「HTC EVO 3D」「HTC View 4G」、LTE対応機も――HTCが最新スマートフォン&タブレットを披露CTIA Wireless 2011

» 2011年03月25日 16時54分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 HTCが、3月22日から24日まで米国フロリダ州オーランドで開催されたCTIA WIRELESS 2011に出展し、本イベントに合わせて発表したAndroid端末の新製品や北米市場向けのスマートフォン、アクセサリなどを展示した。

photo CTIA Wireless 2011のHTCブース

WiMAX/CDMA2000対応の3モデル

 HTCが発表した新製品は「HTC EVO 3D」「HTC View 4G」の2機種。いずれも通信方式はWiMAX/CDMA2000のデュアルモードに対応し、北米の通信事業者Sprintから2011年夏の発売が予定されている。両機種とも製品は開発中とのことで、実機はショーケースに入った状態で展示されており、実際に操作を試すことはできなかった。本体サイズは66(幅)×127(高さ)×12(厚さ)ミリ、重さは170グラム。

 HTC EVO 3Dは3D表示に対応した4.3インチディスプレイを搭載する。サイズは960×540ピクセル(QHD)で、同社のスマートフォンでは初の超高解像クラスのディスプレイとなっている。OSはAndroid 2.3で、同社独自のUI(ユーザーインタフェース)である「HTC Sense」を採用している。裏面にはツインカメラを備え、3D写真に加え動画も3Dで撮影できる。撮影した写真や動画はHTC EVO 3D本体でそのまま3D表示できるほか、HDMIやDLNA経由で3D対応のハイビジョンTVにも出力が可能だ。

photophoto ショーケース内で展示されているEVO View 4G(左)とEVO 3D(右)(写真=左)。HTC EVO 3Dは裏面のデュアルカメラで3D撮影も可能(写真=右)

 HTC View 4Gは、7インチディスプレイを備えるタブレット。1.5GHzのプロセッサを搭載し、ディスプレイ解像度は1024×600ピクセル。AndroidのOSバージョンは、説明員によると展示品は2.3。ただし製品発売時にはより上のバージョンを搭載する可能性もあるとのこと。UIにはHTC EVO 3Dと同じくHTC Senseを採用している。

 本体サイズは112.5(幅)×195.4(高さ)×13.2(厚さ)ミリ、422グラムで、2月に発表された同じ7インチディスプレイを搭載するタブレット「HTC Flyer」の通信方式をWiMAX/CDMA2000に変更した製品となる。ただし通信モジュールが変わったことで、サイズと重さがやや異なるほか、本体のカラーはブラック系の落ち着いた色に変更されている。Flyer同様、付属のペン型デバイスを利用して画面上に文字を書いて操作できる「HTC Scribe」機能も備えている。

photophoto WiMAX対応の7インチタブレット、HTC View 4G(写真=左)。HTC View 4Gは本体全体をブラックの色調で仕上げている(写真=右)

 HTC Flyerから携帯電話モジュールを省き、Wi-Fiのみを搭載した派生モデルも発表された。北米では大手家電量販店のBest Buyによる独占販売となり、4月から同社店舗やオンラインで販売が開始されるとのこと。なおW-CDMA対応のHTC Flyerオリジナルモデルの北米での発売は、現時点では未定とのこと。

photophoto 7インチタブレットのHTC FlyerはWi-Fiバージョンが発表(写真=左)。専用ペン型デバイスによるジェスチャー機能「HTC Scribe」のデモ(写真=右)

北米向けに“4G”にフォーカスした製品を展開

 この他には北米各事業者向けのAndroidスマートフォンも展示されていた。特に重点を置いて展示されていたのは各社の4Gに対応した製品だ。Verizon向けはLTE、Sprint向けはWiMAX、そしてAT&TとT-Mobile向けはHSPA+に対応したそれぞれの“4Gモデル”が展示の中心となっており、展示品は実際のネットワークに接続され、各社の高速な通信回線を実体験することも可能だった。

 また北米らしいモデルとして、W-CDMAとCDMA2000に対応した「HTC Merge」も展示されていた。Verizon向けの製品で北米国内はCDMA2000、海外ではW-CDMAとGSMに対応し、全世界で利用できるグローバルモデルだ。Verizonはすでにこのグローバルモデルを複数販売しているが、HTCとしてはこのHTC Mergeが初の対応製品となる。

photophoto Verizon向けのLTE端末「HTC ThunderBolt」(写真=左)。Sprint向けの「HTC EVO 4G」はWiMAX対応。日本でもauから「HTC EVO WiMAX ISW11HT」として発売予定(写真=右)
photophoto HTC EVO 4Gにスライド式のQWERTYキーボードを内蔵させた「HTC Shift EVO」(写真=左)。AT&T向けの「HTC Inspire 4G」はHSPA+に対応する(写真=右)
photophoto T-Mobileの「myTouch 4G」もHSPA+に対応する(写真=左)。CDMA2000とW-CDMAに対応した「HTC Merge」(写真=右)

Windows Phone 7や多彩なアクセサリも展示

 HTCはAndroidだけではなく、Windows Phone 7対応のスマートフォンも海外で多数販売している。北米市場でも現在4モデルを販売しており、今回新たにAT&T向けにHTC HD7Sを発表している。Sprint向けのHTC Arriveは同社初のWindows Phone 7搭載機であり、スライド型のQWERTYキーボードを内蔵しているのが特徴だ。

photophoto T-Mobile向けの「HTC HD7」(写真=左)。こちらはAT&Tから発売されている「HTC Surround」(写真=右)
photophoto 「HTC HD7S」はHD7のAT&T向けモデル(写真=左)。Sprint初のWindows Phone 7搭載機となるHTC Arrive(写真=右)

 この他には純正の各種アクセサリも多数展示されていた。これだけ製品数が多いと、サードパーティ製のケースが出そろうまでには時間がかかる場合もあるだろう。実際、来訪者の多くが説明員にケースやスクリーンプロテクタの入手方法について相談していた。フルタッチディスプレイを搭載したスマートフォンは傷防止のためケースを装着するユーザーが多く、今後はメーカーが純正ケースを販売する動きが広がるかもしれない。

 DLNA非対応のTVやプロジェクターをDLNA対応化するためのアダプター、HTC Media Linkも展示されていた。DLNA対応のスマートフォンに保存した写真や動画をWi-Fi経由でTVなどの大画面で利用できる。スマートフォンを家庭で活用するための有用なアクセサリといえるだろう。

photophoto 純正の各機種用レザーカバー(写真=左)。カラフルなプラスチックカバーもある(写真=右)
photophoto スタンドにもなるクレードルやカーチャージャー(写真=左)。DLNAアダプターのHTC Media Link(写真=右)

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