小さいだけじゃない――「Xperia SX」に込めた“プレミアム”と“遊び心”:開発陣に聞く「Xperia SX SO-05D」(2/3 ページ)

» 2012年08月20日 09時40分 公開
[田中聡,ITmedia]

制約の中で生まれた4ブロックデザイン

photo 日比氏

 Xperia NXは「透明」、Xperia GXは「アーク」がデザインのキーワードといえる。これはソニーモバイルが掲げる「アイコニックアイデンティティ」というデザインコンセプトにも通じる。その中で、Xperia SXでは「4ブロック」をコンセプトとしている。日比氏はSXでは「シンプルな中、一言で説明できるデザインを目指しました」と話す。ディスプレイが筐体の大半を占めるスマートフォンでは、デザインの自由度が低くなりがち。こうした制約のある中で、4ブロックデザインは「すんなりミックスできた」という。「裏面にバッテリーカバー、表面にディスプレイ、下部にアンテナ(3GとLTE)を配置することで、メカ的な構造を効率よくまとめながら、デザインとして特徴を付けることができました」(日比氏)

 なお、裏側下のクロスラインは、リアカバーの切れ目にもなっている。「極限まで体積を減らそうとすると、ここ(裏側XPERIAロゴの下)までにバッテリーを収めないといけません。機構上の制約がある中で、デザインとしてうまく落とし込めました」(日比氏)

photophoto 側面でシルバーのラインを交差させることで、4ブロック構造を形成している

 樹脂のサイドキーは、アルミを採用していたXperia NXやXperia GXと比べると、やや物足りない印象もある。日比氏によると、サイドキーは各本体色に合わせて作りたかったため、Whiteでは金属のキーを白くするのが難しかったという。「どちらかと言うと4ブロックを強調したかったので、ほかの要素を出したくありませんでした」(日比氏)

ラインとブロックで色を強調

photo リンダ氏

 4色という多彩なカラーバリエーションも目を引く。内田氏は「色をチャレンジできる、遊べるデザインだったので、積極的に色を増やしたい思いがありました。色を変えることで魅力を引き出せるということで、ドコモさんとも良い話し合いができました」と話す。4色の中でもまず目に飛び込んでくるのが、鮮やかなOrangeではないだろうか。ブラックやホワイトのスマートフォンが多い中で、オレンジをほぼ全面に使った機種はほとんど見かけない。

 リンダ氏はOrangeを採用した意図を「カラーのレンジを広げたかった」と話す。「WhiteとBlackはそれほど主張しませんが、非常に洗練されたカラーです。PinkとOrangeは感情的なカラーで、特にPinkは若い方も含め、幅広い女性をターゲットにしています。Orangeは、4ブロックに分けた遊びの要素と一番マッチすると考えました」(リンダ氏)

 フィーチャーフォン時代は「SO903i」で同じくビビッドなラッシュオレンジをラインアップした。「オレンジは若い人向けの色。防水やスポーティな機種に使われることが多いですね。ただ、SXのオレンジでは新しい感覚を表現したかったので、“イエローオレンジ”といえる仕上がりにしています」とリンダ氏は話す。確かに、SO903iのややギラギラしたオレンジに比べると、SXのオレンジ(リアカバーの部分)は黄色みがかかっている。

 Pinkについては「Xperia arc SO-01C」のSakura Pinkや「Xperia acro HD SO-03D」のSakuraでもおなじみで、ソニモバのスマートフォンでは珍しい色ではなくなりつつある。Xperia SXのPinkでは「幅広い年代をカバーするストレートなピンク」(リンダ氏)を目指したという。そのほかに考慮したのがピンクのトレンドだ。「2011年はブルーやパープルを含む、深みのあるピンクが人気ですが、2011年末から明るく暖かいピンクが支持されているので、SXでも後者のピンクを取り入れています。arcのSakura Pink方が主張的ですね」(リンダ氏)。「acro HDはもっとビビッドなピンクを採用しているので、デザインとの相性もあります」(内田氏)

photophoto マットな素材で持ちやすさにこだわった、スタンダードなBlackと、見る確度によって色味が変わるというWhite(写真=左)。女の子っぽさはやや抑え、男性が持っても違和感が少ないPinkと、ビビッドなカラーが目を引くOrange(写真=右)
photo Xperia arcのSakura Pink(右)と比較。arcの方がやや派手な印象だ(筆者はこれを所有していたが……)

photo カメラリングとラインの色は同じ

 4ブロックを形成しているラインもアクセントになっている。このラインの色は本体色ごとに異なり、BlackとOrangeにはシルバー、Whiteには銅のような色、Pinkにはピンク系の色を使っているという。「WhiteとBlackのラインはジュエリー感のあるよう見せました。Pinkではストレートな線とブロックを強調しています。Orangeはその色自体が主張しているので、他の色よりもラインが主張しないよう注意しました」とリンダ氏は説明する。ちなみに、カメラリングの色はラインと同色で、さり気なく統一されている。

photophoto BlackとOrangeのラインはシルバー、Whiteのラインは銅のような色、Pinkのラインはピンクとなっている

 表面の塗装は4色ともグロスだが、裏面はBlackとOrangeがマット、White(リアカバーのみ)とPinkがグロスにしている。なぜ色によって2パターンに分けたのか。「マットな質感の方が手になじみやすいので、Blackは快適な持ちやすさにこだわりました。Orangeはグロスだと派手なので、マットにしました。Pinkはより主張的で鮮やかな色を目指しました」とリンダ氏は説明する。WhiteはXperia GXとXperia NXではマットな質感だったが、Xperia SXはグロスになっている。「Whiteをグロスにしたのは、よりはっきりと色が見えるようにするためです。実はこのWhiteは純白ではなく、光の当たり方によってピンクにも見えるんです。今までにない、洗練された白を作れました。マット感ではなく、色を楽しんでほしいですね」(リンダ氏)

 一方、Whiteの表と裏の下部(SONYロゴがある部分など)はマット加工となっており、リアカバーとは違う質感を味わえる。Blackのカラーも下部とリアカバーで異なる。Pinkでは、下部とリアカバーで(色は同じだが)コーティングを変えているという。このように、Xperia SXでは本体色ごとに4ブロックの色や質感を変えており、遊び心が感じられる。「Blackはシルバーライン、Orangeはブロックごとの色の違いを強調するなど、本体色によってラインで見せるか、ブロックで見せるかを変えています」(日比氏)

photophoto 裏側がマットなBlackとOrange
photophoto 裏側にグロス加工を施したWhiteとPink。ただしWhiteの下部にはマット加工を施している
photophoto Whiteは表面の下部もマット加工(写真=左)。左からXperia SX、GX、NXのWhite(写真=右)

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