第1回 サイズ、カバー率、スタミナ――次世代通信対応のWi-Fiルーターを横並び比較モバイルWi-Fiルーター徹底比較(2012年春モデル編)(2/2 ページ)

» 2012年04月26日 19時41分 公開
[小林誠,ITmedia]
前のページへ 1|2       

省電力設計にこだわったUQ WiMAX「URoad-SS10」

photo シンセイコーポレーション製の「URoad-SS10」

 シンセイコーポレーション製のURoad-SS10は、高速通信をいち早く展開してきたWiMAX対応のモバイルWi-Fiルーターだ。WiMAXのサービスエリアを確認すると、全国の主要都市はもちろん、中小の町もカバーしつつある。最初に開始した東名阪はすでに山岳地以外は広く対応している状況だ。

 ルーターはコンパクトで、今回最軽量となる86グラムのボディも魅力。サイズが小さいながらも、連続待機時間が約250時間、連続通信時間が約9時間とスタミナも十分だ。通信をしないときには「休止」するための専用ボタンも側面に用意しており、これを使えば通常の電源オフ→オンよりも早く起動できる。スマートフォンやPCで接続を切ると、自動的に「待受=ウェイティング」状態になる省電力設計となっている。このウェイティング状態は休止状態ではなく、SSIDの発信はしているので、再びスマートフォンやPCがルーターに接続すると1秒で復帰する。なおウェイティング状態がさらに10〜60分(設定可能)すると、自動的に電源オフになる。

 通信速度は2011年12月から上りが最大10Mbpsから最大15.4Mbpsに高速化。下りは最大40Mbpsでエリアも広い。さらに「WiMAXハイパワー」に対応しているので、家の中などの比較的つながりにくい場所でもつながりやすくなっている。便利な試みとして、iOSとAndroidでもルーターのステータスを確認できるモバイルブラウザ用「WEB UI」も用意。カラーもブラック・ホワイト・レッドの3色を用意しているのもちょっと楽しい。

価格面での魅力が大きいLTE対応ルーター「Pocket WiFi LTE GL01P」

photo Huawei製のPocket WiFi LTE(GL01P)

 Huawei製の「Pocket WiFi LTE(GL01P)」は、イーモバイルの下り最大75Mbpsの「EMOBILE LTE」と、下り最大42Mbpsの「EMOBILE G4」、3Gに対応した製品。エリアを見ると、LTEはまだこれからという印象で、6月までに「東名阪などの主要都市で人口カバー率99%」を目標にしている。とはいえ、4月現在のエリアを見ると、全国の県庁所在地を中心に徐々に広がっており、地方のユーザーも都市部で働いている人は購入を検討してよいだろう。また「G4」のエリアは中小の町にも広がっている。

 ルーターのサイズはドコモのBF-01Dよりわずかに小さいものの、やはり大きいのがネックだ。しかしその大きさゆえにバッテリーは大容量の3000mAh。連続通信はLTEでも最大約9時間というのは魅力だ。101SIと同じく大きめのディスプレイを搭載しているので、接続状況やバッテリー残量も分かりやすい。microSDスロットを備えており、最大32GバイトのmicroSDHCを使って外部記憶装置としても活用できる。後の回でも触れるが料金面でも魅力があり、「LTEフラット」で購入すれば、端末代は実質0円。毎月の支払いはトータルで月3880円と安い。GL01Pと同じ料金プランで購入でき、よりコンパクトな「Pocket WiFi LTE(GL02P)」も発売されているので、そちらも検討してみてもいいだろう。

ドコモのLTEを利用したb-mobile4G「カメレオンSIM」

 日本通信の製品については、ドコモのXiエリアに対応したカメレオンSIMと、SIMフリーのモバイルWi-Fiルーター「b-mobile4G WiFi2」を組み合わせて使用した。カメレオンSIMは5800円で購入後、21日間3Gバイトまでは無料でLTEのエリアでの通信が可能だが、以降は30日か120日のチャージ料を支払って使用する。30日の場合は最大300KbpsのU300/2480円と、速度制限なしの高速定額/5400円、120日の場合はFair 1GB/8800円(120日間で1GBまで使用できる)。U300やFair 1GBは料金的に魅力だが、「高速通信をしたい」「通信量が多い」といった人には選びにくい。このあたりの話も後の回で解説していく。

 一方、ルーターは今回もっともコンパクト。重さも約95グラムと軽い。LTEの通信速度はハードウェアとして下り最大100Mbps/上り最大50Mbpsをサポートしているので、今後LTEの通信速度が向上した際に恩恵を受けられるかもしれない。また、b-mobile4G WiFi2は3GのHSDPA/HSUPAにも対応している。SIMフリーなのでカメレオンSIMだけでなくドコモとソフトバンクのSIMカードを挿して使うことも可能だが、その場合はAPNなどの設定が必要になる。

photophoto b-mobile4G カメレオンSIM(写真=左)と「b-mobile4G WiFi2」(写真=右)

 次回は各ルーターの実効速度をリポートする。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  5. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  8. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  9. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  10. NTT系初の耳をふさがない集音器「cocoe Ear」発表 補聴器でない理由、AirPods Proとの違いは? (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー