photo 電子書籍リーダー「GALAPAGOS」は、モバイルタイプとホームタイプの2種類を用意。発売は12月の予定

 コンテンツ面でシャープが注力するのが、スマートフォンや電子書籍リーダー向けのコンテンツストア「GALAPAGOS」だ。GALAPAGOSにはシャープが12月提供予定の電子書籍サービスや、シャープとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が提携して音楽や映像(音楽ビデオや映画)などを配信する「TSUTAYA GALAPAGOS」などが含まれる。GALAPAGOSストアは、12月に発売を予定している電子書籍リーダー「GALAPAGOS」のほか、2011年春にはドコモ、au、ソフトバンクのスマートフォンでも利用可能になる予定。

 スマートフォンで“GALAPAGOS”ブランドを冠するのはソフトバンクの003SHと005SHのみだが、IS03やSH-03Cなどでも同じストアを利用可能になる。ブランド名がキャリアごとに異なるのはユーザーにとっては紛らわしい感もあるが、「スマートフォンはキャリアの端末なので、ネーミングはキャリアと相談しながらプロモーションを進めている」と、大畠氏はスマートフォンを“キャリアの商品”として展開する事情を説明する。「GALAPAGOSというブランド名にはシャープが展開するユビキタス戦略が含まれる。端末からサービスまで一貫して進めていきたい」

 GALAPAGOSストアの今後については「スマートフォンとAQUOSの間でコンテンツを共有する、楽しむための環境も整備してきたい」と大畠氏は話す。さらに、GALAPAGOSのプラットフォームでEコマース、医療、教育などB to Bのサービスを拡充する考えがあることも明かした。

photophotophoto シャープ端末で利用できるさまざまなコンテンツを「GALAPAGOS」ストアに集約させる(写真=左)。液晶テレビ「AQUOS」とコンテンツを共有するといった連携も進めていく(写真=中)。コンシューマー向けに留まらず、法人向けのサービスもGALAPAGOSで展開することも視野に入れている(写真=右)

 3Dコンテンツの拡充にも努め、3D液晶対応機種にプリインストールするのはもちろん、GALAPAGOSストアでの配信も予定している。また、シャープのスマートフォン向けポータルサイト「SH!SH!SH!」を「GALAPAGOS SQUARE」にリニューアルし、ここに3Dコンテンツ専用コーナーを開設する。さらに、同社は3D画像と動画を対象とした「スマートフォン 3Dコンテスト」を開始し、12月1日から投稿を受け付ける。「今後はゲームのコンテストにも取り組んでいきたい」(大畠氏)

photophotophoto SH-03C、003SH、005SHに搭載した3D液晶は、シャープが開発したもの。左右の目に異なる映像を届ける視差バリア方式により、専用眼鏡をかけずに裸眼で3Dコンテンツを見られる(写真=左)。静止画、動画、ゲームなどのコンテンツが3Dに対応する(写真=中)ほか、2D画像を3D変換する機能も搭載した(写真=右)
photophotophoto 端末を動かしながら2枚の画像を合成することで、3D画像を生成できる(写真=左)。シャープのポータルサイト「GALAPAGOS SQUARE」では3Dコンテンツも配信する予定(写真=中)。3D画像や動画を投稿するコンテストを実施する(写真=右)

GALAPAGOSは海外にも展開する

photo 点心はAndroid OSとは異なるのでYouTubeやGmailなどGoogleのサービスは利用できないが、それらに相当するサービスは用意されている

 海外に目を向けると、シャープは中国市場向けにAndroidベースのOS「点心」を採用したスマートフォン「SH8128U」と「SH8118U」を投入したほか、インドの携帯電話事業にも参入する。

 SH8128UとSH8118Uは、日本向けのAndroid端末と比べるとスペックは抑えられているが、「中国ではシャープのケータイは高級なものと認知されているので、日本で好評なスマートフォンは中国にもシフトしていく」(大畠氏)という。さらに「3D液晶対応のスマートフォンを2011年の早い段階で海外に投入する」ことも検討している。

photophoto 「SH8128U」
photophoto 「SH8118U」

 そのほかの地域についても、特徴あるデバイスと機能を中心にスマートフォンを展開していく。日本のAQUOSケータイからワンセグやFeliCaを省いたモデルを中国に投入したことから、SH-03Cや003SHのワンセグやFeliCaを省き、他国向けにローカライズしたスマートフォンを出す、といった可能性も考えられる。大畠氏によると、中国以外では南米もチャンスのある市場だという。「南米は(日本の地上デジタル放送やワンセグの技術方式である)ISDB-Tを採用している。日本ブランドの商品も販売されているので、名が知られていないところよりは展開しやすい」

 さらに、コンテンツプラットフォームのGALAPAGOSについても、日本に留まらず海外展開も検討しているという。実際にシャープは米Verizon Wirelessと電子書籍事業の提携に向けて協議を進めており、米国でGALAPAGOSブランドのサービスを提供する可能性もある。シャープの説明員によると、日本のコンテンツと海外のコンテンツ両方の海外展開を検討しているという。

 シャープが進める「GALAPAGOS」ブランドは、端末とコンテンツともに、グローバルな展開を視野に入れたもの。ただ、日本で「ガラケー(ガラパゴスケータイ)」を指す言葉として使われる「ガラパゴス」には、「日本でしか使えない」という意味で揶揄(やゆ)されることが多く、ネガティブなイメージがある。また、ドコモとKDDIのシャープ製スマートフォンや電子書籍リーダーには、GALAPAGOSというブランド名は使われていない。GALAPAGOSブランドをどのように浸透させるかはシャープの腕の見せ所といえる。

 海外メーカーが勢いを増し、2011年はさらに多くの国内メーカーがスマートフォンを投入することが予想される。スマートフォン、そしてコンテンツ事業でのシャープのかじ取りに注目したい。

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