薄型防水で欧州を攻めるパナソニック モバイルの「ELUGA」――2号機「ELUGA power」も披露:Mobile World Congress 2012

» 2012年02月29日 16時23分 公開
[田中聡,ITmedia]

 欧州市場向けに新たなスマートフォン「ELUGA」(エルーガ)を投入することを発表したパナソニック モバイルコミュニケーションズ。MWCの同社ブースでも、これらスマートフォンを大々的に展示している。広報室室長の岩切正哉氏に話を聞きながら、主な特徴を確認した。

photophoto パナソニック モバイルブース。多くの海外記者が詰めかけており、注目度の高さをうかがわせた(写真=左)。女性と水しぶきでELUGAの洗練されたイメージを表現している。この女性は「特定のタレントではない」(岩切氏)とのこと(写真=右)

 ELUGAは、4.3インチのQHD(540×960ピクセル)有機ELやIPX5/IPX7の防水、IP5Xの防塵性能を備えたスマートフォン。4月から欧州での発売を予定している。端末を供給する通信事業者は発表されていないが、「すでに欧州の主要5カ国で内定しているところはある」(岩切氏)とのこと。OSはAndroid 2.3だが、2012年夏にAndroid 4.0へのアップデートを予定している。プロセッサーは「OMAP4430」(1GHzデュアルコア)。62(幅)×123(高さ)×7.8(厚さ)ミリ、103グラムという薄くて軽いボディを実現し、洗練された薄型防水スマートフォンとして海外で訴求する。ただ薄いだけでなく、「D」を左に90度回転させたように見える「Slim D shape」と呼ばれる形状も特徴で、裏側は丸みを帯びていて持ちやすい。「スクエアな形状の方が設計しやすいが、持ちやすさにこだわった。ビジネスパーソンをターゲットにしているが、女性からも『素晴らしい』という声をいただいている」(岩切氏)。パナソニックは同社家電全般における2012年のデザイン哲学に「Future Craft」という言葉を掲げている。その主な要素は「憧れ」「誠実さ」「人間中心」「地球とともに」の4つ。これらをELUGAのデザインにも落とし込んだという。

 日本でもELUGAをベースにした「P-04D」「Disney Mobile on docomo P-05D」(NTTドコモ向け)と「102P」(ソフトバンクモバイル向け)が3月以降に発売される。これら国内モデルはELUGAのブランド名は冠していない。ARROWS、MEDIAS、Xperiaなどでブランド展開をする他社と比べると少し寂しいが、「ELUGAは欧州での展開を第一に考えている。ブランドを付けるかはキャリアさんとの話し合いにもよるので、採用されれば付けたい」と岩切氏は話していた。ELUGAと日本モデルの大きな違いは前者がNFC、後者がFeliCaを採用しているところ。日本モデルでFeliCaのロゴがあるカメラの真下には、ELUGAでは「NFC」マークが置かれている。ボディカラーも異なり、鮮やかなブルー系の色を採用したP-04Dと102Pに対し、海外ではオーソドックスな色が好まれる傾向にあるため、ELUGAではシルバーとブラックを用意。ただ「フランスでDisney Mobile on docomo P-05Dがかわいいという声もあった」そうで、今後は海外の色に対するトレンドも変わっていくのかもしれない。

photophoto 欧州で4月から発売予定の「ELUGA」
photo カメラの下に「NFC」の表記がある

photophotophotophoto 展示機にプリインストールされているアプリ。日本のスマートフォンでもおなじみの「エコナビ」(ECONAVI)もある。撮影した写真を手軽にアップロードできる「ピクチャジャンプ」は、「Swype and Share」機能として用意されている。ホーム画面のUIは同社の日本向けAndroidと似ている(写真=左端、左中、右中)。こちらも日本の端末と同じく、左右どちらかの方向に指をフリックしてロックを開場する(写真=右端)

 あわせて、ELUGAシリーズの2号機となる「ELUGA power」も披露された。「動画をさらに大画面で見たいという層に訴求する」(岩切氏)というELUGA powerは、ELUGAよりも大きな5インチHD(720×1280ピクセル)液晶を搭載する。プロセッサーにはQualcommの「Snapdragon S4」(1.5GHzデュアルコア)を採用。ELUGAのOMAPからSnapdragonに変更されているが、「性能とコストのバランスを見て採用した」(岩切氏)とのこと。OSは当初からAndroid 4.0を採用。ディスプレイ下にはGALAXY NEXUSなどと同様にキー類はなく、画面下部の戻る/ホーム/タスクキーから操作をする。展示機のUI(ユーザーインタフェース)はAndroid 4.0標準のままだったが、パナソニック モバイル独自のUIも載せる予定。サイズは70(幅)×136(高さ)×9.6(厚さ)ミリとあって、手にするとさすがに大きく感じた。重さは133グラム。IPX5/IPX7の防水性能、NFC、フルHDサイズの動画も撮れる8メガピクセルカメラを搭載する。バッテリーはELUGAの1150mAhから1800mAhへと大きく容量がアップしており、ELUGA powerはさらに、30分で50%まで、57分で80%までの急速充電も可能だ。内蔵メモリは8GバイトでmicroSDも利用可能。カラーはブラック1色。

photophotophoto MWCで新たに発表された「ELUGA power」
photophoto 5インチディスプレイを搭載しているとあって、ボディは大柄だ。音量調節キーや電源キーなどパーツの位置はELUGAと共通のところが多い
photophoto 厚さは約9.6ミリ(写真=左)。ディスプレイ下部にはキーはなく、画面上のアイコンから操作をする(写真=右)
photophoto 上端部のイヤフォンジャックとMicro USB端子(写真=左)。音量調節キーと電源キーは裏面にある(写真=右)
photophoto ELUGA(左)と並べると大きく感じる(写真=左)。展示機のプリインストールアプリ。パナソニック モバイル独自のUIも採用する予定(写真=右)

 ELUGAシリーズは欧州での発売を第一に考えたグローバルモデルであり、マーケティングなども欧州で実施してきたが、防水、薄型、大画面、FeliCa/NFC対応、Slim D shape形状などの特徴は日本でも受け入れられそうだ。一方で、パナソニック モバイルは「P-07C」「Sweety 003P」「P-01D」「LUMIX Phone P-02D/101P」など日本市場向けのスマートフォンも開発してきた。こうしたモデルは今後も提供するのか、それともELUGAブランドに一本化するのか。この点はまだ明確になっていないようだが、すでに日本でもELUGAベースのモデルが登場していることもあり、開発効率を考えると、日本特化型モデルは減っていくのかもしれない。海外市場は2005年に撤退して以来の再参入となるパナソニック モバイル。「失敗は許されない。背水の陣で望む」(岩切氏)という並々ならぬ想いで生まれたELUGAの船出を注視したい。

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