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» 2013年05月24日 22時29分 公開

石野純也のMobile Eye(5月13日〜24日):auの“厳選”夏モデルとエリア誤表記の関係/Google I/Oから垣間見えたメッセージ (3/3)

[石野純也,ITmedia]
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OSの急激な進化も踊り場か? Google I/Oから見え隠れしたGoogleのメッセージ

photo 米サンフランシスコで開催された「Google I/O」。基調講演や各セッションに加え、展示も充実していた

 Googleは、5月15日から17日(現地時間)にかけ、開発者向けイベントの「Google I/O」を開催した。ここ数年は、Androidの新バージョンやNexusシリーズが発表されていたこともあり、開催前には数々のウワサが飛び交っていたが、ふたを開けてみると、今年のGoogle I/Oは、“開発者のためのイベント”という本来の趣旨が色濃く出たものだった。

 4時間近く続けられた基調講演では、Google マップやGoogle+のリニューアルに加え、定額のストリーミング音楽サービス「Google Play Music All Access」が発表された。まず、Google マップはデザインや機能を一新する。Android版のUI(ユーザーインタフェース)は、現在iPhone向けに提供されているものに近くなり、画面上部に検索のウィンドウが、画面左下には位置情報を取得するボタンが置かれる。各種メニューは右下に表示されるといった具合だ。「Google Earth」との連携もシームレスになる。

 Google マップのプロダクトマネージャー、Berni Seefeld氏が「あなたにとってと、私にとってのランドマークが異なる」というように、Google+の情報に基づき、オススメされる地図上の情報も異なる仕組みだ。デザインは画面サイズごとに異なるが「機能は完全に統合されている」(同)といい、タブレット向けにも同様のものが提供される見込みだ。マップのリニューアルは、夏を予定している。

photophotophoto Googleマップの機能やUIを、大幅に刷新する。タブレットにも対応しており、待望のiPad版もリリースされる予定だ

 対するGoogle+は、Web版のレイアウトを3カラム表示に変更。写真を大きく見せるなど、大胆なデザインを採用した。また、自動で写真を編集する機能を新たに搭載。すでにAndroidには撮った写真を自動でアップロードする機能が備わっている。これと組み合わせると、アップロード、編集、公開という流れが、すべてGoogle+上で完結するようになる。一方で、先に挙げたように、Google+の情報はGoogle マップのパーソナライズにも使用される。また、プロダクトマネージャーのBradley Horowitz氏が「SNSを超えたもの」と述べているように、Google+はGoogle Play Music All Accessや、開発者向けに発表された「Google Play game services」の基盤にもなっている。SNSとしてはイマイチ盛り上がりに欠けるように見えるGoogle+だが、各種サービスをつなぐプラットフォームになろうとしているようだ。

photophotophoto Google+はデザインを3カラムにしただけでなく、写真加工機能も加わった

 Google Play Music All Accessは、月額9.99ドルで楽曲が聞き放題になる、定額の音楽ストリーミングサービス。楽曲の編集や、パーソナライゼーションにも対応するが、残念ながら現時点では日本では利用できない。

photo 定額の音楽サービス「Google Play Music All Access」も開始した

 このほか、Google I/Oの基調講演では開発ツールの「Android Studio」や、位置情報、プッシュ配信に関する開発者向けAPIの数々が発表された。ユーザーの目線で見ると盛り上がりに欠ける印象も受けるが、Google I/Oは本来、開発者向けのイベント。Androidは2013年に年間9億アクティベーションを超えるプラットフォームで、端末も数多く世に送り出されている。新バージョンのOSや、端末を発表するより、むしろそれらに依存しない発表の方が開発者にとってはメリットも多い。実際、Google I/Oに参加していた数名の開発者に話を聞いたが、評判は決して悪くなかった。Androidも数の上ではトップシェアの地位が固まり、iOSに及んでいないアプリのエコシステムを重視し始めたといったところなのかもしれない。

photophoto 新たな開発ツールの公開やAPIの充実化など、開発者向けの施策も相次いで発表された

 新たにAndroidとChrome OSの両方を統括することになったSundar Pichai氏が基調講演の冒頭で2つのOSを挙げ、「開発者にとって十分スケーラブルなオープンプラットフォーム」と述べていたように、当面はこれがGoogleの主力となりそうだ。ウワサされていた両OSの統合も、まだ先になりそうだ。

photo AndroidとChrome OSの両方を統括するSundar Pichai氏。Googleのプラットフォーム戦略の鍵を握る人物だ
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