LTEはバックアップ、狙うのは2〜3台目――ワイヤレスゲートがMVNOに参入した理由MVNOに聞く(2/2 ページ)

» 2014年11月07日 18時12分 公開
[石野純也ITmedia]
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ワイヤレスゲートのSIMカードをドコモショップで売ることも?

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―― ちなみに、ドコモ以外の選択肢は考えていないのでしょうか。バックアップという点だと、そのほかのキャリアでもあまり変わらないような気もします。

池田氏 LTEに求めるのは安心感なので、今はドコモさんですね。ただ、営業戦略的にそれだけでいいかというと、そうではありません。先ほど申し上げたように、ドコモさんの純増数に貢献しているわけですから、極端な話、ドコモさんの販路を使って売れるチャンスもあります。まったく同じ理由で、KDDIさん、ソフトバンクさんから回線提供を受けた場合も、販路を使わせていただくことは不可能ではないと思います。営業的、経済的にワークするようであれば、ドコモさん以外の回線も検討します。

―― ちょっと待ってください。それは、ワイヤレスゲートのSIMカードをドコモショップなどで売りたいということですか。

池田氏 Wi-Fiサービスに関しては、併売店などで徐々にできています。以前はWi-Fiとはいえ、ほかの通信会社のサービスを売るのはありえない話でしたが、「セルラーを守るためのオフロードに大事」となれば話も変わってきます。ワイヤレスゲートはいろいろな通信を束ねているので、ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップで売っても違和感はあまりないかもしれません。併売店では、僕らが1枚間に入り、そういった取り組みができるようになった実績があります。

 これが1台目ユーザーを取りに行くとなれば難しい話ですが、もともといかなかったユーザーを狙っているのであれば、できると思います。ドコモさん系の販社であれば、問題なくできるとも思っています。販社さんにとっても手数料が入るので、収益源になります。キャリアさんはもちろん、販売会社も潤う。それをやらないと、生き延びることはできないと思います。

―― 実際に売られるようになったら、面白いですね。既存のキャリアショップを活用したいという考え方は、なかなかほかにはないと思います。

池田氏 もともと僕が通信キャリアにいたというのが、背景にあるのかもしれませんね。ガチンコで勝負しても、キャリアさんには勝てないことは分かっています。一方で、今、キャリアさんがやれないこともよく分かっています。本来、MVNOはキャリアさんがやれないことをやるべきで、それによってお客様により親しみを持ってもらい、通信業界を活性化するというのが私たちの立ち位置です。

最安プランの通信速度を「250kbps」に設定した理由

―― 最安プランの250kbpsという速度は、どのような根拠で出てきたものでしょうか。

池田氏 お客様がご利用になるアプリは何かを考えました。メール、Skype、LINE、FaceTimeなど、データ通信系の動画チャットなどが動くレベルでやりたい。それを考えると250Kbpsで全部できてしまいます。実質のスピードが遅くなるとできませんが、本当に250Kbpsぐらいは出ています。できないのは、長時間の動画視聴ぐらいですかね。あとは、アプリなどのダウンロードに時間がかかることもあります。ただ、それらはそもそも、Wi-Fiエリアでやるという設計で、スピードに関してのクレームはまったくありません。最速でつながっていようが、250Kbpsでつながっていようが、重要なのは、アプリが快適に使えることですからね。

―― Wi-Fiと携帯電話のネットワークは、アプリで切り替えるという理解でよろしいでしょうか。

池田氏 今はアプリですね。ただ、Wi-FiもSIMでの認証ができます。そういったものが技術的に進展してくれば、SIMだけでハンドリングが可能になります。

―― キャリアはSIM認証を導入していますが、MVNOはまだそれができません。

池田氏 設備が解放されていないので、難しいですね。あれによって、Wi-Fiの接続率が圧倒的に上がってきています。解放されれば、できるようにしていきたいと思います。

―― 現状、Wi-Fiはどのくらいのスポット数になるのでしょうか。

池田氏 マクドナルドやスターバックスなど、4万箇所ぐらいですね。

―― Wi-Fiスポットはキャリアが何十万という数字をアピールしています。

池田氏 コンセプトが違います。僕らはしっかり使える場所を確保しています。使えるか使えないか分からないような場所に置いて数合戦をしても、意味がないですからね。4万箇所というのは、使い勝手がいい数字だと思います。

 また、本来、Wi-Fiにはバックホールの回線も速いものが必要になりますが、キャリアさんのWi-Fiには、そこが3GやLTEのものまであります。あれだと、結局セルラーにつながってしまうので、オフロードにならないという自己矛盾も抱えています。置きすぎると干渉源にもなってしまい、ほかのちゃんとしたスポットに悪影響を与えてしまうこともあります。ああいったものは、本質ではないので長続きしないですし、淘汰(とうた)されていくものだと思います。

 もちろん、きちんと使えるスポットが増えるに越したことはありません。使える場所にきちんとWi-Fiスポットを打つというのは、イネーブラー事業でやっています。Wi-Fi環境の構築を、裏方としてお手伝いしている事業ですが、例えば銀座では「G Free」という彼らのサービスが行われています。

M2MやIoTの領域も伸ばしていきたい

―― 今後は、どのようなサービスを考えているのでしょうか。

池田氏 コンシューマー向けに関しては、かなり完成系に近づいています。引き続き、今のプランで販路を増やしていきたいですね。また、訪日外国人向けのプリペイドにも、力を入れていきたいと思っています。

 あとは、どちらかといえば、対人ではなく、対モノを伸ばしていきたい。モノについては、通信回線が高くて、利用をあきらめていた人がいます。そういった人たちに、「その程度の通信量なら、このくらいのお金でできますよ」と話すと、「だったらやってみよう」となります。いわゆるM2MやIoTの領域です。

―― とはいえ、特にM2Mについては、キャリアも力を入れようとしています。先ほどおっしゃっていた、競合しないという点と矛盾があるようにも聞こえますが。

池田氏 狙っている市場規模がまったく違います。自動車や自販機などはどう考えても旨みがあって、すでにキャリアさんも手をつけています。この後、どう考えてもレッドオーシャンになる分野で、僕らが積極的にやる対象ではありません。目をつけているのは、もっと小さなところですね。通信環境があればもっとよくなると、気づいていないところです。それがうまくいったあかつきに、キャリアさん市場を取っていくことになるのも仕方がないと思っています。

―― 例えば、どんな分野でしょうか。

池田氏 いろいろあります。すでにリリースしているのが、訪問看護や訪問介護です。この分野は、ネットワーク化が全然進んでいません。一方で、バイタル情報などは、トラフィックを見ても全然大きなものではありません。

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