シンセイコーポレーション製のURoad-SS10は、高速通信をいち早く展開してきたWiMAX対応のモバイルWi-Fiルーターだ。WiMAXのサービスエリアを確認すると、全国の主要都市はもちろん、中小の町もカバーしつつある。最初に開始した東名阪はすでに山岳地以外は広く対応している状況だ。
ルーターはコンパクトで、今回最軽量となる86グラムのボディも魅力。サイズが小さいながらも、連続待機時間が約250時間、連続通信時間が約9時間とスタミナも十分だ。通信をしないときには「休止」するための専用ボタンも側面に用意しており、これを使えば通常の電源オフ→オンよりも早く起動できる。スマートフォンやPCで接続を切ると、自動的に「待受=ウェイティング」状態になる省電力設計となっている。このウェイティング状態は休止状態ではなく、SSIDの発信はしているので、再びスマートフォンやPCがルーターに接続すると1秒で復帰する。なおウェイティング状態がさらに10〜60分(設定可能)すると、自動的に電源オフになる。
通信速度は2011年12月から上りが最大10Mbpsから最大15.4Mbpsに高速化。下りは最大40Mbpsでエリアも広い。さらに「WiMAXハイパワー」に対応しているので、家の中などの比較的つながりにくい場所でもつながりやすくなっている。便利な試みとして、iOSとAndroidでもルーターのステータスを確認できるモバイルブラウザ用「WEB UI」も用意。カラーもブラック・ホワイト・レッドの3色を用意しているのもちょっと楽しい。
Huawei製の「Pocket WiFi LTE(GL01P)」は、イーモバイルの下り最大75Mbpsの「EMOBILE LTE」と、下り最大42Mbpsの「EMOBILE G4」、3Gに対応した製品。エリアを見ると、LTEはまだこれからという印象で、6月までに「東名阪などの主要都市で人口カバー率99%」を目標にしている。とはいえ、4月現在のエリアを見ると、全国の県庁所在地を中心に徐々に広がっており、地方のユーザーも都市部で働いている人は購入を検討してよいだろう。また「G4」のエリアは中小の町にも広がっている。
ルーターのサイズはドコモのBF-01Dよりわずかに小さいものの、やはり大きいのがネックだ。しかしその大きさゆえにバッテリーは大容量の3000mAh。連続通信はLTEでも最大約9時間というのは魅力だ。101SIと同じく大きめのディスプレイを搭載しているので、接続状況やバッテリー残量も分かりやすい。microSDスロットを備えており、最大32GバイトのmicroSDHCを使って外部記憶装置としても活用できる。後の回でも触れるが料金面でも魅力があり、「LTEフラット」で購入すれば、端末代は実質0円。毎月の支払いはトータルで月3880円と安い。GL01Pと同じ料金プランで購入でき、よりコンパクトな「Pocket WiFi LTE(GL02P)」も発売されているので、そちらも検討してみてもいいだろう。
日本通信の製品については、ドコモのXiエリアに対応したカメレオンSIMと、SIMフリーのモバイルWi-Fiルーター「b-mobile4G WiFi2」を組み合わせて使用した。カメレオンSIMは5800円で購入後、21日間3Gバイトまでは無料でLTEのエリアでの通信が可能だが、以降は30日か120日のチャージ料を支払って使用する。30日の場合は最大300KbpsのU300/2480円と、速度制限なしの高速定額/5400円、120日の場合はFair 1GB/8800円(120日間で1GBまで使用できる)。U300やFair 1GBは料金的に魅力だが、「高速通信をしたい」「通信量が多い」といった人には選びにくい。このあたりの話も後の回で解説していく。
一方、ルーターは今回もっともコンパクト。重さも約95グラムと軽い。LTEの通信速度はハードウェアとして下り最大100Mbps/上り最大50Mbpsをサポートしているので、今後LTEの通信速度が向上した際に恩恵を受けられるかもしれない。また、b-mobile4G WiFi2は3GのHSDPA/HSUPAにも対応している。SIMフリーなのでカメレオンSIMだけでなくドコモとソフトバンクのSIMカードを挿して使うことも可能だが、その場合はAPNなどの設定が必要になる。
次回は各ルーターの実効速度をリポートする。
モバイルWi-Fiルーター徹底比較:第1回 サイズ、スタミナ、通信速度の違いは?――基本性能を横並び比較
約3年で人口カバー率98%目指す:ドコモ、「Xi」エリア拡充計画を急加速──「ヘビーユーザーこそXiを」の狙い
Xi対応のモバイルWi-Fiルーター「BF-01D」、3月23日に販売開始
BF-01Cから「BF-01D」に:ドコモ、Wi-Fiルーター「BF-01C」の型番を変更して再発表――LGのUSB型Xi端末も登場
最大通信速度110Mbps:ソフトバンク、「SoftBank 4G」を2月24日に開始――スマホ併用なら月額3880円
下り最大76Mbpsの「SoftBank 4G」に対応したWi-Fiルーター「ULTRA WiFi 4G 101SI」
ソフトバンク、11月から下り最大110Mbpsの「SOFTBANK 4G」を提供
“WiMAX Speed Wi-Fi”レビュー:写真で見る「URoad-SS10」──ちょこっとiPhone 4似? 9時間動作のまま薄型・軽量に (1/2)
11.8ミリ/86グラムで、20時間の連続待受:さらに薄型軽量に、高速起動のWiMAXルータ新モデル「URoad-SS10」
当面は通信量に上限なし:イー・アクセス、「EMOBILE LTE」を3月15日にスタート――料金は月額3880円から
実動9時間でLTEハンドオーバー性能も上々:初号機なのにかなり優秀ですよ──EMOBILE LTE対応ルータ「Pocket WiFi LTE(GL01P)」検証
板野友美さんも応援:下り最大75Mbps「EMOBILE LTE」開始──「速い、広い、安い。とにかく最高の“世界標準”LTEサービス」と千本会長
Xiエリアで使えるSIMサービス+ルータ:目指すは「好みのプランを自分で作る、通信のBTO」──日本通信「LTE対応カメレオンSIM」の狙いどころ
日本通信、ドコモのLTE網を使ったMVNOサービスを3月31日に開始Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.