下り最大9.2MbpsのEVDOマルチキャリア、LTEのデモを実施――KDDICEATEC JAPAN 2010

» 2010年10月07日 12時12分 公開
[田中聡,ITmedia]

 KDDIは「auインフラの進化」というテーマで、EVDOマルチキャリアとLTEを紹介している。

photo EVDOマルチキャリアの利用イメージ

 EVDOマルチキャリアは、EV-DO Rev.A(1.25MHz幅)のキャリア(データを送受信するための電波)を最大3本束ねることで、さらなる高速化を実現する技術。通信速度はEV-DO Rev.Aの下り最大3.1Mbps/上り最大1.8Mbpsの約3倍の、下り最大9.2Mbps/上り最大5.5Mbpsに向上する。

 ブースでは、EV-DO Rev.AとEVDOマルチキャリア対応機種の2台を並べて通信をするデモを実施している。映像のダウンロード速度はそれほど差が出ないこともあったが、これは同社ブースで展示している「IS03」を多くの来場者が操作していたため。「周りで通信をしているユーザーが多いと、通信速度に影響が出る」(説明員)。一方、画像ファイルを2機種から送信したところ、「上りの通信をしている来場者はほとんどいない」(同)ことから、EVDOマルチキャリア対応機の方がはるかに速く送信できた。

photophoto EVDOマルチキャリア対応機種と非対応機種で、コンテンツのダウンロードや送信をするデモを実施

 「EZwebなどデータ量の少ない通信だと、EV-DO Rev.AとEVDOマルチキャリアの差はほとんど感じられないが、容量の大きいデータをやり取りする際には顕著に差が出る」と説明員は話していた。

 EVDOマルチキャリアはauの2010年秋冬モデルの一部機種から対応する予定。「ハードウェアを変えなければならない」(説明員)ため、既存の機種をソフトウェアアップデートでEVDOマルチキャリアに対応させることはできない。また、IS03はEVDOマルチキャリアには対応していない。2010年12月からNTTドコモがLTE対応機種(データ端末)を投入する予定だが、KDDIがLTEを開始するのは2年後の2012年12月。同社はEVDOマルチキャリアをLTE導入までの“つなぎ”と考え、遅れをカバーする構えだ。


 KDDIが2012年12月に商用化を予定しているLTEは、(再編後の)新800MHz帯の10MHz幅を基盤バンドとし、1.5GHz帯の10MHz幅を容量補完バンドとして使う。また、EVDOマルチキャリアの新800MHz帯+2GHz帯にも対応する予定だ。通信速度はドコモのLTEと同じく、下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsを目指している。

 auのLTEサービスは、まずはデータ通信から提供し、音声サービスは当面のところ既存のCDMA2000 1X網で対応する。対応機種について、ドコモはデータ端末から提供する予定だが、KDDIは「音声端末を前提に考えている」とのこと。ただし詳細は未定。またドコモの「Xi(クロッシィ)」のようなサービス名を付けるのかも未定。LTEはCDMA2000 1X網とLTE網を切り替えて利用することを想定しており、対応エリアは2014年度末には、EV-DO Rev.A相当まで拡張する予定。

photophoto LTEの現状と展望(写真=左)。auインフラのロードマップ(写真=右)

 ブースでは、テスト用のLTE基地局と端末を有線接続し、映像を再生するデモを披露。LTEの試作機には、ソニー・エリクソン製の端末が使われていた。2010年3月からは那須塩原地区で2GHz帯を利用したフィールドテストを実施しており、「下り最大70Mbpsの通信に成功した」(説明員)という。

photophotophoto LTEのデモで使われた基地局と端末。端末(試作機)はソニー・エリクソン製
photo LTE通信による映像再生のデモ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月30日 更新
  1. スマホの「SIM組み合わせ」を3カ月で3回も変えた話 楽天モバイル→日本通信→Y!mobileからの移行先を思案中 (2026年06月29日)
  2. 松屋の券売機が「思いのほか使いやすかった」 それでもネットで不評なのはなぜ? (2026年06月29日)
  3. ティム・クックCEOが「もはや限界」と値上げに言及――すでにAndroidでは値上げラッシュが始まる (2026年06月28日)
  4. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  5. ダイソーで770円の「備えラジオ」は“備える”以上に”ノスタルジック”だった件 目的に徹したシンプルさが懐かしさを呼ぶ (2026年06月27日)
  6. ソニー「aiboはやめません」──“次の開発”も明かす オーナーに「安心してください」と呼びかけ (2026年06月27日)
  7. ソフトバンクの5G通信が速くなる「Fast Access」を試す 非対応回線と有意な差も、見えてきた“次の課題” (2026年06月27日)
  8. NHKはなぜ「スクランブル化」しないのか? 「公共放送」という位置付けが足かせ? (2026年06月27日)
  9. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  10. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー