ITmedia Mobile 20周年特集

ネットワークの進化/7インチタブレットの台頭/スマホ向けサービスの拡充――2012年を振り返る:石野純也のMobile Eye(2012年総括編)(2/3 ページ)

» 2012年12月28日 15時23分 公開
[石野純也,ITmedia]

7インチタブレットが注目を集める、iPad miniも登場

 “7インチ”も2012年の注目ワードと言えるだろう。火付け役となったのは、Googleが発売したエイスース製の「Nexus 7」。OSにAndroid 4.1(当時、現在は4.2)を採用し、1万9800円という低価格が話題を呼んだ。

photophoto 「Nexus 7」(写真=左)と「iPad mini」(写真=右)

 7インチタブレットと呼ぶには少々微妙なサイズだが、11月2日には7.9インチのディスプレイを搭載した「iPad mini」も発表された。Wi-Fiモデルはわずか308グラムと片手で持てる軽さで、ほかのAndroidタブレットとは異なる4:3というディスプレイの比率も特徴だ。解像度こそ1024×768ピクセルと、Retinaディスプレイ搭載モデルよりは低いが、iPad向けのアプリがそのまま動くのもiPad miniの魅力と言えるだろう。

 タブレットの小型化、軽量化が進んだことで、キャリアにとっても扱いやすい分野になった。10インチ前後のタブレットは、家庭内など固定の場所で使うことが想定されており、3GやLTEなどのモバイル通信が必ずしも必要ではなかった。その結果として、KDDIの田中社長も決算会見の席で、次のように発言している。

 「10インチはWi-Fi版が8割ぐらいの数値。もう少し小さな7インチぐらいになると、Wi-Fi版が4割ぐらいに下がる。小さい方が外で使う確率が上がるということ。テザリングができるスマートフォンとセットになると、『Wi-Fi版でいいじゃないか』とおっしゃる方もいて、たましか使わないのであればそのとおり。ただ、7インチをよく使うという観点でいうと、いわゆるセルラー付きのタブレットが出ていくと思っている」

 屋外に持ち出して使いやすい7インチ台のタブレットは、モバイル通信との相性もいいというわけだ。実際、これまでiPadを取り扱ってこなかったKDDIも、iPad miniから販売を開始。iPhoneと同様、iPadもソフトバンクとKDDIの2社から選択できるようになった。

 もちろん、7インチタブレットはこの2機種だけがすべてではない。この分野に早くから注力していたのが、Samsung電子だ。同社の「GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E」は、ドコモの秋モデルとして発売された。ドコモも7インチタブレットの拡大には積極的で、GALAXY Tab 7.7 Plusのほかにも、秋モデルにはNEC製の「MEDIAS TAB UL N-08D」を取りそろえている。こちらの端末は、ボディにカーボンファイバーを使用し、249グラムという重さを実現している。同じくドコモは、春にも7インチでNOTTVやおサイフケータイなどにまで対応した「MEDIAS TAB N-06D」を発表している。ただし、売れ筋のNexus 7やiPad miniは、性能以上に価格が非常に安い。ここに、他社のタブレットがどのように対抗していくのかも、2013年以降の注目ポイントと言えそうだ。

photophotophoto 左から「GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E」「MEDIAS TAB UL N-08D」「MEDIAS TAB N-06D」

 また、現時点での売れ行きを見ていると、10インチタブレットと同様、7インチタブレットもやはりWi-Fiモデルに人気が集中しているように見受けられる。モバイル通信対応タブレットを今以上に普及させるには、2枚のSIMカードで決められた1回線ぶんのデータ量を分け合えるようにするなど、2台持ちに対するキャリア側のさらなる工夫が必要だ。LTEの開始に伴い、各社とも7Gバイトや3Gバイトの制限を導入した。であれば、そのデータ通信を2台で分け合って使いたいと考えるのは自然なことだ。こうしたニーズに注目した、MVNOのSIMカードも販売されているが、MNOである大手キャリアの対応も期待したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月28日 更新
  1. 「SuicaでJR東海エリアをまたげない」問題、ついに解消か JR東海社長「勉強している」【訂正】 (2026年09月27日)
  2. 20万円超のXperiaを「買い」に変えた3週間 ソニーが「モニタープログラム」を実施した理由 (2026年09月26日)
  3. ドコモ値上げの背景は? 副社長が語るahamoの競争力と、「楽天モバイル意識」の本音 (2026年09月25日)
  4. なぜドコモはahamoの大幅値上げを避けたのか? 段階制で安くなるケースと「アップセル戦略」の狙い (2026年09月26日)
  5. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
  6. 高額な「iPhone Duo」を横目にどう選ぶ? Androidフォルダブルスマホをお得に買う方法【2026年9月版】 (2026年09月27日)
  7. “iPhone 18難民”の買い替え先は? 最新「iPhone 18 Pro」と型落ち「17/17e/16」から最適解を考える (2026年09月25日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. ソフトバンクとLINEヤフーが「Yahoo!スマホ買取」を始めた理由 スマホ高騰時代に目指す「中古の循環」 (2026年09月28日)
  10. iPhone Duoではなぜか「指紋認証」が復活――カメラのアンダーディスプレイ化でダイナミックアイランドはどうなる? (2026年09月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー