プラチナバンドが“ベース”なのはauだけ KDDIがつながりやすさの秘密を各地で説明:800MHz帯+2GHz帯(2/2 ページ)

» 2012年08月07日 14時37分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
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バッテリー&自家発電機で計画停電に備える 大阪TC

photo KDDI 大阪テクニカルセンター センター長の郄井久徳氏

 近畿2府4県、京都、大阪、滋賀、兵庫、奈良、和歌山をカバーするのが、大阪TCだ。日本有数の人口密集地がある一方で、奈良や和歌山には入り組んだ山岳地帯があり、地形的にエリアが作りにくいブロックだという。

 大阪TCでも6月6日からEV-DO Advancedの提供を開始し、梅田駅前ではスループットが約1.4倍に高速化した。auは東海道新幹線の全線で通話が途切れないことは前述の通りだが、大阪TCは周波数のマルチバンド構成を最適化して、大阪市内を走る大阪環状線を1周しても途切れないようエリア整備を行っているという。ちなみにマルチバンドの最適化によって、なんば駅前での接続率は0.6%、梅田駅前では0.9%改善された。切断率はなんば駅前で0.1%、梅田駅前で0.2%改善されている。

 また地下鉄については、京阪電気鉄道の京阪本線全線と中之島線全線、そして大阪市営地下鉄の中央線の本町駅から堺筋本町駅間と、御堂筋線の本町駅から淀屋橋駅までをカバーしている。大阪TCでも、地下鉄のトンネル部には、容量を2倍にした専用基地局を用いている。

photophotophoto EV-DO Advanced導入でスループットが高速化した梅田駅前(写真=左)。なんば駅前と梅田駅前で改善された接続率と切断率(写真=中央)。関西ブロックにおけるイベント対策の実績(写真=右)

photophoto 大阪TCで公開された移動基地局車

photo アンテナを伸ばしているところ

 夏のイベント対策は、2011年から20件増えた52イベントで対策を実施。大阪TCも、ほとんどのイベントは臨時の回線増強やエリアの最適化などでトラフィック増に対応するが、8月19日にインテック大阪で行われる「SUPER COMIC CITY関西18」では移動基地局車が出動する予定だ。なお、2011年のイベント対策の実績は、対策していなかった2007年と比べて、接続できなかった通信の割合は94%減少し、発信規制した基地局数も98%減少している。

 さて関西地区といえば、この夏の電力不足が心配されていた。KDDIの基地局はすべて、最低3時間のバックアップ電源を備えており、さらに関西の重要拠点をカバーする約300局は自家発電機も装備。停電しても24時間の運用が可能だ。またそれ以外の基地局も、バッテリーを増強することで12時間以上稼働できるよう対策がとられている。仮に2時間の計画停電が実施されても、auの通信網に影響は出ないという。こうしたバッテリーや自家発電機の用意は、本来災害対策として行われているものだが、エネルギー供給の不安定さの対策にも役立っている。

広いエリアを複数拠点でカバー ソーラー発電基地局も採用 札幌TC

photo KDDI 札幌テクニカルセンター センター長の石橋昭男氏

 北海道全域をカバーする札幌TCでは、なんといっても担当するエリアの広さが特徴だ。人が住んでいる地域をカバーするのはもちろんだが、居住区と居住区を結ぶ道路も重点的にカバーしている。というのも、本州の場合は人が住むエリアをカバーすれば大体の道路もカバーできるが、北海道では人が住んでいないが道路は通っているという場所の割合が本州よりも多いためだという。

 こうした道路で携帯電話が使えないと、自動車が故障したり悪天候で運転できない場合に命の危険につながってしまう。広い大地と過酷な自然環境に即したエリア展開が必要だという。また災害対策拠点を道内7カ所に分散させているのも特徴的だ。災害や悪天候の影響をなるべく受けずに復旧作業に入れるよう、拠点と移動ルートを常に複数想定している。また電力が通っていない山岳エリアもあり、太陽光発電のみで動くソーラー発電基地局が3局稼働している。

 こうしたエリアの広さゆえか、プラチナバンドと2.1GHz帯を組み合わせたマルチバンドの最適化も効果が大きいようだ。つながりやすさを示す接続率は、札幌駅前で5年と比べて2.9%も改善。また途切れにくさを表す切断率は1.1%改善している。また小樽駅前は接続率が0.7%、切断率は2.1%改善された。またEV-DO Advancedは、6月28日にエリア全体で導入を完了した。

photophotophoto マルチバンドの最適化で、接続率は2.9%改善、切断率は2.1%改善している(写真=左)。2011年度のイベント対策実績。全国平均とほぼ同じ(写真=中央)。エリアの広さに合わせ、複数の拠点を設置し、ソーラー発電基地局など単独で稼働する施設も使われている(写真=右)

photophoto 札幌TCで公開された可搬式の基地局。衛星回線と結ぶアンテナと発電機を組み合わせて使う。ユニット上部にある白い円すいのパーツはGPSアンテナ

photophoto 札幌TC内のNOC(Network Operation Center)も公開された。普段は中央(東京)で全国の通信状態を監視しているため、地方NOCはほぼ無人。ただし、イベント時や緊急時になれば、地域ごとのNOCできめ細かい基地局の制御を行う(写真=左)。札幌駅周辺のトラフィックをリアルタイムで確認しているところ(写真=右)

photo 地下にあるガスタービン式の自家発電機

 au Wi-Fi SPOTも札幌駅やすすきの駅を中心に1200カ所展開しているほか、北海道の空の玄関口である新千歳空港とその地下にある新千歳空港駅でもau Wi-Fi SPOTを提供。首都圏など全国から北海道入りしたスマホユーザーが、安定して通信できる体制を整えている。

 また観光地としても人気の函館市では、市内の主要な観光施設や交通機関(路面電車・空港連絡バス)などで「Hakodate City Wi-Fi」という公衆無線LANサービスが利用できる。これはKDDI傘下のワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)が函館市や市企業局と共同で展開しているサービスで、au Wi-Fi SPOTと合わせて320カ所以上で高速なネット通信が利用可能だ。

 札幌TCでの夏のイベント対策は、2011年から14件増えた25イベントで対策を実施。イベント対策の実績(2011年)は、対策していなかった2007年と比べて接続できなかった通信の割合は94%の減少、発信規制した基地局数は98%以上削減されし、ほぼ100%の接続率を達成している。


 KDDIがこの夏にエリア対策を行うイベントは、専用サイト(http://www.au.kddi.com/jiyu/network/event/)に一覧が掲載されている。イベント規模により、車載型基地局やau Wi-Fi SPOTも臨時で設置されるので、これから出かけるイベントのチェックをしてみてはいかがだろう。また、PCとauスマートフォン向けにユーザーアンケートも行っている。各イベントでの通話・通信品質の評価を投稿すれば、今後の通話・データ品質の分析に活用される。また、アンケートに協力したユーザーには動画コンテンツをプレゼントしている。

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