auのHTC製スマートフォン「HTC EVO 3D ISW12HT」(以下、HTC EVO 3D)は、国内初のWiMAX対応スマートフォンとして話題を呼んだ「HTC EVO WiMAX ISW11HT」(以下、EVO WiMAX)の後継機だ。従来モデルと同様、WiMAXに対応するほか、最大8台を同時に接続可能なテザリングも利用できる。本レビューではHTC EVO 3Dの魅力を複数回に分けてお届けする。第1回目は主にハードウェアについて見ていこう。
HTC EVO 3Dの外観で特徴的なのは、裏面に搭載されたツインカメラだ。2個のレンズとその間にフォトライトが配置され、デザインのアクセントになっている。画面下部には左からホーム、メニュー、戻る、検索キーの4つが並ぶ。これらはタッチセンサーになっており、指で触れると本体が震えて操作が認識されたことを確認できる。また、ボディ裏面には指紋がつきにくいマットな質感の素材を採用。表面に斜めの切り込みが入っており、滑りにくい仕様になっている。
ボディサイズは約65(幅)×126(高さ)×12.3(厚さ)。厚さ12.3ミリは10ミリを切るモデルが増えている現状からするとやや分厚い印象を受ける。手が大きい男性であれば無理なく操作できるサイズ感ではあるが、女性は片手では操作しにくいかもしれない。また、重さが約171gと今季モデルのなかでは重めなので、10分ほど続けてWebを閲覧したり、メールをチェックしたりするとやや手が疲れた。
最も大きな進化といえるのが3Dへの対応だ。裸眼立体視が可能な4.3インチの3D液晶を採用するほか、3D写真と動画を撮影できる5メガのツインカメラを採用する。シャッターキーの横には2Dと3Dを切り替えるための専用スイッチを配置しており、これを「3D」にするとカメラ撮影時のモードが3Dに切り替わる。
また、EVO WiMAXはチップセットにQualcomm製のシングルコアCPU搭載のSnapdragon「QSD8650」(1GHz)を採用していたが、HTC EVO 3Dは同社製のデュアルコアCPU搭載のSnapdragon「MSM8660」(1.2GHz)を採用し、パフォーマンスが向上している。
デュスプレイの性能も上がっている。EVO WiMAXの4.3インチのワイドVGA(480×800ピクセル)液晶に対し、HTC EVO 3Dは、4.3インチのQHD(540×960ドット)液晶を採用しており、解像度が上がっている。
HTC EVO 3 Dは1730mAhの大容量バッテリーを搭載する。バッテリーの持ちは利用スタイルや使用環境などによって大きく異なるので、一概に良し悪しを判断できないが、冬モデルの中では最高クラスの容量だ。連続待受時間は約320時間、連続通話時間は約450分と、こちらも今季モデルの中では標準的なレベルを実現している。
では、実際に利用してみるとどうか。本稿の執筆にあたって、HTC EVO 3Dを数日間持ち歩いたが、WiMAXを常にオンにしているとバッテリーの減りがやや速い印象を受けた。3G接続のみで利用している場合と比較すると明らかに減りの速さを感じる。圏外の場所や地下鉄の構内などのつながりにくい場所では、こまめにオフにしておくのが得策といえそうだ。
HTC EVO 3Dは前モデルと同様、au ICカードスロットを搭載していない。au ICカード対応機からHTC EVO 3Dに機種変更した時点でau ICカードは廃棄扱いになり、これまで使っていたauケータイやスマートフォンに入れ替えて使うことはできない。機種変更前にEZwebを契約していた場合、ISPはEZwebからIS NETに切り替わる。EZwebの有料コンテンツを登録している端末からHTC EVO 3Dに機種変更した場合、スマートフォンでも利用できるコンテンツに登録している場合は登録情報が引き継がれる。一方、スマートフォンで利用できないコンテンツに登録している場合、au oneトップから解約する必要があり、自動解約にはならないので注意したい。
着信ランプはディスプレイ右上に搭載されており、着信時やメール受信時に緑色のLEDが点滅する。LEDの詳細設定を行うには、「設定」を起動し、「表示」→「お知らせLED通知」の順にタップ。次画面で「不在着信履歴」「SMS」「電子メール」「留守番電話」「カレンダー」「アラーム」の6項目でLED通知をするかどうかを設定できる。

受話口の内部に配置されたLEDランプ。「不在着信履歴」などを表示する際は緑色に点滅し、充電中は赤色に光る(写真=左)。「設定」→「表示」→「お知らせLED通知」の順にタップすると、LED通知に関する設定ができるメニューが表示される(写真=右)
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