機能面のトピックはやはり「フルセグ」だろう。主に携帯電話向けに提供されている「ワンセグ」は、地上デジタルテレビの放送波の13セグメントのうち、1セグメントを使ったもので、解像度は240×320ピクセル。フィーチャーフォン(従来の携帯電話)では無理のない解像度だったが、HDやフルHDディスプレイ搭載のスマートフォンではどうしても映像が粗くなってしまう。「以前からテレビをきれいな画質で観たいというニーズがあった」(説明員)そうで、スマホでフルセグを視聴できる規格(後述するソフトCAS)が整ったことから、搭載される運びになった。13セグメントすべてを使えるフルセグの解像度は1080×1920ピクセルなので、フルHDディスプレイの解像度もフルに生かせるわけだ。また、フルセグのフレームレート/秒はワンセグの15から30に増している。
家庭用のテレビで地デジ放送を視聴するにはB-CASカードが必要になるが、スマートフォンの場合、B-CASを挿すスペースがないため、「ソフトCAS」というソフトウェア上の仕組みでフルセグを観られるよう対応している。また、206SHはフルセグ番組の録画にも対応しているが、「ARROWS A 202F」はフルセグの録画はできない。ただ、高解像度のフルセグは番組のデータ量も増す。説明員によると、録画時間は「64GバイトのmicroSDXCで8時間ほど、内蔵メモリ20Gバイトほどに2時間半くらい」とのこと。
フルセグの連続視聴時間も気になるところだ。「まだチューニングをしているところなので確定していないが、恐らく2時間程度では」と説明員は話していた。充電しながらフルセグを視聴することも可能で、フルセグ起動時の充電中でもバッテリーが減るといった“充電負け”はしないとのこと。フルセグは端末への負荷も高そうなので発熱が心配されるが、フルセグ起動時の放熱については「もうひと頑張りしているところ」だそうだ。
ソフトバンクのスマートフォンでは珍しく卓上ホルダに対応しており(同梱される)、端末をセットすれば、充電しながら快適にフルセグ放送を視聴できる。206SHではさらに、家庭用テレビアンテナのケーブルと接続してMicro USBに変換できるアダプターも同梱される。フルセグはワンセグに比べて受信感度に難があるが、この変換アダプターを端末に接続すれば、より安定して放送波を受信できる。自宅や自室にテレビがない人向けの機能といえる。
フルセグとワンセグは1つのアプリに統合されており、これに伴い、「アプリのユーザーインタフェースも見直した」(説明員)という。必要に応じてフルセグとワンセグを切り替えてテレビ番組を視聴できるほか、放送波の受信感度に応じて、自動でワンセグとフルセグに切り替える設定も可能だ。
1310万画素カメラには、シャープ製の裏面照射型CMOSセンサーを採用した。F値が1.9になり、よりたくさんの光をとらえられるようになったほか、デジタルズームによる画像の粗さを軽減する“美”ズーム機能も搭載している。ただし203SHには搭載された光学式手ブレ補正は搭載されず、電子式手ブレ補正のみとなる。インカメラも裏面照射型CMOSセンサーで、画素数は207万。インカメラで身だしなみをチェックできる「手鏡モード」は、フルHDサイズに向上した。
1画面に2つのアプリを同時に表示できる「アナザービュー」は、203SHから拡張されている。203SHで2つ目のミニアプリとして表示できるのはワンセグ、内蔵動画、YouTube、撮影動画に限られていたが、206SHではマップ、予定、SNS、アルバム、メールも表示可能になった。ただし203SHにはあった、アナザービューを呼び出せるクイック起動キーは搭載されておらず、ミニアプリはタスクキー→アナザービューから表示する。
シャープ独自の「3ラインホーム」も継承している。206SHではロック解除やホーム画面のスクロールなどの際に音が鳴るほか、ホーム上のアイコンを長押しすると、より詳細なサブメニューが現れるなどの改良が加えられている。画面消灯時にタッチパネルに指を滑らせるだけで画面が点灯する「Sweep ON」は、206SHでは初期状態ではオンになる(203SHはオフだった)。また、端末を振ると画面が消灯する「Shake OFF」が、新たに搭載された。
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